投稿

プーチンのエトロフ島訪問を批判する。

<日本政府は、ロシアのプーチン大統領による北方領土の択捉島訪問に反発し、強く抗議する方針だ。プーチン氏の真意を見極めつつ、今後の対応を検討する。  茂木外相は13日、「北方四島は歴史的にも国際法上も我が国固有の領土であり、今回の訪問に強く抗議する」とX(旧ツイッター)に投稿した。政府は近くロシア政府に直接、遺憾の意を伝える見通しだ。  外務省幹部は13日、「このタイミングでの訪問の意図をしっかり分析する必要がある」と語った。高市首相は7月に北方領土の元居住者の子孫らと面会した際、北方領土への墓参再開を訴え、「北方四島の帰属の問題を解決して、平和条約を締結するという方針に変わりはない」と述べていた。  ロシアによるウクライナ侵略を非難する日本の立場は変わらない一方、中東情勢が緊迫する中、エネルギーの安定供給に向けて日露関係の安定化を探る動きも出ていた。7月には茂木外相が東南アジア諸国連合(ASEAN)関連外相会議に合わせ、マニラでラブロフ露外相とあいさつを交わした>(以上「朝日新聞」より引用)  かつて火事場泥棒を働いた国の後継を自任するロシア大統領が北方領土に訪れたという。「 プーチン氏の北方領土訪問、政府が強く抗議へ…外務省幹部「このタイミングの意図しっかり分析する必要」 」との見出しに強い怒りを覚える。  まさに当時のソ連は火事場泥棒を働いた。ソ連が「日ソ不可侵条約」を一方的に破棄して、ソ連軍が守備隊の手薄な旧満州に雪崩れ込んだのが8月9日だ。そして8月18日にソ連軍が千島列島最北端の占守島(しゅむしゅとう)へ上陸を開始し、激しい戦闘を行った。そして8月28日武装解除した択捉島にソ連軍が上陸し、9月5日までに国後島、色丹島、歯舞群島を含む北方四島のすべてを占領した。  いうまでもなく、日本はポツダム宣言を受諾して1945年8月15日に「無条件武装解除」を実施した。断っておくが「無条件武装解除」であって「無条件降伏」ではない。  ただソ連はポツダム宣言にサインしていないから8月15日はソ連にとって意味を持たない、という立場を取っている。だから北方領土に侵攻したのは火事場泥棒ではなく、戦争行為であり北方四島は「戦利品」として領有している、との言い訳をしている。  ポツダムとはドイツの首都ベルリンの南西約26キロメートルにある、ブランデンブルク州の州都だ。ナチス・ドイ...

高市総理大臣の靖国参拝取りやめは残念だ。

<高市早苗首相は、15日の終戦の日に合わせた靖国神社参拝を見送る方向で調整に入った。複数の関係者が12日明らかにした>(以上「共同通信」より引用) 「 首相、靖国参拝見送りへ 」との速報があった。短い記事だが、それだけで充分だ。残念でならない。  このような総理大臣の判断が「靖国」を外交問題化している。いや「外交問題」というが政治家の「靖国参拝」を問題視しているのは中国と韓国の二ヶ国だけだ。その二ヶ国のためだけに国家に殉じた先人の「霊を参拝して慰めてはいけない」と総理大臣が判断したとすれば由々しき問題だ。  先の大戦で中支に下士官として従軍した亡父は靖国参拝を欠かさなかった。同期兵の約7割が戦死する過酷な戦争を戦ったが、それだけに生きて帰還した兵士として靖国参拝を欠かすわけにはいかなかったようだ。  いうまでもなく、靖国神社には明治維新後に国家に殉じた英霊が祭られている。戦後、天皇陛下も欠かさず参拝しておられたが、1975年(昭和50年)11月21日を最後の参拝として途絶えている。後に公開された「富田メモ」などでは、昭和天皇がA級戦犯の合祀に対して強い不快感・懸念を持たれていたことが理由であるとされているが、そうではないだろう。  靖国神社は1978年(昭和53年)10月17日に、東条英機元首相らA級戦犯14人を「昭和殉難者」として秘密裏に合祀した。その翌1979年(昭和54年)4月19日の朝刊で、朝日新聞が靖国神社へのA級戦犯合祀を報じ、近隣二ヶ国がA級戦犯の靖国への合祀を激しく批判した。  しかし1952年(昭和27年)のサンフランシスコ平和条約発効およびその後の国会では、戦争受刑者の釈放や名誉回復を求める決議が複数回行われA級戦犯者たちの名誉は回復された。ただ法解釈として東京裁判の事実認定を含む裁判結果全体を受け入れているという政府見解を変更したものではない。  だが戦争犯罪とはそもそも何だろうか。国際法に基づく戦争行為は当時も今も合法化されている。当時の日本に交戦権がなかったわけではなく、真珠湾攻撃が宣戦布告なき奇襲攻撃だというのなら、その年の八月から中国戦線に現れた「フライングタイガー」なる飛行隊による日本軍攻撃は何だろうか。  米国は「退役軍人が自発的に空軍機とともに中国へ渡って中国軍を支援した」と表明しているが、米軍の攻撃機を用いている段階で米国の主張...

