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6月, 2022の投稿を表示しています

触らぬ神に祟りなし。

<岸田文雄首相は29日午後(日本時間同日夜)、スペイン・マドリードで米国のバイデン大統領、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と会談。弾道ミサイル発射を繰り返し、核開発を続ける北朝鮮への対応を協議する。一方、首相は尹氏との首脳会談は見送る方針だ。政府内からは、いわゆる徴用工訴訟などで解決策を示さないまま関係改善に前のめりになる韓国側に、不快感を示す声も出ている。  3カ国の首脳会談は2017年9月以来、4年9カ月ぶりとなる。北朝鮮が核実験の準備を完了させたとされる中、首相らは北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に合わせ、会談の場を設けた。  首相は北朝鮮の核・ミサイル開発や拉致問題の解決に向け、日米、日米韓の連携を重視してきた。米国も前向きで、今月11日にはシンガポールで日米韓防衛相会談を開き、共同訓練の再開などで合意した。  一方、首相は28日、現地で開かれたスペイン国王主催の夕食会の際、尹氏と短時間会話した。  韓国大統領府によると、首相から声を掛け、尹氏の就任や統一地方選での与党勝利を祝福。尹氏は来月10日投開票の参院選で「良い結果をお祈りする」と応じた。さらに首相が「日韓関係がより健全な関係に発展できるよう努力しよう」と呼び掛けたという。  これに対し、日本側は、首相が尹氏に「非常に厳しい日韓関係を健全な関係に戻すため尽力してほしい」と求めたと発表した。外務省関係者は「会談での相手の発言は言わないのがルールだが、あまりに事実関係に反しているので発表した」と説明する。  今回、政府はNATO首脳会議に合わせた日韓首脳会談の開催を見送る方針だ。反日姿勢が顕著だった文在寅(ムン・ジェイン)政権からの交代をきっかけに、韓国側には対面の日韓首脳会談への期待があったが、日本側は慎重姿勢を崩さなかった。  背景には、韓国側が尹氏の就任後も、徴用工訴訟や慰安婦問題などで具体的な解決策を示していないことがある。さらに、不法占拠する竹島(島根県隠岐の島町)周辺の日本の排他的経済水域(EEZ)内で無許可の海洋調査を行うなど、関係改善に冷や水を浴びせたことも影響している。 「会談したいと言ってくるが、何の解決策も示さない。ふざけている」  日本政府高官は自国の主張を押し付ける韓国側への不満を漏らした>(以上「産経新聞」より引用)  日韓首脳会談は現状のままで開催しても無意味だ。な

政治は国債償還が目的ではなく、国民生活を豊かにすることだ。

<投票日まで2週間を切った7.10参院選。大手メディアの序盤の情勢調査は、どこも「自民圧勝」だ。しかし、選挙期間の長い参院選は風が変わりやすい。選挙関係者が密かに注目しているのが「期日前投票」が急増していることだ。有権者が怒りの一票を投じている可能性がある。   ◇  ◇  ◇  期日前投票が好調だ。3年前の参院選に比べ、各地で大きく増えている。  京都で2.2倍、岩手で2倍、山形、宮城、香川で約1.5倍だ。なぜ激増しているのか。ジャーナリストの鈴木哲夫氏がこう言う。 「投票日に外出などの予定があるため、期日前投票する人は、いつも投票に行く有権者。コロナが落ち着き、投票日に予定が入っている有権者が増えているのは間違いないでしょう。ただ、コロナ前の3年前の参院選に比べても増えているということは、普段は投票しない有権者が期日前に足を運んでいるとも考えられます。物価高騰への不満から期日前に票を投じている有権者も少なくないでしょう」  盛り上がりに欠ける参院選だが、選挙の争点が「物価高」と「消費税減税」に絞られ、有権者が関心を持ち始めているとも指摘されている。  岸田政権は物価高騰に対して無策だ。野党が訴える消費税減税についても、自民党の茂木幹事長は「(消費税を)下げるとなると年金財源を3割カットしなければならない」と消費税減税を望む高齢者を恫喝し、〈年金3割カット〉がトレンド入りしている。大炎上中だ。 与野党の違いは消費税減税 「消費税減税を拒む与党と推す野党と、物価対策は与野党の違いがハッキリしています。今後、岸田政権の物価対策への不満が拡大すれば、序盤優勢だった与党候補が追い上げられてもおかしくありません」(鈴木哲夫氏)  現在、与党候補が先行しているが、野党に逆転を許す可能性があるのは12選挙区(別表)。北海道(改選数3)は、立憲2人が支持を伸ばし、自民新人が当選圏外にはじき出される可能性がある。兵庫(改選数3)の3議席目は公明現職と立憲新人が接戦を繰り広げている。  32ある1人区のうち、青森、岩手、長野、沖縄の4選挙区では野党が優位に立ち、28選挙区では自民が先行しているが、逆風が吹けば、情勢は変わりそうだ。とくに山形、新潟、山梨、大分では野党現職が猛追。もともと野党が強い福島や三重も分からない。公明が推薦を見送った岡山も自民現職は安泰ではない。  7月に入れば

「消費税減税なら年金3割カット」とは愚かな政治家の脅し文句だ。

<物価高対策として野党が掲げる消費税減税を巡り、自民党幹部からまた問題発言が飛び出した。どうしても自民党は、消費税減税だけは参院選(7月10日投開票)の争点にしたくないようだ。  ◇  ◇  ◇  問題発言の主は、自民党の茂木幹事長。26日のNHK日曜討論で、物価高対策として消費税の減税を掲げる野党案に対し、「野党の皆さんがおっしゃるように(消費税を)下げるとなると、年金財源を3割カットしなければなりません」などと指摘。すでに6月支給分から0.4%減額された年金について、「消費税減税なら年金は3割カットだ」と更なる削減をほのめかしたのだ。  案の定、茂木氏の「年金カット」発言にネットは大荒れ。〈消費税を減税しなくても年金カットしてるよね〉〈国民を恫喝するんですね〉--と大炎上している。さすが、官僚が「取り扱いマニュアル」を作る“パワハラ体質”だけあって、ドーカツは常套手段のようだ。「まさに年金を人質に取った脅しです」と、税理士で立正大法制研究所特別研究員の浦野広明氏(税法)がこう言う。 「恐らく茂木さんの言った『年金3割カット』は国が負担する社会保障費の3割、約10兆円規模を指しているのだと思いますが、消費税を減税しても、他に財源を見つければ解決する話だと思います。例えば、試算によると、金持ちや大企業優遇の現行の税制を見直して“応能負担”に基づく累進化を進めれば、約40兆円の税収が見込まれます。消費税が法人税減税などの穴埋めに使われているといった問題もあるのに、いきなり『年金カット』を言い出すのは、いくら何でも乱暴です」 減税実施予定している国と地域は世界91  実際、消費税減税は、経済対策の一環として世界中で行われている。コロナ禍以降、消費税にあたる付加価値税の減税を実施・予定している国と地域は世界91に上る。  にもかかわらず、茂木氏は25日の街頭演説でも「選挙になると年中行事のように(野党は消費税の)引き下げに言及する」などと訴え、「非現実的だ」とまで言い放っている。先週19日の日曜討論では、大企業・金持ち優遇の税制政策を野党議員から突っ込まれた高市政調会長が「デタラメ言うな」と色をなして反論して炎上したばかり。自民党は、参院選の争点に浮上した減税論を、何としても封じたいようだ。 「消費税減税に踏み切って法人税の累進化を進められないのは、自民党が輸出製造業など

弱体化するロシア。

<西側国家がロシアを攻撃すれば第3次世界大戦が始まり、これは破滅的な核戦争になると、ロシア外相がバイデン米大統領の関連発言に言及しながら警告した。 ロシアのRIAノーボスチ通信などによると、ラブロフ露外相は2日(現地時間)、アルジャジーラ放送のインタビューでこのように述べた。  これに先立ちバイデン大統領は先月26日、ロシアのウクライナ侵攻への対応について「我々には2種類の選択肢がある」とし「ロシアを物理的に攻撃して第3次世界大戦を始めるか、国際法を違反した国が代償を払うようにすることだ」と発言した。  ラブロフ外相はこの日のインタビューで、核戦争の可能性に関する質問に「それはバイデン大統領に問うのがよい」とし「彼(バイデン大統領)は『我々が制裁の道を行かなければ、代案は第3次世界大戦になるかもしれない』と述べた」と答えた。  ラブロフ外相はウクライナの核武装の可能性について「技術的な能力は備えている」としながらも「しかし我々はウクライナの核武装を容認しない」と強調した。  そしてロシアの今回の軍事作戦は、ウクライナの非武装化と核兵器保有予防のためのものだとも主張した。ラブロフ外相は「ロシアはウクライナが我々の安保を脅かす攻撃武器を確保することを許容しない」と繰り返した。  また、ウクライナがかつてドイツがしたようにナチス性向(極右民族主義性向)の人々を追放する、いわゆる「脱ナチス化」をすべきだとも主張した。  ラブロフ外相は西側のロシア制裁については「ロシアは制裁に対する準備をしたが、報道機関とスポーツ選手、文化界の人たちにまで制裁が加えられるとは予想できなかった」と述べた。続いて西側は新しい欧州安全保障体制の構築に関連したロシアとの協力を拒否したと批判した。さらに「我々の交渉代表は2回目の会談でウクライナ側が主張した安全保障について協議する準備ができている」と述べた。  これに先立ちラブロフ外相は1日、スイス・ジュネーブで開催された国連人権理事会高官級会議で録画映像による演説を行った。当時、ラブロフ外相の演説が始まると、会議場にいた約100人の外交官は集団退場し、ロシアのウクライナ侵攻を糾弾した。  一方、ウクライナとロシアの代表団は先月28日に続いて2回目の交渉を推進中だが、まだ具体的な会談日程に合意できない状況だ。一部では2日午後遅く交渉が行われるという見方

