痛ましい二重事故だ。

 埼玉県秩父市大滝の山中で25日発生した同県防災ヘリコプターの墜落事故により五名もの隊員が亡くなった。痛ましい事故で原因究明が待たれるが、そのさらに原因となった沢登りの滑落事故について少しばかり言及したい。


 


 近年中高年による登山がブームだという。この春先にも登山ツアーで北海道の山で遭難して数名もの命が失われたのも中高齢の男女だった。今回の救助要請は55歳の女性が沢登りの途中、滝壺へ転落したことによる。不幸にも女性の死亡が確認されたが、下山したパーティの男性隊員がヘリコプターの墜落の模様を語っているニュースを視聴して不快な気分になった。


 


 詳しくは知らないが、彼らが登山するのはプロとしてではなく登山同好会のような団体で自然と親しむためのものだろう。従って厳しい専門的な訓練を積んだ人たちの集まりではなく、日常生活の延長線上で登山を楽しむ人たちの沢登りだったはずだ。そうした人たちの構成によるパーティで年齢を考えれば当然のこと体力や筋力は落ちて行程は若者のようにはいかないはずだ。ゆっくりと勾配のある山道を歩くのなら問題ないだろうが、沢登りはあらゆる危険の潜む高度に専門的なテクニックと判断が必要となる。そうした場へ素人集団を導くのは慎重を期さなければならないのはいうまでもないことだ。


 


 55歳の女性がどの程度の訓練を積んで、体力的にどのような状態だったのか分からないが、普通の55歳女性なら滝壺へ転落する危険性のあるような沢登りをさせてはいけない。若い女性と比べても足腰は弱って踏ん張りは利かず、ロープや鎖を頼りに岩場の沢を登っていて足を滑らせると握力と腕力だけで自分の体を支えるのは不可能だ。


 自然を楽しむはずの登山で命を落とすことほど愚かなことはない。パーティのリーダーはしっかりと責任を持ってもらいたい。隊員の一人でも怪我をした段階でリーダー失格と心得なければならないだろう。ましてや女性隊員が亡くなっただけでなく、救助に向かった救助隊員が五人も亡くなられた。


 


 中高年登山は隊員を楽しませてやろうなどと背伸びした行程などは考えずに、慎重の上にも慎重を期して安全第一に自然を楽しむことだ。平凡な登山になるかもしれないが、登山そのものが非日常の楽しいことなのだと心して、テンコ盛りの日程など考えないことだ。どうしても難所にチャレンジしたいのなら、しかるべき訓練を積んだ仲間と出掛けることだ。リーダーに猛省を促したい。



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