イランは国際海域を人質に取る卑怯な真似を直ちにやめろ。

<イランの国防・外交を統括する最高安全保障委員会(SNSC)のレザイ事務​局長は11日、米国が行動を改め、戦闘終結に向けたイランの‌条件を受け入れない限り、ホルムズ海峡の封鎖は解除されないと述べた。イランのタスニム通信が報じた。  レザイ氏は「米国は戦闘を終結させ、凍結されたイ​ラン資産を返還しなければならない。また、レバノンやパ​レスチナ自治区ガザを含む地域全体で戦闘を終結させなけ⁠ればならない」と表明。「ホルムズ海峡の通航ルートを巡りイラン​とオマーンの間で合意が成立したとしても、その合意はホルムズ海峡封​鎖を巡る問題とは別の事案になる」と述べた。こうした条件は仲介国を通して米国に伝達されたとしている。  レザイ氏はイラン最高指導者モジタバ・ハメネイ師の​側近で、革命防衛隊の元司令官。10日にSNSC事務局長に任命された。  ハメネイ師​顧問のモハンマド・モフベル氏もこの日、「侵略者に対する懲罰は継続しており、‌イラン⁠の条件が満たされるまでホルムズ海峡は開放されない」とXに投稿。ホルムズ海峡の先行きを巡る懸念から、原油先物はこの日の取引で上げ幅を拡大している。  イランはこれまでも、 ホルムズ海峡を巡るオマーンとの​協議で合意が成立​したとしても⁠イランと米国が6月に締結した戦闘終結に向けた覚書に基づく米国の義務履行が伴わない限り、ホルムズ海​峡の通航再開にはつながらないと主張。レザイ氏​のこの日⁠の発言は、こうした姿勢を示すものとしてはこれまでで最も踏み込んだ発言となった。  米国はこの日に伝わったレザイ氏らの発言に今のところコメン⁠トしてい​ない。ただ、トランプ米大統領はこの日、イ​ラン情勢を巡る現在の選択肢について、「成り行きに任せてイラン経済を破綻させる」​か、「非常に強力な攻撃を行う」かのいずれかだとの認識を改めて示した>(以上「REUTERS」より引用) 「 ホルムズ海峡、米が条件受け入れなければ開放せず=イラン最高安保委事務局長 」と、イラン革命政府が表明したという。依然としてイラン革命政府は自らが海賊行為を働いていることの自覚がないようだ。  米国とイスラエルがイランを攻撃したことと、ホルムズ海峡封鎖とは全く無関係だ。いかなる因果関係があって、国際海域を航行する外国船を攻撃しなければならないのか。ホルムズ海峡を封鎖したり管理する権限などイラン革...

