税は財務相の歳入確保の道具ではなく、国民のための政治を実施する「道具」である。

19日のNHK日曜討論での自民・高市政調会長の発言が炎上している。
 れいわの大石政審会長に「数十年にわたり法人税は減税、お金持ちは散々優遇してきたのに消費税減税だけはしないのはおかしい」と追及されると、高市氏は「れいわ新選組から消費税が法人税の引き下げに流用されているかのような発言が何度かありました。これは事実無根だ」と色をなして反論。

 消費税は法律で社会保障に使途が限定されているとして「デタラメを公共の電波で言うのはやめていただきたい」とまで言い放った。
 しかし、消費税が法人税の穴埋めに使われているのは数字上、明らかだ。財務省の「一般会計税収の推移」によると、消費税が導入された1989年度の消費税収は3.3兆円だったが、昨年度は21.1兆円と6倍に膨れ上がっている。一方、法人税は19兆円から12.9兆円へと6.1兆円も減税されているのだ。

 高市氏の発言に対して、ネット上では〈デタラメ、ウソつきはどっちだ〉〈高市に税収の表見せてやって〉〈組織票や献金の恩返しに大企業や金持ちを優遇〉と猛批判が起きている。
 消費税減税について、高市氏は「安定的な財源が確保できなくなる」と強弁し、公明の竹内政調会長も「安易に減税すべきでない」と否定。高市氏は消費税減税について「増税前の駆け込み需要や減税前の買い控えも起こる」「事業者も大変ですよ」などと必死にデメリットを並べ立てていた。

海外では付加価値税減税が常識
 しかし、「物価高対策」にも「景気対策」にも消費税減税が有効なのは間違いないのではないか。税理士で立正大法制研究所特別研究員の浦野広明氏(税法)はこう言う。
「事業者から『変更が大変だから、消費税減税はやらないで欲しい』との声は聞いたことがありません。多少手間がかかっても、減税により消費が上向くことを望んでいます。そもそも、引き上げはできるのに、引き下げはできないのはおかしい。また、値上げラッシュで価格変更は日常茶飯に行われており、値札替えが負担とも思えません。高市氏の発言は消費税減税の否定が先にありきで、かえって国民の不信を招いたような気がします」
 物価高騰には消費税減税が有効なのは海外が示している。消費税にあたる付加価値税の減税を実施・予定している国は、昨年3月の56カ国から89カ国に激増している。
 野党7党は何らかの形で消費税減税を公約に挙げている。普段、政府自民党寄りの国民民主党や維新の会も消費税減税を求めている。
「物価対策に有効な消費税減税について、理屈をつけて否定すればするほどボロが出ます。投票日までの論戦を通じて、消費税減税をかたくなに拒む自公への逆風が強まる可能性があります」(浦野広明氏)
 消費税減税を求める世論が広がれば、自公は苦戦必至だ>(以上「日刊ゲンダイ」より引用)




 賃金上昇がない中での物価上昇が何をもたらすのか、自公政権与党政治家諸氏はお解りでないようだ。それは景気後退下のインプレ、という最悪の事態を招く。そうした経済のイロハの「イ」すら理解していない政治家が与党幹部とは恐れ入る。
 消費税が「社会保障費」に回ってないことを知らないで、よくも自民党の政調会長が務まるものだ。高市氏の強弁ぶりには狂気さえ感じる。彼女には国民生活が困窮に直面している実態がお解りではないようだ。

 円安は自公政権が長年続けて来た異次元金融緩和が主因だ。その円安による物価上昇が政府統計のモデルでは4%ほどだそうだが、国民生活実感は10%に達している。その物価高騰の影響を国民生活に与えないためには10%の消費税を廃止するのが妥当だ。
 消費税廃止が事業者にとって手間で困難だというのは詭弁に過ぎない。消費税導入時には新しい税額計算機能付きレジの導入までやった業者たちにとって、税額をゼロ設定することなど朝飯前だろう。今年にも導入しようとしていた「付加価値税」の煩雑さに怯えていた中小零細企業にとって、これほどの朗報はないだろう。

 大企業なら会計・経理職員を雇用して専門的に従事させればよいが、中小零細企業にとって業務後の家族労働の手間暇が増えるだけだ。それも消費税導入以来限界に近いが、付加価値税に到っては取引相手が零細業者で「非課税」対象ならば計算の煩雑さに悲鳴を上げそうになるだろう。
 税務当局や政府統計当局にとっては便利至極な制度かもしれないが、それを強制される事業者の労苦が理解できないようだ。物価上昇に見合う消費税廃止が「困難だ」と跳ね除ける政治家は、もはや国民の代表ではない。彼らは財務当局の走狗に過ぎず、「消費税は社会保障の財源」だと大嘘を平気で吐く詐欺師でしかない。

 税収を見る限り、消費税は法人税減税の代替税でしかない。ちょうど法人税減税で減少した税収分を補う形で消費税が増税されてきた。もちろん消費税が社会保障費財源の目的税と規定されたことなど一度もない。しかも一般財源として消費税は「安定財源」として財務省は重宝している。
 収益に課税する直接税と違って、経済形態に課税する間接税は景気や収入に関係なく課税される。そのため貧困層に重く、富裕層に優しい税だといわれている。例えば車検の都度課される重量税などは自動車が暮らしの必需品になっている田舎などの貧困層には重く、同額の重量税が課される都会などの自動車が暮らしの余暇の趣味として利用されている富裕層にとっては可処分所得の中に占める割合は少ない。間接税とはそうした性格がある。だから主要財源とすべきではなく、直接税とは別の「政策税」として利用すべき税だ。

 果たして世界的なインフレの進行により、世界各国は付加価値税の引き下げを行っている。日本だけが頑なに消費税10%を維持しようとするのはなぜだろうか。政府は国民生活を見て政治をしているのではなく、財務官僚の財源確保要請に従って政治を行っているかのようだ。
 仁徳天皇が高殿に上られて庶民の暮らしを竈から立ち上る煙を見て判断した故事を、岸田氏は知らないのだろうか。現在進行しているインフレは国民生活の実感では10%に達しているという。それなら消費税を廃止したなら、インフレが国民の個人可処分所得を傷めずに済む。経済成長の公約を果たすためなら、消費税を廃止すべきではないのか。

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