定年退職後も7割が就労。

 おそらく、ほとんどのサラリーマンは定年退職後に用意された第二の職場で座り心地の良い椅子に座っているわけではないだろう。定年退職前から給与は社内の職能給から年俸制などへと移行して下がっていたが、再就職に際して給与は格段に下がり就労環境も悪化しているだろう。そうした職場でも働かなければならない理由が彼らにはある。


 


 民間企業で3000万円前後の退職金が出ている所があるだろうか。ここ数年の不況で、大企業は別としてスズメの涙程度でもボーナスの出ている所があるだろうか。定年を迎えたとしても、安楽な隠居暮らしを楽しむどころではなく、老夫婦の暮らしを支え続けなければならない人がこの国にはたくさんいる。


 


 まず、到底食えない国民年金があげられる。派遣社員やパートには厚生年金のない場合が多く、国民年金に入らなければならない。満期まで入っていたとしても6万7千円もらえるだけだが、掛け金を満足に支払えない人が多く、支給平均額は4万6千円だ。これだけでどうやって暮らせというのだろか。


 


 厚生年金も平均支給額は20万円で、夫婦が年金で暮らすとすれば一人当たり10万円と、かなり切り詰めても苦しい暮らしを余儀なくされるだろう。それでもローンなどの負担があればたちまち暮らしに行き詰る。公務員は平均30万円の共済年金である程度優雅な暮らしが保障されている。しかも3000万円前後の退職金を頂戴しているから各種ローンを清算しても老後資金に不安はないだろう。


 


 この国の不幸は年金制度にある。かつて年金は積立方式だった。団塊の世代が就職したころは積立方式だと説明されたはずだ。それがいつの間にか、正確には1985年に給付方式へと移行した。つまり積立方式では当時のインフレに追いつかないから積み立ててもそれで将来支給するのは困難だと、勝手な理屈をつけて厚労官僚が積立方式をやめてしまったのだ。それ以後はれいの老後世代一人を何人の勤労者で支えるか、という図が前面に出て掛け金の値上げが簡単にできるようにしてしまった。当時の政治家の罪悪のうちでも最大のものといえよう。彼らの無知に官僚が付けこんだのだ。


 


 さて、当時の積み立て方式の積立金が幾ら残っているのか。年金担当官僚は明らかにすべきだ。よもや何かに使い果たして残っていないと言わせないが、政治家諸氏も官僚の屁理屈を見抜くだけの力量を持っていて欲しいものだ。ただ、その政治家を選ぶのは国民で、とどのつまり民主主義とはすべての責任と結果は国民の上に覆いかぶさってくるのだ。



このブログの人気の投稿

それでも「レジ袋追放」は必要か。

麻生財務相のバカさ加減。

無能・無策の安倍氏よ、退陣すべきではないか。

経団連の親中派は日本を滅ぼす売国奴だ。

福一原発をスーツで訪れた安倍氏の非常識。

全国知事会を欠席した知事は

安倍氏は新型コロナウィルスの何を「隠蔽」しているのか。

自殺した担当者の遺言(破棄したはずの改竄前の公文書)が出て来たゾ。

安倍ヨイショの亡国評論家たち。