「定見なき迷走」ではなく「上っ面のポピュリズム」だ。

 何とかして国民の歓心を買おうとした変節が国民の支持を失った原因ではないだろうか。去年の夏に掲げたマニフェストを愚直に遂行していれば、こうはならなかっただろう。


 


 誰の入れ知恵か知らないが、民主党政権は折角自民党政権と異なる対立軸を掲げて国民の支持を得て政権交代を果たしたにもかかわらず、次々とマニフェストを弊衣のごとく脱ぎ捨てた。


 


 コンクリートから人へ、の掛け声は間違っていない。これまで通りの道や箱モノを作り続ける公共事業を継続することはできないのは誰の目にも明らかだ。これまで建設してきた橋梁の安全確保や道路の安全確保や維持管理費に多大な経費を必要としてくる。やがて耐用年数を経過した橋も架け替えなければならないだろう。


 


 基本的な制度設計の数値として、この国は人口減少期に入っている。現在の出生率からいけば、百年後には日本国民は半数になる。半数で現在のインフラを維持するのは困難かもしれない。国家財政の現在の危機もさることながら、将来来る危機に対して基本的な対応策を長期戦略に織り込まなければならないだろう。


 


 肥大化した官僚組織、各省庁の外郭団体・利権団体として存在する万を超える官僚天下り先を養っていく余裕は国家財政になく、国民はこの国のカタチを変えなければ幾ら増税しても穴の開いたバケツにいくら水を入れても徒労に終わることを認識している。今回の選挙結果は民主党に厳しく出たが、官僚制内閣に回帰することを国民は望まないだろう。


 


 いずれにせよ、民主党は困難な国会運営を強いられることになる。野党に政権運営の協力を仰がなければならなくなった。しかし、そのことにより益々去年の夏の民主党のマニフェストから遠く離れるのなら、国民は民主党政権を見放すだろう。


 


 この国のカタチを考えるなら、少子化社会を乗り切るには現在の巨艦大砲主義のような官僚組織ではできない。国家組織を軽快なクルーザーにしなければ国家運営も激動の世界情勢に機敏に対応できないだろう。そうした側面は各種大規模プロジェクトの売り込みで後塵を拝していることからも明らかだ。


 


 今後の成長戦略は何かといえば、民間企業が伸び伸びと運営できるように規制をなくし税制を改革することと、出生率を上昇させる試みを力強く遂行することだ。国家でできる直接投資はたかが知れている。今後は民間の力を借りなければ国家投資もできないだろう。官僚組織の透明性を高め、自由競争といいつつ前年実績や特殊な設備を備えていることなどを受注条件として、実質的に随契とする姑息なやり方は犯罪行為と認定することだ。


 


 原価意識を持たない官僚はドシドシ更迭することだ。国民に奉仕する意思のない官僚は職場を去ってもらうことだ。そうしたことが行えるように、公務員法を改正しなければならない。国民は政権がどの方向を向いているかに敏感だ。日本が再び高度経済成長するとはだれも思っていないし、それを望んでいるわけでもない。この国が国民にとって暮らしやすい国家になることと、世界のどの国からも愛される国家と国民になることを願っている。あえて一方の代貸となってヤクザ社会の出入りに参加する愚は止めたいと心の底から願っている。そのためには国民に「国民が国を守る」という基本的なことを政府が言わなければならない。


 


 残された時間は少ない。国家財政も放漫経営を続けていけるのはあと数年だ。辺野古沖の問題は国家として米国に「ノー」というべきだし、日本国内の米軍基地移設問題で日本の首相が交替するようなことでは独立国家とは言い難い。そうした基本的なことにも、国民は気づいている。もはや過去へは引き返せない、民主党は政権基盤を失うとも国民のために敢然と政権交代した初志を貫徹すべきだ。



このブログの人気の投稿

それでも「レジ袋追放」は必要か。

麻生財務相のバカさ加減。

無能・無策の安倍氏よ、退陣すべきではないか。

経団連の親中派は日本を滅ぼす売国奴だ。

福一原発をスーツで訪れた安倍氏の非常識。

全国知事会を欠席した知事は

安倍氏は新型コロナウィルスの何を「隠蔽」しているのか。

自殺した担当者の遺言(破棄したはずの改竄前の公文書)が出て来たゾ。

安倍ヨイショの亡国評論家たち。