「良い子症候群」が婚姻率を下げているのか。

<20代男性の65.8%は妻や恋人がおらず、39.8%はデートした人数0人。20代女性も似た傾向にあり、51.4%に夫や恋人がおらず、25.1%がデート未経験――。6月14日に公表された内閣府の『令和4年版男女共同参画白書』が大きな話題を呼んでいる。 なぜ、今の若者はデートや恋愛に対し、ここまで消極的なのか。  白書の公表以降、各種メディアでなされてきた議論は、次の4点にまとめられる。①経済力の低迷(特に男性の)、②恋愛や結婚に興味のない人の増加、③ひとり時間の充実、④出会いの減少、だ。  私は、これらの解釈にはある程度同意しつつも、やや表面的と感じる。むしろその根底に、今の若者における「変なこと言って空気を乱したらどうしよう」「ズレた提案をして後で自分のせいにされたらどうしよう」という、人の感情に対する強い恐怖心が作用しているのではないかと思う。 失敗すると思い込み、最初から「デートしない」  今の若者の多くは、目立ちたくない、100人のうちの1人でいたい、自分で決めたくない、誰かが決めたことに従っていたい、(自分に対する)人の気持ち・感情が怖い、といった心理的特徴を有していて、私は彼らを「いい子症候群」と称し、その深層心理の可視化に努めてきた。  なぜ、彼らはそこまで自分に向けられた他人の感情を怖がり、空気に従おうとするのか。  それは、自分に自信がないからだ。自分に自信がないから、自分に向けられた人の気持ちに過敏になり、それをちょっとでも想像しただけで強い緊張が走る。  自分に自信がないから、100人の中の1人として埋もれていたいと願い、自分に自信がないから、ひたすらメンタルの安定を求め、微細なリスクすらも取らないゼロリスク志向へと突き進む……。 自分が提案したお店へご飯を食べに行ったとしたら…  そんな心理状態では、デートどころではない。いい子症候群の若者たちにとって、デートや恋愛は、メンタルを不安定にするリスクの塊そのものだ。たとえば、仮に自分が提案したお店へご飯を食べに行ったとしよう。万が一、そのお店の雰囲気が悪かったら、もう気まずくて息もできない。ご飯の味より申し訳なさで頭がいっぱいだ。さらにそんなとき、相手が「別にいつも行く○○(チェーン店)でいいよ」なんて言ってくれようものなら、そんな神レベルの素敵な人が自分のことを好きになるはずはないので、もうデ

G7で確認したこと。

<主要7カ国(G7)首脳会議が26日、ドイツ南部のシュロスエルマウで開幕した。バイデン米大統領は、ウクライナに侵攻したロシアへの対応で結束維持の必要性を強調した。  会議はウクライナでの戦争と食料・エネルギー供給、世界経済への影響などが主要議題。冒頭で日米英カナダの4カ国は対ロシア制裁を強化し侵攻の資金源を断つため、ロシア産金の輸入禁止措置で合意した。英政府が明らかにした。  バイデン氏は議長国ドイツのショルツ首相との会談冒頭、ウクライナ問題での同氏の指導力に謝意を示し、ロシアのプーチン大統領は西側の結束を崩せなかったと指摘。「プーチン氏は当初から北大西洋条約機構(NATO)とG7が分裂することを期待していた。しかし、そうなっておらず、そうなることはない」と語った。  ドイツ政府筋によると、G7首脳は、ロシア産石油価格に上限を設定する可能性についても「実に建設的」な協議を行っている。  首脳らはまた、途上国への6000億ドル規模の資金拠出を目指すことで合意した。中国の影響力拡大に対抗するとともに食料・エネルギー価格高騰による影響に対処する>(以上「REUTERS」より引用)  ゼレンスキー氏もオンラインで参加する主要7カ国(G7)首脳会議がドイツ南部のシュロスエルマウで開幕した。主要先進自由主義諸国の七か国の会議にウクライナ大統領がオンラインとはいえ参加するのは異例だ。  しかしそれに合わせるかのように、ロシアは激しくウクライナ各地を砲撃しミサイルを撃ち込んだ。特にキーウのミサイル攻撃は特別で、学校や幼稚園やショッピング・センターといった多くの人が集まる民間施設が狙われたようだ。1,000人以上もの客がいたショッピングセンターは建物が崩れ落ち、「何人犠牲になったか分からない」という状況だ。  今回のG7は「ウクライナ疲れ」という長引くウクライナ支援と、ウクライナ戦争によるインフレに世界各国の「ウクライナ疲れ」を払拭するための会議であった。当然のことながら、主要先進自由主義諸国はすべての人の人権と基本的権利を守ることを確認し合い、対ロ経済制裁とウクライナに対する支援の続行を確認し合うのが目的だった。  プーチン氏はエネルギーでロシアに依存している欧州各国とほかの先進自由主義諸国とを分断し、欧州諸国をロシアの支配下に置こうとしていた。しかし欧州諸国は潤沢なエネルギー消費

「政治家のレヘルは決して国民(有権者)のレベルを超えない」とは、けだし箴言だ。

<兵庫県尼崎市の全市民約46万人の個人情報が入ったUSBメモリーが一時紛失した問題で、市から業務委託を受けた情報システム大手「BIPROGY(ビプロジー)」は26日、メモリーを紛失したのを「協力会社の社員」と説明してきたのが、「協力会社の委託先の社員」の誤りだったと発表した。  BIPROGYは24日の記者会見で、紛失したのは協力会社の40代男性社員だったと、企業名も挙げた上で説明していた。BIPROGYは「協力会社から聞き取る中で認識を誤った」としている。   BIPROGYによると、尼崎市との契約書では、業務の一部を委託する際は市の許可を取ると記載していた。BIPROGYが今回の業務を協力会社に委託し、協力会社がさらに別の会社に委託していたことについて尼崎市は「紛失発覚後に初めて知った」と説明している。   USBメモリーは21日、データ移管作業後にUSBメモリーを持ったままBIPROGY関西支社の社員と大阪府吹田市内で飲酒した男性が、帰宅時に路上で寝込んでかばんごと紛失。24日に同市内で見つかった。メモリーには約46万人分の名前、住所、生年月日のほか、住民税額や、児童手当と生活保護の受給世帯の口座情報などが入っていた>(以上「朝日新聞」より引用)  官の民間委託がすべて悪いとはいわないが、市民が知らぬ間に役場の業務の多くが民間委託になっている。それで行政経費が削減され、効率化されているのなら民間委託をとやかくいわない。しかし業務を民間委託しても役場の職員数が削減されたとの話は聞かないし、削減されたと思ったら正職員を削減して派遣職員を大量導入しているなど、と公的機関の本質を逸脱してはいないかと不安になる。  果たして尼崎市で「全市民約46万人の個人情報が入ったUSBメモリーが一時紛失した」不祥事があったが、それは市から業務委託を受けた情報システム大手「BIPROGY(ビプロジー)」が今回の業務を協力会社に委託し、協力会社がさらに別の会社に委託していたことから情報管理の不備が露呈したものだ。  事件の顛末は「データ移管作業後にUSBメモリーを持ったままBIPROGY関西支社の社員と大阪府吹田市内で飲酒した男性が、帰宅時に路上で寝込んでかばんごと紛失」したというのだからお粗末そのものだ。USBメモリーは当該業務終了後に直ちに中身を消去することになっていたという。なぜ

三度目の政権交代は夢のまた夢、か。

<共同通信社の参院選情勢調査によると、全体の勝敗を左右する32の改選1人区は、西日本を中心に半数程度で自民党が優位な戦いを進めている。一方、野党がわずかでも先行するのは5選挙区前後。候補者調整が難航し、事実上の与野党一騎打ちが11選挙区にとどまった影響が出た可能性もある。  野党は、全ての改選1人区で候補を一本化した2016年参院選で11勝21敗、19年参院選は10勝22敗だった。今回は一部の1人区で野党が競合。その結果、青森、岩手、山形、長野、沖縄の5選挙区でリードしているとみられるが、その他は劣勢となっている。  このほか新潟、山梨、大分では自民と激しく競り合っている。事実上の一騎打ちとなった11選挙区のうち、和歌山、愛媛、熊本、鹿児島などでは自民にリードを許している。  自民は今月実施した独自調査に基づき、1人区のうち約10を重点区に設定。さらに情勢分析を進め、党幹部らを優先的に投入して票を掘り起こし、議席の上積みを図る戦略を描く>(以上「共同通信」より引用)  7月10日投開票が実施される参議院選は一人区で自民党が過半数越えするとみられているようだ。当然といえば当然のことだ。なぜなら「野党共闘」が成立しなかったからだ。  野党は「小異を捨てて、大同につく」の真逆を実行している。「小異を論って、大同を壊す」では野党は勝てない。本当に「小粒」で「小物」の野党党首が揃いも揃ったものだ。  ピーチク、パーチクと「小異」を針小棒大に騒ぎ立て、野党共闘を壊した責任は玉木氏と泉氏の両者にあ。自民党を見て見よ、右派と左派があれほど「敵基地攻撃能力」に関する見解が異なっても、党が割れないではないか。  玉木氏の云う「反対する野党」ではなく、「建設的な野党」とは何だ。維新並みに自公政権の補完勢力になる、ということではないか。それほど政権に近づきたいのか。  泉氏はすべての非自公維を抱え込む度量を持つべきだった。最初に共産党と共闘を仕掛けたのは小沢一郎氏だ。小沢氏は元自民党の幹事長で、共産党とは泉氏よりも玉木氏よりも遠い人だった。だが「国民のための政治」を考えるなら、好悪の念で行動すべきではない、という考えから「すべての非自公維と共闘すべき」との原則で行動した。  そうした野党が国民のナショナルセンターになる決意で行動する野党党首でなければ選挙では決して勝てない。この夏だけでなく