「多文化共生」ではなく、日本は日本文化を守ろう。

<日本文化の面白さ  日本の文化は、世界中の人々にとって驚きと感動に満ちています。この記事では、外国人が感じた日本の文化の興味深い事実30選をご紹介します。  旅行者はもちろん、異文化理解を深めたいビジネスパーソンにとっても、日本独自の価値観や習慣を知ることは、より良いコミュニケーションや信頼構築につながる重要な一歩です。  ぜひ、世界から見た日本の姿を知り、異文化理解のヒントを見つけてください。 1.日本人には神道・仏教徒が多い  これは、私が好きな日本文化の一つです。日本でなんらかの宗教を信仰している人は40%程度ですが、日本人の約80%が神道の行事に参加し、約34%は仏教徒であると答えています。  神社と仏閣が同じ敷地内にあることも多く、神道と仏教のふたつはまとめて神仏(しんぶつ)と呼ばれます。 2.神社が日本中どこにでもある  日本文化のスゴさのひとつである神道は、自然や多くの神々に焦点を当てた日本固有の信仰体系です。  神社は小さな路地や木の中、山の下、高層ビルの下など意外な場所にあることが多いです。  お詣りと呼ばれる神社に訪れる行事は日常生活の一部であり、仕事帰りに近所の神社に立ち寄る人も珍しくはありません。 3.神社での祈祷には拍手が必要である  これは間違いなく、日本にいる間に学んだ日本文化の興味深い事実のひとつです。  神社ではまず一礼して、小銭を差し出して、2回深くお辞儀をして、鈴を鳴らして(自分がそこにいることを神様に伝えるのです)、2回拍手をして、お祈りをして、心の中で神様に感謝して、もう一度深くお辞儀をして、退出するのです。  神社での作法は、日本文化における生活の一部なのです。 4.一人で外食するのは全然OK  他の多くの国と違って、日本では外で普通に一人で食事をします。  一人でバーに座って日本食を食べるのも普通のことなのですが、これは知っておいて損はありません。 5.洋食をベースにした和食がある  そう、これも日本文化の面白さ、楽しさの一つです。それは”ヨーショク(洋食)”と呼ばれるもので、開国と同時に日本に伝わったものです。  ハンバーグステーキ、イギリスの影響を受けたカレー、オムライスと呼ばれるオムレツに包まれた日本のご飯といった料理は、どれも一般的な料理です。 「欧米人がよく食べるもの」として日本人の間で定着していることもあり...

国家と国民を外国の軍事的脅威から守るために防衛兵器と防衛システムの一段の強化を。

<日本の主力ロケットH3ロケットは10日午前4時23分、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられ、打ち上げは成功しました。  H3ロケット9号機は、未明の暗い空にまばゆい光を放ちながら、宇宙へ向かって旅立ちました。 打ち上げからおよそ30分後、搭載した日本版GPS衛星「みちびき7号機」を、高度およそ400キロで分離し、予定の軌道に投入して打ち上げは成功しました。 ◇H3ロケット2機連続の成功  H3ロケットをめぐっては、去年12月に8号機の打ち上げに失敗し、搭載していたみちびき5号機を失いました。 JAXAや三菱重工などは、失敗の原因究明と対策を進め、今年6月にはH3ロケット6号機の打ち上げに成功。対策を施した今回の9号機で、「みちびき7号機」の投入に成功しました。 今回の打ち上げ成功で、H3ロケットは2機連続の成功となりました。 ◇みちびき7号機とは 生活の身近な測位衛星  今回軌道に投入された「みちびき7号機」は、日本が独自に運用する衛星測位システムです。 みちびき7号機は、今後およそ半月かけて高度およそ3万6000キロの準静止軌道に到達します。 その後、搭載機器の機能確認やシステムのチューニングなどを行い、打ち上げからおよそ7か月後には実際の測位サービスを開始する予定です。  「みちびき」は、誤差わずか数センチメートルという極めて精度の高い位置情報を提供できるのが特徴です。 カーナビやスマートフォンの位置情報に使われているほか、農機の自動操縦など「スマート農業」や、ドローンを使った物流、自動車の自動運転、建設現場でのICT施工など、人手不足を解消する社会のスマート化の実現に欠かせないインフラとなっています。 ◇国は7機体制を目指す  国は、2031年度をめどに、日本の測位衛星のみで位置情報を提供できる7機体制を目標としています。 測位衛星は、現在はアメリカのGPSなどと一体となって利用されていますが、7機体制が実現すれば、他国のシステムに頼ることなく、「みちびき」単独で位置情報の提供が可能になります。   今回の打ち上げ成功で「みちびき」は6機となり、国が目標とする7機体制に一歩近づきました。 さらに国は、故障時のバックアップと情報提供エリアの拡大のため、将来的には11機体制への拡張を計画しています。>(以上「南日本放送」より引用) 「 H3ロケッ...

