物見のつもりが海外からは厳しい評価が。

 マスコミが「与党過半数割れか」と騒ぎ立てて、いよいよ国民を民主党潰しに追い立てている。勝ち馬に乗りたい心理からいけば、落選しそうな人の名前を投票用紙に書きにくいものらしい。根拠のないムードで一旦持ち上げておいて「消費税」のオウンゴールをことさら騒ぎ立てて民主党を叩きに叩いた。そしてトドメを刺すように「与党過半数割れか」と民主党苦戦の宣伝を選挙終盤になってこれでもかと繰り広げている。


 


 その結果が早くも日本国債の値動きと国債金利に表れている。つまり菅首相が「財政規律」を謳った当初は日本も財政再建へと向かうと判断した市場が国債の「買い」に走り、国債の価格は上昇し国債金利は下がっていた。一時は1%を割り込むのではないかと見られていた。がここ数日、マスコミの与党過半数割れの報道により「消費税」が選挙後に議論されなくなる恐れが出て来たと認識し、市場は国債の値下げと国債金利の上昇へと動いている。


 


 現実の先取りするのが市場だからマスコミの思惑通りに選挙結果がなれば政局は激しく動くことになる。いかに枝野子供幹事長が「菅首相続投」を口走ろうと、与党で過半数割れすればすんなりとそうはならないだろう。第一、誰が他党との連立交渉をするというのだろうか。身の回り一mすら見えない子供幹事長は選挙のさなかに選挙の敗戦処理と新連立候補に言及するほどの愚かさだ。その程度の幹事長に敗戦処理は手に余るだろう。


 


 ただ言及しておかなければならないのは、マスコミが民主党潰しから政局へと日本の政治を動かそうとしているように見えるが、その動きから早くも国債金利が上昇していることだ。僅かに0.5%程度の動きではないかと軽く見てはいけない。毎年新規に発行されている国債がいくらあるか考えれば、その程度の金利上昇でも国としては短期的に2千億円ほどの損失になるのだ。しかも市場で国債の引き受けがなくなれば「あっ」という間に暴落することもあり得る。自由な報道の名を借りて、実は大変危険な「遊び」をマスコミはしていることに気付かなければならない。


 


 民主党与党が過半数割れしたら政局が動いて面白いことになるぞ、とジャーナリストが考えているとしたらとんでもないことだ。確かに新聞や週刊誌や雑誌は売れるだろうが、国民生活の根幹をなす国家財政を混乱の渦に巻き込むことになりかねない。


 まともな議論として「消費税」に政治家は言及すべきだ、と政権にある政治家の尻を叩いていたが、菅首相が財務官僚の口車に乗って選挙告示直前に口走ると得たとばかりに叩きに走った。そして狙い通りに民主党の勢いを失速させた。マスコミの策略に乗せられた感はあるが、選挙結果の一義的な責任は菅首相にあるのは紛れもない事実だ。与党が過半数割れすれば責任を取って首相の座を去るのが至極まっとうな判断だろう。そして子供幹事長に混乱する政局の収拾能力があるとは思えず、ついに頼るのは小沢氏しかいないだろう。


 


 この国の不幸はまともなジャーナリストが大マスコミに育っていないことだ。保身を優先する常識的なジャーナリストに世間の匂いを敏感に嗅ぎ分ける嗅覚は備わらない。ただこれまでの慣例に従って各官庁の記者クラブにたむろして官僚から頂戴する情報を記事にする。情報が面白い記事にならなければ政局を動かして面白くしてやろう、あるいは何処かからか漏れてくる「こうしろ」との指令を受けて政局にしているのではないかとさえ勘繰ってしまうほどだ。非力な一国民としては日本の大マスコミは何とかならないものだろうかと、梅雨空を仰いで慨嘆するしかない。



このブログの人気の投稿

それでも「レジ袋追放」は必要か。

麻生財務相のバカさ加減。

無能・無策の安倍氏よ、退陣すべきではないか。

経団連の親中派は日本を滅ぼす売国奴だ。

福一原発をスーツで訪れた安倍氏の非常識。

全国知事会を欠席した知事は

安倍氏は新型コロナウィルスの何を「隠蔽」しているのか。

自殺した担当者の遺言(破棄したはずの改竄前の公文書)が出て来たゾ。

安倍ヨイショの亡国評論家たち。