胎児にも生きる権利がある。

<米連邦最高裁が人工妊娠中絶の憲法上の権利を否定した。中絶の合法性判断は各州に委ねられたが、保守的な州は既に制限を強化し始めている。女性の選択肢が狭まり望まぬ出産が増えれば、貧困の連鎖を生むことが懸念される。  中絶の権利を擁護する米団体「グットマッカー研究所」によると、米50州のうち半数超の26州が一定の条件下で中絶禁止を検討。うち南部や中西部の13州は、最高裁判決が出れば自動的に制限措置を発動する州法を整えた。レイプや近親相姦の被害者さえ例外としない州も少なくない。  「全米一厳しい」と言われるオクラホマ州は、中絶手術の実施を「重罪」とし最長10年の禁錮刑を科す方針だ。テキサス州は中絶処置を施した医療機関などに対し、住民が訴訟を起こせる制度を導入。このほか、中絶を思いとどまらせるためカウンセリングを義務化したり、受診までの待機期間を設けたりと、規制の手法はさまざまだ。  一方、民主党の勢力が強いリベラルな州も判決に備え、妊婦や病院を保護する措置を講じてきた。ニューヨーク州は手術費用の保険適用やクリニックへの財政支援を提供。同州のホークル知事は24日、ツイッターで「中絶は安全で、常にアクセスできる」とアピールした。  ただ、全ての希望者が規制の緩やかな州で中絶できるわけではない。オクラホマやテキサスに近い州の医療機関には患者が殺到し、予約が困難になっている。経済的余裕のない女性には旅費も足かせだ。望まぬ出産で失業する例もあり、グットマッカー研究所のエルミニア・パラシオ会長は「中絶規制は低所得層に特に影響が大きい」と指摘している>(以上「時事通信」より引用)  中絶禁止の波が全米に広がっている、という。日本でも中絶は「原則禁止」だ。経済的理由や優生保護法に関する場合に「特別」に認められる外は、中絶は禁止だ。  米国では中絶の合法性判断は各州に委ねられたが、保守的な州は既に制限を強化し始めている、という。望まない出産をしない「自由」が女性に認められるべきだというが、胎児には人としてこの世に生を受ける権利があるのではないだろうか。  たとえ望まない出産でも、生まれて来た子供に「望まない」親の都合は関係ないはずだ。そうした子供を受け容れる「里親制度」などがある。授かった生命を親の都合で「殺害」してはならない。  たとえ婦女暴行で授かった命であっても、望まない妊娠で生命が宿

バイデン政権にNOを。

< <飛行機のチケットは4割増し、空港からのタクシー料金は3倍超......レーガン政権以来の物価高に全米が悲鳴をあげている>  アメリカが現在のような高インフレを最後に経験したのは40年以上前。私はまだ母の胎内にいた。  そして今、私が海外出張からワシントンに戻るたび、彼女は送迎の運転手役を買って出てくれる。「サム、空港からのウーバーの料金はパンデミック前は20ドルだったのに、今は70ドルよ!」と、母は言う。  私は幸いユナイテッド航空(UAL)の株主だが、さもなければ飛行機代は38%も値上がりしていた。  このコラムはバイデン大統領の自宅近くにあるビーチで休暇を過ごしながら書いている。3年ぶりにアメリカで車を運転したが、25ガロンのタンクのガソリン代が記憶にある限り初めて100ドルを超え、125ドルになった(1ガロン=5ドル)。  世論調査によれば、インフレを「非常に心配している」アメリカ人は回答者の60%、「やや心配している」が31%で、「全く心配していない」のは1%にすぎない。ほんの3カ月前まで想像もできなかった数字だ。  インフレの衝撃をさらに悪化させているのは、合理的とは言い難い心理的反応だ。例えば、私は前回アメリカに帰国したときからガソリン代が2倍になったことはよく分かっているが、それでも支出全体に占める割合は3%程度にすぎない。スターバックスやシリアル、アイスクリームには、その3倍使っているはずだ。  しかし、私の思考は先週から125ドルという記録破りのガソリン代に支配されている。アメリカ人にとってガソリン価格は特別な存在であり、脳内の「恐怖受容体」を直撃する。加えてガソリン高騰の痛みがいつ収束するか、急激な価格変動が今後どうなるのか、誰にも分からない。  しかもインフレは単なる心理的悪夢ではない。58%のアメリカ人が物価高に対処するため、貯蓄の取り崩しや借金に走っている。年収15 万~20万ドルの高所得層でも、66%が請求書の支払いに苦労しているらしい。  消費者の景気見通しは2009年以来最低だ。現在の経済状況を「良い」とする回答はわずか14%。景気が良くなるという答えは20%、悪くなるが77%。  物価はアメリカにとって2番目の大問題であり、トップの「お粗末な政府・リーダシップ」との差はわずか1㌽だ。インフレは現職の大統領にも恐怖を与えている。

太陽光発電はあくまでも補完エネルギーだ。

<ロシアのウクライナ侵攻により緊迫した国際情勢が続いている。原油高騰などに直面する小資源国の日本は、エネルギー安全保障を見据え、首都・東京も真剣に立ち向かわなければならない。  今年の夏、そして来季の冬に、深刻な電力不足が予想される。東京都はいま、住宅などの一定の中小新築建物へ太陽光発電設備の設置を義務付ける条例改正案への検討を重ねている。  世界的に「脱炭素」の動きが進んでいる。米カリフォルニア州は新築住宅に太陽光発電設置を義務化し、ニューヨーク市も同様の制度を導入した。EU(欧州連合)では都が検討中の内容より踏み込んだ案が進んでいる。これらの国々は日本よりもエネルギー自給率が高いが、電力の選択肢を広げる「オルタナティブ」の努力を怠らない。  翻って日本はどうか。2011年の東日本大震災以降、エネルギー安全保障の歩みが滞っていたしわ寄せが今、明確に出ている。  大消費地の東京は何をすべきか。その過程で今回の条例改正案を検討している。高騰し続けるであろう電力料金に自家発電でも対応する一方、EV(電気自動車)導入で原油高対策になる。  改正案では、日照条件などを考慮し、太陽光発電に不向きな場所は除外される。判断するのは東京の約50の事業者で、むしろ太陽光発電設備設置を営業ツールに使っている。リサイクル産業も育ってきている。  災害時には蓄電分が自宅でも使え、都民の命を守ることにつながる。「現実的な電力の選択肢多様化」を追求していかなければならない。  原子力発電所の再稼働でも、国が明確な方針を決めるべき点で思考停止が続いてきた。それぞれの状況を見て、安全な原発を判断し、地元の理解や協力を丁寧に得る取り組みが必要ではないか。  ウクライナでの戦いは長期化しそうだ。エネルギー不足に加え、大穀倉地帯のウクライナでは収穫はおろか、来季の種付けも困難になる。戦局の膠着(こうちゃく)が続けば、穀物生産は約40%減少すると予想される。  小麦の供給不足と価格高騰に円安が響く。「食料の安全保障」にも対応しなければならない。かつて、「米粉のパンの普及」を提唱した。朝食でも「パン派」と「ご飯派」が分かれるが、いまこそ、食の大消費地でもある東京で、「米粉パンのムーブメント」を起こす好機ではないか。  米の価格は長年、国の管理下に置かれ、減反などもあり、離農者も多く出てきたが、日本の米は伝統