日本が主導する炭素繊維の未来。

イメージ
<欧州連合(EU)においては自動車の廃棄に関する欧州指令(ELV指令)が2000年に定められたが、欧州委員会(EC)は、自動車に関する他の指令と合わせ、一つにしたうえで欧州指令(各国が達成すべき目標を定めたもの)から欧州規制(各国に直接適用される)に格上げすることを目的に2023年7月に規制案を公表した。  この規制案に対し、欧州議会(EP)は2025年1月に修正案を示したが、EC案にある有害物資として規制される、鉛、水銀、カドミウム、六価クロムに加え、炭素繊維が追加された。この追加について、欧州の自動車専門誌が4月上旬に報道したことから、マスメディアが注目することになり、日本でも報道され、炭素繊維製造企業の株価下落まで招くことになった。その後、EPは炭素繊維追加案を取り下げると報道され、EUでは騒動は一時沈静化しているようだが、まだ紆余曲折があるかもしれない。  炭素繊維および炭素繊維強化プラスチック(CFRP)は、その卓越した軽量高強度、高剛性、耐腐食性といった特性から、航空宇宙、自動車、特に電気自動車、風力発電など、EUの主要産業において不可欠な先端材料としての地位を確立している。炭素繊維はその軽量化効果によるCO2排出削減メリットが強調されてきたが、近年製造から廃棄に至るまでのライフサイクルにおける環境負荷の面から、炭素繊維は製造時の高いエネルギー消費とCO2排出量、そして最終製品の廃棄・リサイクルにおける課題が問題になっている。さらに、EPは環境問題と健康リスクに基づいて炭素繊維を「有害物質」に指定する考えを一度明らかにし、その使用を制限しようと試みた。この経緯は、有機フッ素化合物PFASに対するEUの規制と類似している。このようなEU内での動きについては、炭素繊維の多くを日本からの輸入に頼っている状況を変えるために、環境問題を口実に非関税障壁を設けようとしているのではないかという見方もある。それではEC、EPの意図するものは、環境問題か、健康問題か、あるいは経済問題か、その真意はどこになるのだろうか。 ◇炭素繊維の環境影響  ポリアクリロニトリルを原料とする炭素繊維の製造は極めてエネルギー集約的であり、大量のCO2を排出する。炭素繊維1トンを製造するために、高温での焼成プロセスにより20トンのCO2が排出されるのだが、これはアルミニウム製造の2倍以上に相...

「反高市」議員諸氏は自民党を離党して、立場を鮮明にすべきだ。

イメージ
<◇国民と自民党内の激しい温度差 「いったいどうなってるの!」  高市早苗総理は、内閣情報調査室から上がってきたメモを読み、激昂した。そこに記されていたのは、石井準一参議院幹事長が党内で新たなグループを作るという内容だった。総理は疑心暗鬼に陥った。 「石井が反高市グループを作ろうとしている……」  石井氏は「参院のドン」と呼ばれた故・青木幹雄氏の愛弟子で、その政治手法を色濃く受け継いでいる。旧茂木派(平成研)の実力者として野党側にも太いパイプを持ち、一部では新たな「ドン」と呼ぶ向きもある。そんな石井氏は、ことあるごとに高市総理の前に立ちはだかってきた。  総理が、旧安倍派で裏ガネ問題に関与した佐藤啓氏を官房副長官に起用した際には、「多少疑問視している」と正面から苦言を呈した。  さらには、高市総理が予算の年度内成立に執念を燃やす中、石井氏は特別国会で「今まで以上に謙虚で丁寧な国会運営を心がけたい」と語り、暗に総理をたしなめた。  いくら高市総理の支持率が高くとも、参議院が少数与党である状況は変わらない。総理の身内びいきや拙速な審議は野党の反発を招き、国会が空転するのは火を見るよりも明らかだった。  だが、こうしたドンの「忠言」も、今の総理には届かない。高市総理にとって自らに異を唱える者は、たとえ党の有力者であっても排除すべき「敵」に映っているようだ。 ◇腹心の部下がいないのはなぜか  対米外交という最大の難所を、高市総理はなんとか乗り切ってみせた。最大の懸案と目されたホルムズ海峡への艦船派遣要請も、憲法を盾に棚上げすることに成功。ゴリ押しした予算の年度内成立こそ逃したものの、支持率はまだ堅調に推移している。  まさに高市一強―少なくとも来年春の統一地方選までは、行く手を阻むものは何一つないかに見える。だが、足元の自民党内に目を向ければ、その評価は驚くほど冷ややかだ。ある自民党ベテラン議員は声を潜めてこう明かす。 「表立って反旗を翻す者はいませんよ。しかし、かつての安倍(晋三)元総理のように『この人のためなら泥を被ってもいい』と心から支える側近が、彼女には決定的に欠けている。周囲に群がる連中も高市人気にあやかりたいだけで、土壇場で体を張って総理を守る覚悟などないのです」  なぜ、これほどまでに「同志」がいないのか。その理由は、彼女の徹底した「独断専行」スタイルにある。...

