「安価」で「安全」で「大容量」の電池開発が未来へのカギだ。
<東京大学とNIMS(国立研究開発法人物質・材料研究機構)らの研究グループは30日、水をベースとする安全性の高いリチウムイオン伝導性液体「ハイドレートメルト(常温溶融水和物)」を発見したと発表した。 水と特定のリチウム塩2種を一定の割合で混合することで、一般的には固体のリチウム塩二水和物が常温で安定な液体であるハイドレートメルトとなり、通常は1.2Vで水素と酸素に分解する水を使っているにもかかわらず、3V以上の高電圧をかけても分解しなかったという。 このハイドレートメルトを電解液に応用することで、これまで特殊な有機溶媒を用いた電解液でしか作れなかった超3V級リチウムイオン電池可逆作動に、水を用いた電解液で初めて成功した。これにより、可燃性が高く有毒なリチウムイオン電池の溶媒を使わずに、不燃かつ無毒な水に置き換えることが可能。火災や爆発事故といった危険性を極限まで低下できるとする。 また、水を電解液の原料にできることから、電池生産工程におけるドライルームを撤廃でき、リチウムイオン電池の低価格をもたらすという。水による高性能蓄電池デバイス設計と生産プロセス設計の双方が可能になることで、安全性と低価格が両立するため、電気自動車や家庭用大型蓄電池開発の加速が期待される>(以上「PC Watch」より引用) 現在の電池で最も高容量で高出力の「リチウムイオン電池」は高額なうえ劣化が著しいことが欠点とされている。しかしコンパクトで高出力のためノートPCの電池としてはもとより、ハイブリッド車の電池としても利用されている。 しかし電解液にリチウムを用いていることから毒性が高く、しかも事故などで金属が貫通などした場合には爆発する危険がある。そうした危険性を承知の上で利用するしかなく、不便さには目を瞑るしかなかった。 東大とNMSの開発グループが水をペーストするリチウムイオン伝導性液体「ハイドレートメルト(常温溶融水和物)」を発見したことは電池を利用する機器開発に関して明るい未来が見えてきた。 電気の扱いに関して、利用拡大が望まれる再生エネの最大の欠点は安定出力だ。太陽光発電では太陽が出ている昼間しか発電できないし、風力発電では風が吹いている間しか発電できない。そうした発電量のばらつきをなくし、いつでも使いたいときに使えるようにするには「高出力」にして「安価」で「安全」な電...