政権責任者の発言は個人の自由な意思表明ではない。
民主党政権の危うさは一議員から政権の閣僚までもが好き勝手な発言をバラバラにすることだ。週末に他の閣僚がテレビ出演して議員定数や歳費の削減などに言及すると、週明けにはそれを内閣官房長官がいとも簡単にひっくり返してしまう。
こうしたことは国会改革だけに限ったことではない。予算担当閣僚が予算概算要求では対前年比10%削減のシーリングを提示したかと思うと、さっそく「官僚的発想だ」と前原氏などが国交大臣として記者会見で反論する。
何ともお粗末な内閣だ。朝令暮改というが、それはまだしも一人の王がすぐに意見を変えることだ。菅内閣では百家争鳴とでもいうべきだろう、首相が何か言えば閣僚の数ほど異論が噴出する。
なぜ二泊三日程度の合宿をしないのだろうか。携帯電話を切って朝から晩までどこぞの別荘に籠って、内外全般の課題についてしっかりと議論してはどうだろうか。政治主導というのなら、その程度の意見の擦り合わせをした上で政策に関して発言すべきだろう。
そして一旦言い出したことは簡単に引っ込めないことだ。内閣全員が協力して一つの政策を実現するために力を併せることだ。
口から先に生まれたように先輩議員を軽々しく誹謗して恥じず、自身の不明な発言には強弁してみせる。何とも困った輩が閣僚に就いて国民から付託された民主党政権への信頼を壊している。その挙句が官房長官による閣内不一致発言だ。
これ以上醜態を晒すことなく、参議院選挙で大敗した責任を取って菅氏は首相を辞任して、9月の代表選を一挙に早めることだ。死に体内閣が予算編成とは末代までの笑い種になるどころか、官僚へ丸投げの予算編成になりかねない。
菅氏も日韓併合百年に際して村山談話に劣るとも勝らない、国辱ものの談話を発表する前に身を退いた方が本人のためだろう。先人を貶め隣国に這い蹲るこの国の政治家たちの態度に、またしてもかと国民はうんざりしている。そろそろ敗戦ショックから立ち直って、堂々と胸を張って外交をする政治家が出てこないものかと、大部分の日本国民は願っている。