辺野古沖案は現実的ではない。

 沖縄知事選挙で誰が当選しようと、辺野古沖の公有水面埋め立てに同意しないだろう。たとえ民主党が辺野古沖への移設を公約に掲げる知事候補を担いだにせよ、当選は覚束ない。つまり日本の法律により沖合を埋め立てるには知事の提案による県議会の同意が必要な限り辺野古沖への移設案は現実的でない。


 


 その案に固執する米国の真意は何だろうか。海兵隊は米国予算が減額されて遅れるにせよ、大部分はグアムへ移転することになっている。いや大部分ではなく、すべてだとする話すらある。海兵隊の定数は18000人だが、実数は12000人が沖縄に駐留しているに過ぎない。米軍海兵隊はすべて沖縄からグアムへ移転するが、国家予算が逼迫している米国は日本から支出される思いやり予算をグアムの米軍へ運用しようとしている、とする穿った見方すらある。


 


 つまり辺野古沖に作るのは普天間基地の移設ではなく、新たな空母級が接岸できる港湾とヘリ部隊のための空港ではなく、艦載機の発着訓練のための滑走路が必要なのだという。だから橋下府知事が関空へ移転すれば良い、とアドバルーンを打ち上げても大マスコミや米国は無視したのだ。空母が直ちに極東のしかるべき海域へ展開するには沖縄が適している。瀬戸内海の奥深い太平洋側の関空では速度の遅い空母が即応できないのだ。


 


 本当に移設するのが海兵隊ヘリ部隊なら滑走路が必要でないのは明らかだ。広場さえあれば着陸できるし、そのためのヘリではないのか。ほとんどの実戦では着陸さえしないのではないか。それが執拗にV字型の滑走路でないと半島部分の住宅地上空を通るとか、あたかも飛行機を想定した話ではないだろうか。


 


 現実に普天間基地に飛行機が離着陸しているのは知っている。それが実戦部隊に必要なことなのか、物資補給の貨物機だったら、ヘリに代えれば良い。そして、それでも辺野古沖の埋立基地が必要だとするなら、本当の理由を日本と米国政府は日本国民に説明する義務がある。決して捏造話や「学習すれば学習するほど…」などといった誤魔化しはしないことだ。


 


 まことしやかに北朝鮮が韓国に攻め込んだ際に米軍属と邦人脱出と保護のために米軍海兵隊が必要だとする説明がなされているようだが、3万人とも5万人ともいわれる米軍属と6万人とも8万人ともいわれる邦人の脱出にどれほどの艦艇が必要かシュミレーションがなされているのなら国民に説明すべきだ。それが軍事的な機密に関するからダメだというのなら、出来もしないことだと断定せざるを得ないだろう。戦闘状態に陥れば人が集まるところを攻撃するのは常套ではないだろうか。空港や港湾をピンポイントで精度の悪い北のロケットで攻撃すればその周辺に集まっている脱出非戦闘員が殺害されるのは明らかだ。


 


 ありもしない危機を煽り、いもしない海兵隊の為に辺野古沖に基地を造る。現代の怪談が沖縄で静かに進行している。その人質が普天間周辺の沖縄県民だ。木戸銭は日本国民が「思いやり」と称して支払っている。


 もはや見たくもない戦争ごっこで世界に覇を唱える米国とお付き合いするのはほどほどにしようではないか。せめては韓国並みに基地移転するといえば、米軍に「整地して返せ」と要求ぐらいはしたいものだ。代替基地を造ってあげるなぞと「合意」すべきではない。



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