いかにしてソ連が崩壊したか、その再現フィルムを私たちは目撃している。

イメージ
< ◇輸出頼みの限界  輸出拡大で経済を回そうとする中国だが、その限界もみえている。  中国政府が31日に発表した7月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.2と、6月の50.3から低下し、好不況の境目である50を下回った。5カ月ぶりの低水準だ。新規受注の圧迫要因となるなど、内需の低迷が景気の足を引っ張る構図だ。  その典型例が自動車産業だ。  自動車製造業の上半期の利益は前年比で19.5%減少している。いかに輸出が好調といっても「焼け石に水」の感がある。  危機感を覚えた習近平指導部も重い腰を上げている。  中国共産党中央政治局は30日、景気減速の対応として、年内に予算計上済みのインフラ事業への財政支出を加速する方針を示した。だが、財政赤字が積み上がる中、大規模な追加の景気刺激策の実施は見送らざるを得なかった。  不況の元凶である不動産市場の低迷も続いており、中国経済の内需不足が改善に向かう兆しはないと言っても過言ではない。 ◇銀行に滞留する資金  筆者が注目したのは、中国で資金が銀行に滞留していることだ。  中国人民銀行(中央銀行)によれば、人民元建ての預金残高は6月末時点で、前年比8.2%増の346兆4400億元だったのに対し、貸出残高は前年比5.2%増の282兆6300億元にとどまった。その差は63兆8100億元(約1540兆円)となり、統計が遡れる1997年以降で最大となった。  要因は、企業や家計の資金需要が大幅に減少していることだ。  銀行が6月に融資した企業向け中長期資金は前年に比べ4割減少し、住宅や自動車のローンが大半を占める家計向けの中長期資金も今年上半期に8割も減った。  銀行による信用創造が低調になれば、経済活動が麻痺してしまうのは、1990年代の日本が教えるところだ。 ◇庶民の味方が高騰  不況の長期化にあえぐ多くの中国人の生活も苦しくなる一方だ。  頭が痛いのは、中国の食卓にかかせない卵の価格が高騰していることだ。  ニューヨーク・タイムズは20日、「養鶏農家による拙速な生産調整が災いして、主要産地の鶏卵価格が前年に比べて40%以上高騰しているため、中国国営メディアでさえ『ロケット卵』という言葉を使っている」と報じた。中国の1人当たりの卵消費量は世界最高水準にあることにかんがみれば、中国人の痛みは日本人の比ではないだろう。  中国の大...

