太陽光発電はあくまでも補完エネルギーだ。

<ロシアのウクライナ侵攻により緊迫した国際情勢が続いている。原油高騰などに直面する小資源国の日本は、エネルギー安全保障を見据え、首都・東京も真剣に立ち向かわなければならない。

 今年の夏、そして来季の冬に、深刻な電力不足が予想される。東京都はいま、住宅などの一定の中小新築建物へ太陽光発電設備の設置を義務付ける条例改正案への検討を重ねている。
 世界的に「脱炭素」の動きが進んでいる。米カリフォルニア州は新築住宅に太陽光発電設置を義務化し、ニューヨーク市も同様の制度を導入した。EU(欧州連合)では都が検討中の内容より踏み込んだ案が進んでいる。これらの国々は日本よりもエネルギー自給率が高いが、電力の選択肢を広げる「オルタナティブ」の努力を怠らない。
 翻って日本はどうか。2011年の東日本大震災以降、エネルギー安全保障の歩みが滞っていたしわ寄せが今、明確に出ている。
 大消費地の東京は何をすべきか。その過程で今回の条例改正案を検討している。高騰し続けるであろう電力料金に自家発電でも対応する一方、EV(電気自動車)導入で原油高対策になる。
 改正案では、日照条件などを考慮し、太陽光発電に不向きな場所は除外される。判断するのは東京の約50の事業者で、むしろ太陽光発電設備設置を営業ツールに使っている。リサイクル産業も育ってきている。
 災害時には蓄電分が自宅でも使え、都民の命を守ることにつながる。「現実的な電力の選択肢多様化」を追求していかなければならない。
 原子力発電所の再稼働でも、国が明確な方針を決めるべき点で思考停止が続いてきた。それぞれの状況を見て、安全な原発を判断し、地元の理解や協力を丁寧に得る取り組みが必要ではないか。
 ウクライナでの戦いは長期化しそうだ。エネルギー不足に加え、大穀倉地帯のウクライナでは収穫はおろか、来季の種付けも困難になる。戦局の膠着(こうちゃく)が続けば、穀物生産は約40%減少すると予想される。
 小麦の供給不足と価格高騰に円安が響く。「食料の安全保障」にも対応しなければならない。かつて、「米粉のパンの普及」を提唱した。朝食でも「パン派」と「ご飯派」が分かれるが、いまこそ、食の大消費地でもある東京で、「米粉パンのムーブメント」を起こす好機ではないか。
 米の価格は長年、国の管理下に置かれ、減反などもあり、離農者も多く出てきたが、日本の米は伝統的だ。「日本、やっぱり米の国」なのだ。
 新型コロナウイルス対応も続くが、ポイントは重症者・死者を抑えていくことだ。引き続き医療提供体制を整え、高齢者用の施設も新たに加える。
 同時に外国人観光客の受け入れも進む。世界経済フォーラム(WEF)の発表で、旅行・観光競争力の首位は日本である。東京にも多くの方が訪れることが予想され、「おもてなし」と「安心」を両立していかなければならない。
 国家の根幹となる防衛、そしてエネルギー、食料の安全保障をしっかり守る。人口1400万の首都・東京から、できること、やるべきことを進めていく必要がある>(以上「夕刊フジ」より引用)




 夕刊フジが小池東京都知事の「提灯記事」を掲載した。日本のマスメディアの劣化は目を覆うばかりで、自由主義諸国の中で「報道の自由度63位」と韓国以下の惨憺たる有様だ。なぜ日本のマスメディアが劣化したのか、それは記者からジャーナリスト精神が失われたからだ。
 引用記事を一読して頂きたい。唯一、小麦から米粉への転換を訴えている部分は賛成できるが、それ以外は世界的なプロパガンダに踊らされている典型的な「低脳政治家」でしかない。しかも、代替エネルギーとして太陽光発電装置をすべての新築家屋に義務付けるとは強い怒りしか覚えない。

 太陽光発電は太陽光パネルを屋根などに貼り付ければ永久に発電できる、と勘違いしてはいないだろうか。たとえ異変がなくても、すべての物は劣化する。太陽光パネルも例外ではないし、発電機能に直接かかわる太陽光パネルと同様にパワーコンディショナもまた劣化する。
 太陽光パネルは年に0.27%ほど交換効率が低下するという。そしてパワーコンディショナは10年ほどで交換が必要になるという。一度設置すれば永遠にゼロコストで発電できるわけではない。

 そして根本的な問題として太陽光パネルを廃棄する時の処理費問題がある。2012年に固定価格買取制度(FIT)が導入されて加速度的に増えてきたが、製品寿命25~30年が経過する2040年頃から太陽光パネルの大量廃棄が始まる。もちんリサイクル法に定められている通り廃棄・リサイクル費用を低圧電力(家庭のパネルなど)用で約74%が、高電圧(メガソーラなど)用で約59%が積み立てられていない。
 つまり太陽光パネルが不法投棄される予備軍がそれだけあると見込まれるわけだが、太陽光パネルにはパネルの種類によって、鉛、セレン、カドミウムなどの有害物質が含まれており、それぞれ適切な処分方法が定められている。不法投棄されたなら環境汚染の元となり、住民に深刻な健康被害を及ぼすことも考えられる。

 こうした諸々の問題が未解決のまま、再生エネのエースとして新築家屋のすべてに太陽光パネルの設置を義務付けるなど狂気の沙汰だ。なぜ安定した石炭火力発電をもっと拡充しないのだろうか。もちろん現代では脱硫装置など石炭火力に付き物の大気汚染の元凶となる排ガス問題も充分に解決済みだ。
 欧州各国ではロシア原油やロシア天然ガスの輸入削減対策として石炭火力発電に舵を切っている。CO2地球温暖化など大嘘だが、それでも天然ガスを燃焼させようが石炭を燃焼させようがCO2を排出することに変わりない。国内にフンダンにある石炭を発電に使う方が安定供給できるし、オーストラリアから輸入していた石炭ストックヤードもそのままだ。

 再生エネの太陽光パネルを個人の住宅に設置するか否かは個々人の問題だ。都が関与して、すべての新築住宅に設置を義務付けるなど、いつの時代かと耳を疑う。
 未来のエネルギーは電気ではなく、水素だ。地下化石燃料から燃焼させるのではなく、科学的に分解して水素や炭素を取り出す「化学コンビナート」が各地に建設され、現在よりもエネルギー・ロスの少ない、高効率的なエネルギー社会が実現するだろう。発電量をコントロールできない太陽光発電はあくまでも補完エネルギーでしかない。

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