自公に維新と国民は一体化した「与党」だ。

<7.10参院選の大きな争点のひとつは、間違いなく物価高騰だ。選挙期間中もそれは止まらない。7月1日には再び一斉値上げが実施される予定。庶民の怒りが岸田政権を揺さぶらなければおかしい。  ◇  ◇  ◇  投開票日までに実施予定の主な価格改定は<別表>の通り。食品、外食、文房具、おもちゃと多岐にわたる。プライベートブランド(PB)「トップバリュ」の価格据え置きで競争力を発揮しているイオンも3品目の価格を引き上げる。原材料高や円安などのコスト増を企業努力で吸収できなくなったからだ。選挙期間中に値上げ発表が相次ぐ可能性もある。  参院選が公示された22日には、カルビーとUCC上島珈琲が値上げを打ち出した。カルビーはポテトチップスなど計157品を9月1日から順次、5~20%程度アップ。ポテトチップスは今年1月に続き、2回目となる。UCCはレギュラーコーヒーなど36品目が対象だが、一部は再値上げだ。  23日はリクシルがトイレやキッチンなどの一部商品の価格を最大27%引き上げると発表。9月1日から順次実施する。味の素も家庭用調味料51品目を10月1日から約2~12%値上げする。 ■今後も再値上げ、再々値上げは続く 「年初から値上げが続いていますが、これでも末端価格への転嫁はコストアップ分のごく一部です。イオンがPBの値上げに踏み切ったように、経費節減などの企業努力には限界があります。当面は再値上げ、再々値上げは続くでしょう」(経済ジャーナリストの井上学氏)  食用油は昨春から今春にかけて、5~6回も値上げが実施され、価格は1.5倍に上昇。それでも、コスト増を吸収できていない。原材料高騰による2023年3月期の減益要因は大手3社合計で847億円と見込まれている。たびたび価格を引き上げても、コストに追いつかず、利益が削られてしまうのだ。  度重なる値上げラッシュで家計はボロボロ。怒りの1票で暮らしを立て直すしかない>(以上「日刊ゲンダイ」より引用)  ロシアのウクライナ侵略戦争によるインフレに円安インフレが乗る形で、日本の消費者物価は「高騰」している。しかも労働賃金が引き上げられない状況下でのインフレは可処分所得をさらに減らして、日本経済は深刻な景気後退の鳥羽口に立っているといっても過言ではない。  この逼塞した状況を打開するためには日本経済の主力エンジンたる個人消費を落とさな

習主席は「あまり賢くない」と云うと「国家最高機密漏洩罪」に問われるゾ。

<中国の習近平(シーチンピン)国家主席を「あまり賢くない」と形容して辞職を求めた著名人権活動家で法学者の許志永氏(49)が22日、国家政権転覆罪に問われて非公開の裁判にかけられた。  中国東部・山東省の裁判所で開かれた公判で、許氏は無罪を主張した。「国家機密にかかわる」という理由から、公判は非公開とされた。  関係者によると、裁判所はこの日の公判の最後に、後日判決を発表すると告げた。  米国を拠点に活動する中国の著名人権弁護士、滕彪氏によると、許氏は2014年にも、公共の秩序を乱す集会を開いたとして禁錮4年の判決を受けており、今回は重い刑を言い渡される公算が大きい。  許氏は南部の都市・広州で20年2月に拘束された。当局は、19年12月に南東部の都市アモイで開かれた私的な集会に関連して、許氏を含む人権活動家数人の行方を追っていた。  許氏は逃亡中に、習国家主席に宛てた公開書簡を発表。習氏の政策を手厳しく批判して、「あなたが悪人だとは思わない。ただあまり賢くないだけだ」と断言、「だから再び要求する。これはみんなが感じていることだと確信している。習近平様、どうか辞職して下さい」と要求していた>(以上「CNN」より引用)  嘘のような本当の話だ。「 「習主席は賢くない」と言った中国人権活動家、国家転覆罪で裁判に 」という記事がCNNに掲載された。  人権活動家で法学者の許志永氏が習近平国家主席を「あまり賢くない」と公開書簡に書いたため、国家転覆罪に問われているそうだ。むしろ国家最高機密漏洩罪に問う方が妥当性があるのではないか。つまり「習主席はあまり賢くない」というのが「国家最高機密漏洩」に該当するのではないか、と思うからだ。  「改革開放」政策に基づき世界第二位の経済大国になった中国を、習主席は根底から破壊しようとしている。もちろん鄧小平が始めた「改革開放」政策は「韜光養晦」策でしかなく、それは中国に投資し企業移転させた外国投資家や外国企業家を欺く策略だった。  「韜光養晦」とは「才能を隠して、内に力を蓄える」という意味で、国力(軍事力)がつくまで衣の下に鎧を隠すことだ。習近平氏が「戦狼外交」に転じて、衣の下の鎧を早めに現したことで、先進自由主義諸国は中国が世界制覇する力を蓄える前に中国の野望を知った。習近平氏の「あまり賢くない」ことが、逆に先進自由主義諸国を救ったことに

汪さん、NATOの会議に日本と韓国とニュージーランドの首脳が参加すると何か不都合でもありますか?

<中国政府は、29~30日にスペイン・マドリードで開かれる北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に韓国と日本、ニュージーランドの首脳が参加することを巡り、「アジア太平洋地域の国と国民は軍事集団を引き込んで分裂と対抗を扇動するいかなる言動にも決然と反対する」と明らかにした。  23日(現地時間)、中国中央テレビの報道によると、中国外交部の汪文斌報道官はこの日の定例会見で、韓国を含むアジア太平洋国家のNATO首脳会議参加に対する立場について聞かれると「アジア太平洋地域は北大西洋の地理的範疇ではない」として反対の立場を明確にした。  汪報道官は「中国は国家間の発展関係は世界平和と安定に寄与するべきで、第三者を狙ったり第三者の利益を害してはいけないと一貫して考えてきた」と付け加えた。  韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は韓国首脳として初めてNATO首脳会議に出席する予定で、現地で韓日米3者首脳会談を開催する方案を推進している。日本、ニュージーランド、オーストラリアなど会議に出席するアジア太平洋地域の各首脳と別途の会談も予定している。  最近中国は米国が主導するNATOとアジア太平洋地域国家間の協力摸索に強い警戒心を表わしている。  韓国が先月、NATOサイバー防衛協力センター(CCDCOE)に正式加入したことに対しては、中国官営メディアが領域内の葛藤をあおる行為だとして批判をしていた。  あわせて汪報道官は、NATO首脳会議で中国の影響力の強まりへの対応を議題の一つとして議論することにしたことについては「NATOは明らかに北大西洋軍事組織だが、今年に入ってアジア太平洋地域にやってきて威勢をふるい、欧州の集団対抗の道をアジア太平洋地域に複製しようとしている」と話した。  汪報道官は「これは非常に危険なこと」としながら「結局アジア太平洋国家と国際社会の高い警戒心と決然とした反対を誘発するだろう」と指摘した。  あわせて「我々はNATOがイデオロギーとして線を引いて対抗を扇動することをやめて、中国に対する虚偽情報と挑発的な発言の流布を中断して、新冷戦勃発を企てないよう求める」とし「NATOはすでに欧州を混乱させているが、再びアジア太平洋地域と世界を混乱させるな」と強調した>(以上「中央日報」より引用)  例によって中国外交部の汪文斌報道官は日韓両国がニュージーランドと共に29~

独裁専制主義者の終焉。

< <ウクライナが反転攻勢をかけられる立場にある以上、西側諸国は支援を継続すべきだと主張>  ボリス・ジョンソン英首相は、ロシア軍はウクライナ東部への軍事侵攻に多くの兵力や資源を費やしており、これが今後のロシアの進軍を阻む要因になる可能性があると指摘した。  ロイター通信によれば、ジョンソンは6月22日付の南ドイツ新聞のインタビューの中で、ロシア軍の勢いや資源枯渇の可能性について、英国防情報当局による分析を引用して説明した。ロシアはウクライナ東部の制圧を優先する戦略転換を行って以降、着実に制圧地域を拡大していると報じられているが、ジョンソンは今後の戦況についてウクライナ側により楽観的な見方を示した。  ロシアは侵攻開始当初にウクライナの首都キーウ(キエフ)制圧に失敗した後、東部ドンバス地方の制圧に戦力を集中。その戦略は一定の成功を収め、要衝セベロドネツクの大半を支配下に収めた。  だがロシア軍のこの勢いは続かないだろうとジョンソンは示唆する。「ロシアは今後数カ月で、軍事資源を使い果たして勢いを失う可能性がある。それが英国防情報当局の見解だ」と同紙に語った。 今の勢いは続かない  英国防省は6月3日に発表した戦況分析の中で、ロシア軍が「自ら生み出した勢いを維持」しており、近いうちに東部ルハンシク(ルガンスク)州全域を掌握する可能性があるとの見方を示した。  だがその成果は「大きな代償」と引き換えに手にしたものであり、ロシア軍が勢いを維持するためには、「大規模な兵力と軍事設備を投入し続ける」必要があると同省は分析した。  ジョンソンはウクライナと同国のウォロディミル・ゼレンスキー大統領の熱心な支持者のひとりで、17日にはキーウを訪問して注目を集めた。26~28日にドイツで開かれるG7首脳会議でも、ウクライナへの軍事支援の継続を主張するつもりだという。 「ウクライナが反転攻勢をかける立場にある以上、支援を続けるべきだ。彼らが求める装備を供与する」とジョンソンは述べた。  ジョンソンは南ドイツ新聞をはじめ、ヨーロッパの複数のメディアのインタビューに対して、同様の主張を展開した。  ウクライナの紛争はどう終わらせるべきかというイタリアのコリエレ・デラ・セラ紙の問いには、ロシア軍を、彼らが侵略したウクライナの領土から追放すべきだと答え、そのためには西側の主要国がウクライナへの支

