これが米国の実態だ。
この年の春先、トヨタ車の欠陥による急発進(急加速)と米国で騒ぎになった。米国議会で公聴会まで開かれ、欠陥車で被害にあったとする女性が出て証言までした。しかし、当初から証言に不審な点がいくつかあった。まず、運転中に彼女のレクサスが急加速したのでブレーキを踏み込んだが制御できず、サイドブレーキまで掛けたが減速しなかった。次にミッションレバーをバックに入れたが何ら効き目はなかったという。 しかし、どういうわけか彼女は無事で彼女の乗っていたレクサスは走行距離8000キロ程度で転売され、それを購入した男性は購入後6万キロ走った今も何ら不具合はないという。 その時点で、彼女の勘違いは明らかだった。アクセルからブレーキに踏みかえたなら、車は必ず制御できる。たとえ電子制御に不具合があって加速し続けたとしても、ブレーキを踏み込めばブレーキの方が勝るように車は安全設計されているものだ。さらに前進中にミッションレバーをバックに入れることは不可能だ。入らないような仕組みになっている。それでもバックに入ったとしたら、変速機は破壊されているはずだ。 そうしたことは多少なりとも車の知識がある者なら気づく初歩的なものだ。それが100人からいた合衆国国会議員も取材していた大勢のマスコミ関係者も疑問を呈さないばかりか、トヨタはけしからん、との非難の大合唱になった。 当時、米国の車産業はGMやクライスラーが破産して国から公的資金を数兆円も注ぎ込む壊滅的な状態にあり、トヨタなどの日本車が一人勝ちだった。それがトヨタ欠陥車の原因だったと思われる。いわば米国議会は集団ヒステリー状態にあったのだ。そこへのこのこと米政府官僚が出掛けて「実はアクセルとブレーキの踏み間違いの公算が大」とは証言できなかったのだろう。それで公聴会はトヨタ社長を召喚してとっちめてやろう、ということになった。民主主義と公正・公平を重んじる風土の国家にしてこの体たらくだ。 普天間基地移設先がどうしても辺野古沖でなければならないとするのは結論ありきの為にする議論のように思えて仕方がない。国会に召喚すべきは辺野古沖を主張する米軍関係者と日本で合意形成に動いた官僚たちだ。彼らを呼んで、徹底的にすべての国民に分かるまで問い詰め、説明させて戴きたい。それが国益と国防を担保する日本国内の米軍基地に関する...