国家の国際的な信用のためにも、スパイ防止法が必要だ。

<米紙ニューヨーク・タイムズは12日、ロシアが2022年2月にウクライナ侵攻を開始した後に西側諸国から追放されたロシア人スパイ数百人のうち、数十人が日本を拠点に活動していると伝えた。侵攻に必要なハイテク物資の調達に従事しているという。西側情報機関当局者や政府関係者への取材を基に報じた。  同紙はロシアのスパイらが日本という「予想外の場所に現れた」と指摘。日本はスパイ防止体制が脆弱(ぜいじゃく)な一方、ハイテク産業は活況を呈しており、侵攻を継続するロシアにとって「重要な拠点」になっていると報じた。同紙が伝えたウクライナ政府の推計によれば、ロシア製のミサイルやドローンの90%は日本製の部品が含まれている。  西側情報機関当局者らによると、東京での作戦の中核を担っているのは「第20局」と呼ばれる極秘のロシア軍情報部隊。その役割に関してはこれまで公に明らかになっていないが、部隊の工作員らは外交官やビジネスマンを装い、戦場で使用する技術を購入あるいは窃取、ロシアに密輸するために活動している。>(以上「時事通信」より引用) 「 日本がロシア人スパイの重要拠点に ハイテク物資調達か―米紙報道 」との記事があった。日本国内でも問題になったが、米国紙が報道したことの意味は重大だ。  米紙ニューヨーク・タイムズは12日に日本国内のロシアスパイに関して報道した内容は以下の通りだ。 「2022年のロシアによるウクライナ侵攻後、西側諸国から追放されたロシア人スパイ数十人が日本を拠点に活動し、軍需用のハイテク物資や部品を調達・密輸してロシアの戦闘継続を支えている。   ロシアの航空最大手「アエロフロート」の東京事務所を拠点に、ロシア軍参謀本部情報総局(GRU)の高官が従業員を装って活動を指揮していた。 日本はスパイを取り締まる法律や体制が脆弱(ぜいじゃく)だが、ハイテク産業が活発であるためロシアにとって重要かつ予想外の拠点になっている。その実態はウクライナ側の推計で証明されている。  つまり ロシア軍が使用するミサイルやドローン(無人機)の90%に日本製の部品が使われている。 日本を経由した物資の流出に対し、ウクライナを含む世界各国が懸念を深めている」という。  世界で信頼を得るには「信頼に足りる国」だと認識される必要がある。そのためには日本の情報が漏れた、日本の最...

iPS細胞研究の今とこれから。

<山中伸弥・京都大教授(63)は、読売新聞の書面インタビューで、iPS細胞の次の20年について、「主役は企業に移る」とし、「競うべき相手」として研究開発が活発な米国や中国を挙げた。米中との競争を意識するのは、日本の患者に治療用製品をいち早く届けたいという思いがあるからだ。 ◇安全性確認を徹底  山中さんはインタビューで、この20年で最も力を注いだのは、iPS細胞を実際の医療に使える「安全で標準的なインフラ(社会基盤)」へと引き上げることだったとした。  iPS細胞から作った細胞は、患者に移植後、がん化して増殖する恐れがあると懸念されていた。当初、作製に使われていた遺伝子の中に、がん化を引き起こす可能性があるものが含まれていたためだ。様々な臓器や組織の細胞に変化できるiPS細胞は、いわば、毒にも薬にもなると考えられていた。  安全性が確認されなければ、治療用製品として承認されることはない。山中さんらは、作った細胞について、500個以上のがん関連遺伝子をチェックするなどの作業を徹底。そのため、実用化までには長い歳月を要した。山中さんは「治療を待つ患者さんの時間を思えば、『ようやくここまで来た』という長い道のりでもあった」と振り返る。 ◇備蓄にも注力  安全性の確認とともにこだわったのが、国内で開発を進めることだった。日本で研究を始めたものの、結果的に製品化したのが海外企業ということになれば、日本の患者が治療を受けにくくなる恐れがあるからだ。  そこで、医療用のiPS細胞をあらかじめ作って備蓄し、2015年以降は、備蓄したiPS細胞を研究機関には無償で、企業には安価で提供してきた。国内外で様々な特許を取得し、海外勢の独占を阻止する戦略も取った。今年3月に条件・期限付きで承認されたアムシェプリやリハートは、その成果と言える。  それでも、iPS細胞由来の細胞を使った臨床計画の数は、米国や中国が日本を上回っており、山中さんは危機感を募らせる。  日本は、基礎研究の分野で優れた成果を出しながら、企業の資金不足などで実用化に結びつけられない「死の谷」に陥るケースが多い。山中さんは「『オールジャパン体制』で研究開発を進めていく必要がある」と指摘する。  細胞治療に代表される最先端の医療製品は高額になりがちだ。iPS細胞による治療を広く受けられるようにするには「適正な価格」で提供でき...