正念場を迎える習近平氏。

<中国南部で5月以降、記録的な大雨が続き、洪水や土砂崩れなどの被害が相次いでいる。国営新華社通信によると、21日正午までの24時間に広東省や福建省など5地域の113河川で洪水が発生した。中国メディアは、各地の被災者は計600万人以上と推計している。  新華社によると、広東省、福建省と広西チワン族自治区では5月1日から6月15日までの平均降水量が621ミリに達し、この時期としては1961年以来で最大を記録した。  各地では建物の浸水や農地の冠水被害が多発している。中国メディアによると、広東省では20日午前までに20万人以上が避難対象となり、被害総額は約17・5億元(約356億円)に上る。  一方、河北省や山東省など北部では高温が続き、干ばつによる農作物への影響も出ている>(以上「読売新聞」より引用)  毎年のように中国は大洪水に見舞われている。なぜ大洪水が起きるのか、どうやら中共政府の「治山 治水」政策の失敗に原因があるようだ。  中共政府は農業用水の確保と水力発電のために、経済発展の早い段階で全国各地の河川に膨大な数のダムを建設した。それらが建設後30年以上経過してダム湖が上流から流れ込んだ土砂で埋まり、洪水調節機能が低下している。しかもダムを管理している地方政府がダム湖の水量調節を降雨前に行うのを嫌うのが原因のようだ。  降雨前にダム湖の水をある程度放水したら、大雨が降ったとしても下流域の洪水調節機能が発揮できるだろう。しかし事前に放水して、大して雨が降らないで発電量に影響したなら地方政府の責任になる。だから出来るだけダム湖に水を蓄えておきたい、との思惑が働き、大雨が降ればダムを守るために放水せざるを得ない。そうした降雨とダム放水とが相まって、下流域で大洪水が起きている。  記事によると「国営新華社通信によると、21日正午までの24時間に広東省や福建省など5地域の113河川で洪水が発生した」という。華南の広範な地域が水没しているようだ。ご存知のように華南は中国の穀倉地帯で水稲が盛んに作付けられている。市民生活に打撃が及ぶのも勿論だが、水稲耕作地帯が広く水没して被害が及ぶとしたら中共政府にとって痛手になることは間違いない。  中国統計局の発表では食糧供給が6%ほど不足し、食糧輸入は欠かせないとしている。しかし本当に6%ほどの不足で済んでいるのだろうか。それだけの不足

人は自分の目で相手を見、世界を観る。

< 戦争の行方を左右する「広告代理店」のマインドコントロール戦略/ゼレンスキーを操るのは誰か?  戦争にプロパガンダは付き物で、アンヌ・モレリ『戦争プロパガンダ10の法則』(草思社文庫、2015年刊)によるとどちらの側も次のように言いたがる。 ▼われわれは戦争をしたくなかった。しかし敵側が一方的に戦争を望んだのだ。 ▼(だから)敵の指導者は悪魔のような奴だ(と判るだろう)。 ▼われわれは領土や覇権のためではなく、偉大な使命のために戦う。 ▼われわれの大義は神聖なもので、これは正義の戦いである。この正義に疑問を投げかける者は裏切り者である。 ▼(いや)われわれも意図せざる犠牲を出すことが(少しは)ありますよ。だが敵はわざと残虐行為に及んでいる。卑劣な兵器や戦略を用いている……。  何やら、ごく最近も毎日のように耳にしてきた論法のようにも聞こえるが、これは英国の貴族の家柄でありながら労働党のリーダーになったポンソンビー卿が、第1次大戦中に英政府が行った「あらゆる国民に義憤、恐怖、憎悪を吹き込み、愛国心を煽り、『嘘』を作りあげ、広め」るための戦争プロパガンダの手法を分析して「10の法則」としてまとめたものの要約である。著者のモレリはベルギーの歴史家で、これらの法則が第2次大戦でもその後の戦争でも繰り返されてきた常習パターンであることを後付けている。 メディアの桁外れの波及力  とはいえ、第1次大戦の時代にはまだラジオもなかった。戦争プロパガンダと言っても、それが行われたのは議会や集会での指導者の演説とそれを伝える翌日の新聞くらいなもので、マイクロフォンとラウドスピーカーからなる音響システムや、その両者間を無線電波で繋いだラジオ放送が登場するのは1920年代、広く普及するのは30年代だし、映画が無声からトーキーに切り替わるのも同じ頃だった。  それらの新しい電気的マスメディアをいち早く活用して煽動政治を行ったのはヒトラーのナチスで、大広場に何万人もの聴衆を集めて集会を開くのは夜と決め、何十本の色とりどりのサーチライトが天を舞う中、ワーグナーの荘重な音楽が大音響で鳴り響き、そこで一転して訪れる静寂と真っ暗闇とを切り裂いて一筋の強力なスポットライトが輝いて、白馬に跨ったヒトラーが登場してヒラリと演壇に立ち、火のような演説が始まる……。  馬も演壇の陰の踏み台も、ヒトラーの身長が

急がば回れ。

<政府は21日午前、ロシアのウクライナ侵攻などに伴う物価高騰に対応するため、「物価・賃金・生活総合対策本部」(本部長・岸田文雄首相)の初会合を開いた。  22日公示の参院選で物価高対策が大きな争点となる中、食料品やエネルギーの価格抑制策を講じ、家計や事業者の負担軽減に取り組む姿勢を示した岸田首相。力を込めていたのが、電力不足への対応として掲げた、電力各社による節電ポイント事業の拡充だ。  岸田首相は「(電力の)利用効率化に応じて幅広く利用できるポイントを付与する」と説明していたが、家計や事業者への負担軽減なら消費税減税の方がよっぽど早いし、効果が出るだろう。なぜ、「節電でポイント還元」みたいなゲームのような案が出てくるのかがサッパリ分からない。 そもそもポイント制は「無駄の温床」と指摘されてきた。  1人最大5000円分のポイントを付与する「マイナンバーカードによるポイント還元」をめぐっては、マイナンバーカードを保有している人が増えていないにもかかわらず、2000億円以上のカネが投じられ、消費税増税対策と称して導入した「キャッシュレス決済によるポイント還元」では、加盟店が増え過ぎて1日当たりの平均還元額が想定を上回り、見積もった約2800億円の予算では足りなくなった。  ポイント制度は仕組みを作るために莫大な費用がかかる上、さらに関係団体・組織の“利権”が生まれかねない。それなのになぜ、ポイント制度にこだわるのか。経済ジャーナリストの荻原博子氏はこう言う。 「電力会社はすでに節電の割合に応じてポイントを付与するキャンペーン制度を導入しており、政府としてはその仕組みに乗った、ということでしょう。つまり、ポイント制度にこだわるというよりも、政府としての策が打ち出せなかったわけです。さらに言えば、電気代が上がっているのは燃料代の高騰だけではなく、福島原発の事故処理費用21兆円分が家計に上乗せされていることも忘れてはなりません」  風力、水力、地熱……。これまで国や電力会社が自然エネルギーを使った発電の仕組みを整備していれば、節電やポイント還元などを呼び掛けなくても済んだだろう。国や電力会社の「無策」のツケを国民に押し付けるのはいい加減、やめてほしいものだ>(以上「日刊ゲンダイ」より引用)  レジの列にならんで順番を待つことが多いが、前の買い物客がスマホを手にするとウン

米国の民主主義は大丈夫か。

< <「アメリカを守る」ためには起訴だけでは足りないと指摘>  アメリカはドナルド・トランプ前大統領を訴追し、彼が今後の大統領選に立候補することを禁じるべきだ――ハーバード大学の名誉教授(憲法学)であるローレンス・トライブは主張した。トランプの側近だったマイケル・ラティグ元判事が6月16日、トランプは民主主義にとっての「明白にして差し迫った危険」と語った言葉を引用、連邦議事堂襲撃を煽った罪で刑事訴追するだけでは不十分だと示唆した。6月20日に行われた、2021年1月6日の議事堂襲撃事件を調査する下院特別委員会の公聴会でのことだ。  トライブはロサンゼルス・タイムズ紙への寄稿の中でも、トランプが再び大統領選に立候補することを禁止すべきだと主張。彼が合衆国憲法修正第14条の第3項に違反した証拠は、十分にあると指摘した。修正第14条の第3項は、合衆国憲法を支持する旨の宣誓をしながら、その後合衆国に対する「暴動や反乱に加わった」者は、大統領の職に就くことはできないと定めている。トライブは、トランプが議事堂襲撃事件の前後および最中に、これに違反したとの考えを示した。 ペンスを危険にさらしたツイート 「直接暴動に加わった罪に問われなくても、共謀してアメリカを騙し取ろうとした罪、正式な手続きを妨害した罪、あるいは治安妨害の共謀罪で起訴されて有罪となれば、憲法修正第14条違反と認められるのに十分かだろう」と彼は書き、さらにこう続けた。 「トランプに責任を取らせ、彼が今後大統領になる権利をはく奪することは、党派的な措置ではなく、共和国を守るために必要な措置だ」  トライブはこう主張すると、トランプが暴動の成功を望んでいたことを示す、数多くの証拠を挙げた。事件当日、(議会襲撃に参加した)支持者たちに「家に帰る」よう呼びかけるまで3時間もかかったことや、暴徒たちが議事堂に押し寄せるなか、トランプが負けた大統領選の結果を覆せというトランプの要求を拒んだマイク・ペンス前副大統領について、「復讐心に満ちたツイート」を行ったことなどだ。  トランプは事件当日、ジョー・バイデンを次期大統領と公式認定する上院での手続きを行なったペンスに対し、「やるべきことをやる勇気がなかった」とツイートで非難した。  選挙不正についてのトランプの嘘の主張を信じ、またペンスが選挙結果の公式認定手続きを阻止できる立場に

