99番目の空港
2012年に開港予定の岩国民間空港は国内で99番目の空港だ。第三セクターで運営され、年間利用予定者数は35万人だという。全日空が乗り入れ一日往復4便の就航だそうだ。しかし、どんなに強弁しようと赤字垂れ流しとなるのは必至で、第三セクター方式だから赤字の補填は税で行われることになる。
山口県には瀬戸内海に面した県央部の宇部市にも県営宇部空港があるが年間利用者数の減少傾向が止まず、80万人を割り込み赤字を垂れ流している。岩国空港も瀬戸内海に面した米軍岩国基地を沖合移設してできた広大な敷地の有効利用で民間空港を造るというのだ。
そもそも米軍岩国基地を沖合移設したのは海岸部に広がる石油コンビナート群の上空を飛行する危険性を除くために計画されたものだ。それが完成なったからといってその場所に民間空港を開くというのは得心が行かない。
しかも岩国は瀬戸内海に面し、新幹線駅もある。山陰地方だとか、新幹線のない土地に飛行場を設けるというのなら得心がいかないまでも空港建設の動機は理解できる。しかし離島でもなく陸の孤島でもない土地に空港を建設し、それにより赤字を垂れ流すのなら、建設を推進した人たちに負担してもらいたい。断じて第三セクだからと税を投じてもらっては困る。そうした馬鹿げた事業を行政が行う時代はとうの昔に終わったはずだ。
民主党に政権交代して、そうした事業は中止になるのかと思っていた。しかし国は事業認可した。政権は代わってもこの国のバカげた構造は何も変わっていないようだ。つまり政治家が代わっても官僚は代わらない。そのため事業の継続性がここでは頑なに守られているのだ。