「強まる節約 脱デフレ逆風」の見出しでもアベノミクスを批判しない読売新聞。

 朝刊三面に「強まる節約 脱デフレ逆風」との見出しを掲げ小見出しの囲い記事で「政府・日銀 需要増へ対策」と書いているが、読売新聞は日本経済の病原をスルーしていかなる論理も展開できないことを知るべきだ。デフレ化の原因を「伸びぬ賃金 広がる値下げ」と企業の労働分配率に押し付けているが、そうなったのは派遣業法の野放図な規制緩和による労働者の非正規化ではなかっただろうか。
 それらのアベノミクスの破綻は当初から解っていたことで、それを決定的にしたのは8%への消費増税だと、適切に病理を解明しない限りは適切な処方箋も書けないのは当然の理だ。読売新聞はいかなる事態になろうともどうしても安倍氏をヨイショする姿勢のようだ。

 法人税の本税を減税するのではなく、政策的に「投資減税」や「研究開発減税」などを大胆に実施することにより、日本の企業体質を改善すべきだ、と何度もこのブログに書いてきた。しかも日銀の金融異常緩和により金融はダブついていて、銀行は借入先を探すのに苦慮している。
 だから「投資減税」とりわけ海外から工場を引き揚げる「Uターン投資減税」には奨励金のオマケを付けてでも強力に推進すべきだ。こう書くと「現在でも労働力は不足しているのに」と批判する人がいるかもしれないが、労働力不足は「投資」のチャンスでもある。

 高度経済成長の時代に日本の企業は旺盛な投資意欲を保って生産装置の効率化を図り、安価にして高付加価値の製品づくりを可能にした。それにより日本は世界の経済大国にのし上がったが、いつからか「構造改革」論者の口車に乗って、労働力の安価な国へ生産工場移転を行って企業利益の最大化を図るようになった。
 リーマンショックもあったが、就職氷河期が到来し、それが長らく続いた原因の多くは国内企業の生産手段の海外移転策だ。それにより国内の雇用吸収力は失われ、若者たちは構造改革論者たちの「非正規戦略」にまんまと乗せられてしまった。

 さすがに読売新聞も「需要不足」を認めざるを得ない論調になっているが、その原因が消費増税にあるとなぜ気づかないのだろうか。そして企業の最大の内部留保は法人減税にあるとなぜ気付かないのだろうか。
 法人税が高ければ税を支払うよりも労働者に還元しようという動機になる。それも政策に取り入れて「労働分配減税」を新規に設けるのも一案だ。

 政府首脳が企業回りをして「賃金を上げてください」と頭を下げるのはパフォーマンスに過ぎない。そうしたことよりも政府は政策でかくあるべきへと導くのが筋だ。
 消費税を上げて貧困層にカネをばら撒く政策を実施するというのは馬鹿げている。消費税を上げなければ良い。そして労働力人口の減少期こそ生産効率化の「投資」のチャンスだ。そうしなければ国内企業はドンドン海外へ移転するか、安価な外国労働者を移民として受け入れるしかなくなる。それこそ欧州各国が歩んだ国内混乱の道だ。日本国民は賢明になる必要があるし、いつまでも実体のないアベノミクスを囃し立てる腐り切ったマスメディアに見切りをつけるべきだ。


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