税は財務相の歳入確保の道具ではなく、国民のための政治を実施する「道具」である。

< 19日のNHK日曜討論での自民・高市政調会長の発言が炎上している。  れいわの大石政審会長に「数十年にわたり法人税は減税、お金持ちは散々優遇してきたのに消費税減税だけはしないのはおかしい」と追及されると、高市氏は「れいわ新選組から消費税が法人税の引き下げに流用されているかのような発言が何度かありました。これは事実無根だ」と色をなして反論。  消費税は法律で社会保障に使途が限定されているとして「デタラメを公共の電波で言うのはやめていただきたい」とまで言い放った。  しかし、消費税が法人税の穴埋めに使われているのは数字上、明らかだ。財務省の「一般会計税収の推移」によると、消費税が導入された1989年度の消費税収は3.3兆円だったが、昨年度は21.1兆円と6倍に膨れ上がっている。一方、法人税は19兆円から12.9兆円へと6.1兆円も減税されているのだ。  高市氏の発言に対して、ネット上では〈デタラメ、ウソつきはどっちだ〉〈高市に税収の表見せてやって〉〈組織票や献金の恩返しに大企業や金持ちを優遇〉と猛批判が起きている。  消費税減税について、高市氏は「安定的な財源が確保できなくなる」と強弁し、公明の竹内政調会長も「安易に減税すべきでない」と否定。高市氏は消費税減税について「増税前の駆け込み需要や減税前の買い控えも起こる」「事業者も大変ですよ」などと必死にデメリットを並べ立てていた。 海外では付加価値税減税が常識  しかし、「物価高対策」にも「景気対策」にも消費税減税が有効なのは間違いないのではないか。税理士で立正大法制研究所特別研究員の浦野広明氏(税法)はこう言う。 「事業者から『変更が大変だから、消費税減税はやらないで欲しい』との声は聞いたことがありません。多少手間がかかっても、減税により消費が上向くことを望んでいます。そもそも、引き上げはできるのに、引き下げはできないのはおかしい。また、値上げラッシュで価格変更は日常茶飯に行われており、値札替えが負担とも思えません。高市氏の発言は消費税減税の否定が先にありきで、かえって国民の不信を招いたような気がします」  物価高騰には消費税減税が有効なのは海外が示している。消費税にあたる付加価値税の減税を実施・予定している国は、昨年3月の56カ国から89カ国に激増している。  野党7党は何らかの形で消費税減税を公約に挙げている。普

崩壊する習近平氏の「一帯一路」経済侵略構想。

<中国外交が敗北を重ねている。南太平洋の島嶼(とうしょ)国との安全保障協力で合意に失敗したほか、巨大経済圏構想「一帯一路」でも、スリランカが事実上の債務不履行(デフォルト)となるなど各国が借金漬けだ。さらにロシアのウクライナ侵攻で欧州でも反中感情が高まる。  習近平国家主席は「中華帝国の偉大な夢」を抱くが、「脱中国」が加速しているのが現実のようだ。  「強固だった関係が壊れている」と語ったのは、スリランカで先月、新首相に就任したウィクラマシンハ氏だ。 同国ではラジャパクサ大統領らが港湾開発などを中国企業と進める方針を示すなど、親中外交を進めてきたが、4月に対外債務の支払い停止を発表した。  一帯一路の拠点として実施してきたインフラ整備のために背負った借金がふくらみ、財政難に陥ったことも一因とみられる。 これまでも一帯一路の参加国がインフラ開発費用の返済に窮すと、中国が戦略的施設の長期使用権などの要求を突き付ける「債務の罠」が警戒されてきた。   中国からユーラシア大陸を経由して欧州へと続く一帯一路構想のほぼ中央に位置するパキスタンでは、中露関係を重視したカーン前政権が高インフレや通貨安による経済危機で4月に失脚した。シャリフ新首相も親中姿勢だが、経済再建をめぐる政情不安が続く。 米シンクタンク、世界開発センター(CGD)は18年の時点で、一帯一路のインフラ投資計画があったパキスタンやモルディブ、ジブチ、ラオス、モンゴル、モンテネグロ、タジキスタン、キルギスの8カ国について債務問題に懸念があるとのリポートを公表していたが、すでに現実のものとなっている。   中国事情に詳しい評論家の宮崎正弘氏は「中国はパキスタンの政情不安を背景に一帯一路の要衝だったグワダル港を諦め、最大都市カラチに港湾整備を移した。モルディブも親中派大統領の失脚でインドが勢力下に収めた。次にスリランカで大統領打倒の動きになれば、中国には大きなショックだ」とみる。 こうした状況を受けて、中国の王毅国務委員兼外相が今月8日、カザフスタンで開かれた中央アジア5カ国との外相会議に出席し、一帯一路への協力強化で一致するなど関係維持に躍起だ。   アジア圏だけでなく、欧州でも一帯一路に危機が生じている。きっかけの一つがロシアのウクライナ侵攻だ。 そもそもウクライナは中国と関係が良好で、一帯一路の拠点でもあった。し

習近平氏は「プーチンの戦争」を見守っている。

< 中国で3隻目となる空母が進水した。17日のことだ。  1隻目の空母「遼寧」は、いまロシアの侵攻を受けているウクライナから「カジノにする」として建造途中の旧ソ連の空母を買い取って、空母として完成させたものだ。  2隻目の「山東」は、「遼寧」に倣った初の国産空母となった。いずれも、艦首がそり上がって艦載機が発艦する「スキージャンプ方式」が特徴で、満載排水量は6万トンとされる。  ところが第3の空母は満載排水量8万トンを超え、甲板にはリニアモーターによって効率的に艦載機を射出する電磁式カタパルトを装備している。世界でも米海軍の最新鋭原子力空母「ジェラルド・R・フォード」にしか搭載されていないという。ただ、米海軍のこの最新の技術にもトラブルが多く、また、膨大な電力を必要とすることから、原子力でない通常動力で機能するのか疑問視する声もある。 台湾の対岸に位置する福建省  それよりも驚かされたのは、この新しい国産空母の艦名だ。「福建」と命名されている。6月4日付の日本経済新聞では、進水に先立って「新しい空母は『江蘇』と命名する見通し」と伝えていただけに、余計に驚かされた。  艦名の由来の福建省といえば、まさに台湾から最も近い対岸に位置する中国大陸の省で、地理的には台湾と福建省だけで台湾海峡を形成している。台湾の市民にも、祖先をたどれば福建省に行き着く人も少なくない。台湾企業の進出もめざましく、私がかつて日本人が好んで食べる冷凍枝豆の輸入先の福建省の工場と畑を取材したときには、台湾で生産に成功した企業が中国に進出したものだった。因みに、尖閣諸島で日本の海上保安庁の巡視船に体当たりの“特攻”を仕掛けた中国漁船の船長が暮らしていたのも、福建省の港町だった。事件後に自宅でインタビューしたこともある。  それだけに福建省と聞けば、台湾との関係が思い浮かんでもおかしくはない。まして、空母「福建」となれば、台湾侵攻を意識しての命名であることが、少なくとも私には連想された。  それをさらに確信に近づけるのが、福建省と習近平との縁の深さだ。 最年少で福建省の省長になった習近平  中国の習近平国家主席は31歳の時に、米国にホームステイしたことがある。それもアイオワ州のミシシッピ川の畔にある小さな街の家の子ども部屋に3泊している。その時にホストファミリーに『トム・ソーヤーの冒険』の作者の名前を挙

情報統制の瓦解から戦争の真実をロシア国民が知ることになる。

< アプリから漏れ出るロシア軍兵士の本音  ロシアが得意としてきた情報統制が、日を追うごとに機能しなくなっている。ロシア軍内部の兵士や司令官がアプリを通じ、厳しい戦闘の実情をロシア国民に直接発信するようになったためだ。世界トップクラスのシンクタンクのひとつ、欧州政策分析センター(CEPA)が分析リポートを通じ、ロシア情報封鎖のほころびを指摘した。  情報漏洩(ろうえい)の主な舞台となっているのは、暗号化メッセージアプリの「Telegram(テレグラム)」だ。軍上層部を信頼しない兵士や司令官、そして退役軍人や独立系メディアなどが、それぞれ独自の視点で生の情報を発信し続けている。ある司令官はTelegramに投稿した動画を通じ、ひどい食糧不足により部隊全体が飢えていると訴えた。プーチンはロシア兵を虐殺している、との猛批判だ。  ロシア軍の実情が現場から直接流出することは異例だ。CEPAは、「まったくもって前代未聞の事態が巻き起こった」と述べ、ウクライナ侵攻における情報漏洩の特殊性を指摘している。 ロシア軍司令官は「プーチンによって虐殺に送り出された」と非難  ある部隊は、飢えと病に悩まされている現実をTelegramで明かした。英ミラー紙が報じたところによると、ドネツク共和国第113連隊のロシア軍司令官は戦地からTelegramに動画を投稿し、プーチンは適切な装備もなく自軍の兵士たちを「虐殺」に送り出したと訴えている。この司令官は、食糧と医薬品の不足により部隊が「慢性的な疾患」に見舞われているとも訴えた。  動画では、やつれた表情を浮かべた数十名の兵士たちを背景に、司令官が戦地の過酷な状況を視聴者に明かしている。司令官は、自身の部隊が医薬品も十分な武器もなくウクライナ南東部のヘルソン地方に動員され、2月下旬以来、「飢えと寒さ」との戦いであったと暴露した。  さらに、部隊は適切な武器なくプーチンによって「虐殺に送り出された」と批判し、部隊をドネツクまで戻してそこで動員を解くよう求めている。司令官は続ける。「健康状態の検査を受けた者などいない。精神疾患をもつ子供たちが動員されている。多くの子をもつ父親たちや、後見人たちもだ」  動画についてミラー紙は、「彼の暴露は、ウクライナ東部で戦うウラジーミル・プーチンの一部部隊に関して、厳しい状況を浮かび上がらせた」と分析している。ウ

イタリアの労働者賃金ゼロ成長と日本の労働者賃金ゼロ成長を照らし合わせると、その原因が見えて来る。

< アルプス山脈に近いイタリア北部のリゾート地でウエートレスをしていたディアナ・パリーニさん(44)は先月、退職した。賃金と労働環境のひどさにうんざりしたからだ。時給8ユーロのうち現金手渡し分が6ユーロ、福利厚生も年金積み立てもなし。大卒のパリーニさんは故郷のミラノに帰り、ドッグシッターの仕事に就いた。  イタリアでは何百万人もが同じような話を抱えている。ほとんどの職業にきちんとした規制の枠組みが適用されないという、欧州で特異な状況に置かれた同国は、賃金水準が30年にわたって停滞している。  ユーロ圏全般は消費者物価の高騰に伴って、賃金も上昇する気配が見える。だがイタリアは域内第3位の経済規模を誇りながら、そうした流れとは無縁だ。  第1・四半期にユーロ圏で妥結された賃金は前年同期比で2.8%上がった。主導したのはドイツで上昇率は4%に達した。一方イタリアの上昇率は0.6%に過ぎない。  経済協力開発機構(OECD)がまとめた欧州22カ国の1990年から2020年までの実質賃金上昇率はもっと対照的だ。スペインの上昇率は6%、バルト諸国に至っては200%を超えるのに、何とイタリア1カ国だけが3%の下落となった。  OECDのこうしたデータは、「なぜイタリアは安定的で十分な給与が得られる雇用を生み出せないのか」という議論を巻き起こしている。そしてエコノミストが用意した答えは、特に教育と技術分野への過小投資、低い生産性、景気拡大の勢いの弱さが負の連鎖をもたらしているというものだ。また問題の根も深い。  ローマのルイス大学とパリ政治学院で経済学の教授を務めるフランチェスコ・サラチェノ氏は「われわれは1980年代に間違った成長モデルを選択してしまった。グローバル化への対応で、ドイツのような質の高い生産につながる投資をするのではなく、コストを下げて新興国と競争しようとした。つまり安月給が続いたというわけだ」と説明した。  イタリア経済は1999年のユーロ導入以降、加盟19カ国で最もさえないままだ。イタリア中央銀行によると、時間労働当たりの生産でほぼ測定できる労働生産性は1995年からの伸び率が13%と、ドイツの44%を大きく下回っている。  この落差の背景には、急速な高齢化や労働者の技能の低さを含めたさまざまな問題が存在する。さらにイタリアがユーロに加盟したため、競争力維持のた

国連安保理常任理事会議を開催して、「戦勝国」は核兵器使用に関する共同認識を持つべきだ。

<与野党9党の党首は19日、フジテレビ番組の討論会に臨んだ。岸田文雄首相(自民党総裁)は防衛力強化を巡り、原子力潜水艦の保有に慎重な姿勢を示した。立憲民主党、公明党も否定的な見解を示し、共産党、れいわ新選組、社民党は反対した。一方、日本維新の会、NHK党は導入を主張。国民民主党も検討すべきだと訴えた。  首相は防衛力強化の必要性を唱える一方、「いきなり原潜にいくのはどうかという思いだ」と指摘。原潜保有が困難な理由として、原子力基本法で原子力の平和利用が定められている点や運用コストの高さを挙げた。「相手の原潜に対して対応がしっかり用意されている。国民の命や暮らしを守るため、優先すべきものを考える」と語った。  立民の泉健太代表は「豪華なものがあれば強くなるという話ではない」、公明の山口那津男代表は「現実的ではない」と述べた。  共産の志位和夫委員長は「軍事対軍事の悪循環に陥る」、れいわの山本太郎代表は「日本が攻撃されるリスクを負う」と反対理由を述べた。社民の福島瑞穂党首は「どんどん軍拡していくのは問題だ」とした。  これに対し、維新の松井一郎代表は「抑止力強化のために性能の高いものを持つべきだ」と言明。NHK党の立花孝志党首は「中国に対して、しっかりした防衛力を持たないと国民を守れない」と力説した。  国民の玉木雄一郎代表は「警戒監視と偵察能力が大事で、原潜なら3、4カ月潜っていられる。原潜だけでなく、新しい技術の導入を検討すべきだ」と話した。  首相は、国内総生産(GDP)比2%以上を念頭にした防衛費増額を盛り込んだ自民党公約に関し「積み上げを行った上で、予算と財源のセットで考えていく」と言及した>(以上「産経新聞」より引用)  原潜の保有は是か非か、を巡って与野党党首が論戦を交わすとは、何と平和ボケした国だろうか。もちろん原潜は核ミサイルとセットで初めて効果を発揮する兵器だ。単に無寄港で長期間潜水したまま航行できる潜水艦ということではない。  原潜は敵に存在を知られず、核報復する最終手段の兵器だ。それを日本が保有するか否か、ということは日本が核兵器を保有しなければ意味がない。通常兵器を積載して長期間姿を水面下に存在を隠す必要は何処にあるのだろうか。  もちろん核兵器の保有は反対だ。世界中の核兵器は廃絶すべきだし、いかなる理由があろうと二度と核兵器を使ってはならない

対ロ制裁に抜かりはないか。

<自ら侵攻したウクライナとの間で、先の見えない泥沼の戦争にはまり込んでしまったかのような現在のロシアは、自慢であるはずの国の広大さに悩まされつつあるようだ。それは特に、戦闘中のヨーロッパ方面とは反対正面に位置する極東ロシアにおいて顕著に表れている。  ロシアは、陸続きのモンゴルと中国と北朝鮮以外、つまり日本と米国に対しては、海を隔てて向き合っている。したがって、極東方面の防衛は海軍力と空軍力に頼ることになるわけだが、この脆弱性がウクライナとの戦争によって馬脚を現し始めているのだ。 4月には「ロシアが北海道の主権を有する」と発言  当然のことではあるが、ロシア側はこのような実情をおくびにも出さない。それどころか、4月1日には、下院副議長のミロノフが「ロシアは北海道への主権を有するという専門家もいる」と、日本に対して脅迫じみた内容をSNSに投稿したほか、同14日には日本海において、キロ級潜水艦2隻から核弾頭も搭載可能な最新式の巡航ミサイル「カリブル」を発射して、わが国をけん制した。  また、6月3日から10日まで、太平洋において40隻以上の艦艇と約20機の航空機による大規模な演習を実施すると発表して、北海道南東沖から北方四島南方海上にミサイル発射に関わる航行警報海域を設定し、数隻の艦艇を北海道根室沖で活動させたり、6月7日には日本海でロシア空軍機による威力偵察と見られる活動を実施したりしている。  しかし、これらは軍事情報に携わる者の目から見ると、今の極東ロシア軍にできる精一杯の虚勢に過ぎず、わが国に脅威を与えるような活動とは程遠い。なぜそのようなことが言えるのか? 最近の極東ロシア軍の活動などからそれを明らかにしていこう。 巡航ミサイル「カリブル」の発射  ロシア海軍は4月14日、昨年新たに就役し、11月に太平洋艦隊に配備されたキロ級潜水艦「ペトロパブロフスク・カムチャツキー:SS-274」と「ボルコフSS-603」から巡航ミサイル「カリブル」を発射した。これは明らかに、ウクライナを侵略したロシアに対して厳しい経済制裁を科すなどして糾弾している、わが国に対するけん制である。  このロシア版のトマホーク級巡航ミサイル「カリブル」は、射程距離が2,000km以上あり、今回のウクライナ侵攻でも黒海などに展開する艦船や潜水艦から発射されている主力ミサイルである。しかしこのミサ

彼らの罪はあらゆる理屈を並べ立てようと、決して正当化出来ない。

<ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアのプーチン大統領は、国内で開いている国際経済会議で演説し「欧米側はロシア経済を破壊しようとしたが、失敗した」と述べ、制裁にもかかわらずロシアの経済対策が機能していると強調したうえで、欧米側との対決姿勢を鮮明にしました。  ロシア第2の都市サンクトペテルブルクでプーチン大統領みずからが主導して開いている「国際経済フォーラム」は17日、全体会合が行われました。  この中でプーチン大統領が演説し「ロシアのビジネスの評判や通貨の信頼が、欧米によって意図的に損なわれている」と述べ、ロシアへの経済制裁を強化する欧米側を批判しました。  一方で「欧米側はロシア経済を破壊しようとしたが、明らかに失敗した。ことしの春先にはロシア経済の先行きに対して悲観的な見通しが予想されたが現実のものとなっていない」と述べ、制裁にもかかわらずロシアの経済対策が機能していると強調したうえで、欧米側との対決姿勢を鮮明にしました。  さらにプーチン大統領は、ロシアへの制裁によって欧米側でむしろ物価が上昇しているとしたうえで、欧米側は、世界的な食料などの価格高騰の責任をロシアに転嫁していると一方的に批判しました。  そして「食料価格が上昇し、貧しい国々を脅かしている。ロシアは食料と肥料の輸出を大幅に増やすことができるだろう」と述べ、食料安全保障をめぐり、ロシアの制裁解除が必要だと訴えました。  また「ロシアはウクライナからの穀物の輸出を妨げることは全くしていない」として、ウクライナ南部に面する黒海の海上輸送を妨害していないと主張しました。  一方、ウクライナへの軍事侵攻については「特別軍事作戦のすべての目標は確実に達成されるだろう」と述べ、継続する考えを改めて示しました。  全体会合は、3時間半にわたって行われ、この中でプーチン大統領は、演説以外にも、司会者の質問に応じる形で欧米批判やウクライナに対する強硬な発言を繰り返し、国際社会がプーチン大統領の動向を注視する中、存在感を誇示したい思惑もうかがえます。 中国 習国家主席がビデオメッセージ「一方的な制裁やめるべき」  中国外務省によりますと、習近平国家主席は、サンクトペテルブルクで開かれた「国際経済フォーラム」にビデオメッセージを寄せ、欧米などが、ウクライナに軍事侵攻したロシアに制裁を科す中「一方的な制裁はやめるべきだ

ロシアは伝統的な盗賊国家だ。

<まさに「割れ鍋に綴じ蓋」とは、このようなものを指すのでしょう。  トルコの首都アンカラで6月8日、トルコとロシアの外相級会談が開かれたのですが・・・。  一人は「ヒトラーはユダヤ人」発言以降、西側表舞台には引っ込みがちのロシア・ラブロフ「外相」。  片やNATO(北大西洋条約機構)外相会合でスウェーデンの女性閣僚アン・リンデ外相に「フェミニズム外交」と暴言を吐いて総スカンを食らったトルコのチャプシオール「外相」。    この2人が怪談ならぬ会談(https://www.jiji.com/jc/article?k=2022060800644&g=int)した。キツネとタヌキのジャンケンポンみたいな事態です。  さて、そこでキツネとタヌキが何を相談したかと言えば、オデーサを中心に輸出が困難になっているウクライナの「黒海穀物」を、どうやって運び出すかの談合だという。  よく考えてみてください。これは基本的に「ウクライナの穀物」をどうやって輸出するかという話のはずです。  しかし、それを相談する席に、どうしてウクライナ外交当局が同席していないのか・・・。  ウクライナは世界有数の穀物産地(https://www.sankei.com/article/20220613-XSIK4DG5BBKJPHGXW6XQFV5ZBE/)として知られます。  その輸出が滞ることで、全世界的に穀物不足、ひいてはアフリカなどの貧しい国々で飢餓のリスクなども懸念されています。  特にトルコの場合、ロシアとウクライナからの穀物輸入が63%を超え(https://www.jetro.go.jp/biznews/2022/02/1bc56ff9853a77ad.html)、特に小麦については87%を超える輸入依存状態(https://www.jetro.go.jp/biznews/2022/03/a8ee9da0631df272.html)で品薄が直撃したことから、トルコ国内では安全な穀物輸入ルートの確立が死活問題化している台所事情があります。  しかし、トルコに百歩譲ったとして、どうしてアンカラにロシア「ヒトラーユダヤ人説」外相だけを呼びつけ、ドミトロ・クレーバ外相以下のウクライナ外交当局に声を掛けない合理的な理由は見当たりません。  ではウクライナとトルコの関係が悪いのかと言えば、この連

『テレビは核兵器に勝る武器』『テレビは国民を洗脳する装置』と叫んだ立花氏が退場させられるほど立花氏の発言は不見識か。

< <言論の自由を守るとルール無視は違う><NHKよりも先にテレ朝をぶっ壊してどうするのか> ──。16日夜に放送されたテレビ朝日「報道ステーション」の“放送事故”をめぐり、ネット上で賛否両論が飛び交う事態となっている。  同番組ではこの日、参院選(22日公示、7月10日投開票)に向けた党首討論が行われ、自民党総裁の岸田文雄首相ら9党首が出席。“放送事故”が起きたのは「国民の安全をどう守る?」とのテーマが提示された時だった。  大越健介キャスターから指名され、リモートで出演したNHK党の立花孝志党首が突然、「テレビは核兵器に勝る武器です。テレビは国民を洗脳する装置です」などと持論を展開し始め、さらに番組プロデューサーから「テーマを逸脱する発言があった場合はしかるべく対応を取る場合もある」との手紙を受け取ったことを明かしたのだ。この発言に対し、大越キャスターが「今の発言は討論のテーマに沿ったものとは認められません」と再三、注意し、直後に立花党首はあえなく“一発退場”となった。 立花氏の発言にネット上は賛否両論  ネット上では放送直後から、立花党首の発言に対する賛否の投稿が相次ぎ、<国会議員の討論会なのに、事前に発言内容にくぎを刺すとは…><いや、討論会とはいえ、ルールがある。好き勝手に話していいわけがないだろう><立花党首の逸脱した発言は論外だが、『テレビは核兵器に勝る武器』『テレビは国民を洗脳する装置』というのは含蓄がある>などと論争になった。  第二次安倍政権以降、国会でも野党議員の質問と関係ないことをグダグダと答弁する閣僚や官僚の姿が当たり前の光景になったが、衆参両予算委員長も報ステの大越キャスターのように毅然とした態度で閣僚らをビシッと叱ってほしいものだ>(以上「日刊ゲンダイ」より引用)  朝日テレビの「報道ステーション」を視聴してなかったため、いかなる場面で如何なるやり取りがあって立花氏が画面から消えたのか知らない。ただ、如何なることがあったにしても、党首討論と銘打っているのなら立花氏を退場させたのは公正を旨とする報道機関として妥当性を欠くのではないだろうか。  討論会の仕切りは大越健介キャスターが担当していたようだが、彼にはNHK時代から政権に忖度するキャスターとして評判だった。それは事実を報道する報道機関であるにも拘らず、大越健介キャスターの私見でニ

自由・民主主義と独裁主義との戦いに負けてはならない。

<ウクライナ南部・ヘルソン市に迫りつつあるウクライナ軍の兵士は、黒海沿岸における戦略上の要衝であるヘルソン市をもう少しで奪還できると手応えを感じている。  陸軍士官のセルギー氏は、ミコライウ市とヘルソン市を結ぶ高速道路沿いの塹壕で「ヘルソンまで15分で到達できる。南部の部隊は準備ができている。後は兵器の到着と命令を待つだけだ」と意気軒高に語った。  しかし、軍事アナリストによると、ウクライナ軍が大規模な反転攻勢の一環としてヘルソン市までの最後の30キロほどを本気で進軍するには、兵器と人員の大量の補給がなければ困難だ。  キーウ(キエフ)のアナリスト、オレグ・ジダーノフ氏は「すぐに実現することはあり得ない。ヘルソンのような地方主要都市の攻略は、再武装によって初めて可能になる」と指摘。現在到着している西側の兵器は、なお「大海の一滴」に過ぎないという。 <戦術的勝利>  ヘルソン州知事顧問のフラニ氏は今週初め、ウクライナのテレビ局に対し、ウクライナは南部において2週連続で領土を奪還し、戦術的勝利が「反転攻勢に変わりつつある」と述べた。  ウクライナ軍は数カ所で前進し、ロシアからヘルソン州の支配権を取り戻している。これまでにロシアが完全な掌握を発表しているのはヘルソン州だけだ。  そのためミコライウ市とヘルソン市では、楽観的な雰囲気が広がっている>(以上「REUTERS」より引用)  REUTERSの最新記事だ。それによるとウクライナ軍は南部の要衝ヘルソン奪還の手ごたえを感じているそうだ。何はともあれ、大量の近代兵器の供与が必要だという。  東部戦線ではロシア軍の圧倒的戦力投入により後退を余儀なくされているようだ。勝利を掴むためには欧州諸国からの軍事支援が不可欠だと、ゼレンスキー大統領は事あるこ度に国際社会に訴えている。  ここに来て習近平氏はプーチン氏と電話会談をして中国はロシアを支援すると確約したようだ。まさに「悪の枢軸」が密談したのは先進自由主義諸国にとって敵が明確に認識できて好都合だ。  誰が何と言おうと、他国に攻め込む侵略行為は決して正当化できない。しかもロシアはウクライナの住宅や病院や学校などを砲撃し、社会インフラを徹底して破壊している。さらに畑や公園に地雷を大量に敷設して、ウクライナ人を未来にわたって無差別に殺傷しようとしている。こうした非人道的な所業が許さ