読売新聞が中立だというのなら、この円高の病理をなぜ説明しない。

<16日の外国為替市場は米国が早期に利上げに踏み切るとの見方が後退し、円高・ドル安が進んだ。

 ロンドン外国為替市場で円相場は一時、英国が欧州連合(EU)離脱を決めた6月24日以来の円高水準となる1ドル=99円台半ばをつけた。

 米国で低調な経済指標が相次ぎ、「早期の利上げは難しいのではないか」(アナリスト)とする見方が出た。ロンドン市場に先立つ東京市場はお盆休みで取引が少なく、まとまって円を買う動きが出ると相場が振れやすいことも、円高を加速させたとみられる。

 一方、株式市場は円高を嫌気した売り注文が膨らんだ。日経平均株価(225種)は2日続けて下落し、終値は前日比273円05銭安の1万6596円51銭だった。円高が進んだことを受けて、採算の悪化が懸念される自動車や電機などの輸出関連株を中心に売りが広がった>(以上「読売新聞」より引用)

 リオ五輪騒動に紛れてひっそりと報道されてしかいないが、円高が異常な勢いで進んでいる。99円を割り込んだのは英国のEU離脱騒動以来だ。
 今回の円高は米国の経済指数が芳しくないことから米国は当分金利引き上げがないとの見方から円買いが広がったもののようだ。米国の景気回復が弱含みということから日本の円が買われるほど「円」は安定的な通貨だ。

 日銀の国債大量買入れという金融政策で円の供給量を増大させているにも拘らず、デフレ脱却が出来ないことを表している。つまり金融政策はデフレ脱却への誘導策ではあってもGDPを押し上げる経済策ではないからだ。いかに株式市場が暴騰しようが、GDPの増大には役立たない。
 つまり実体経済を動かすのは消費と投資だからだ。消費増税により奪われた8兆円規模の需要をいかにして穴埋めするかを真剣に検討すべきを、単細胞のようにカネをばら撒くしか能がない安倍自公政権では景気回復はあり得ないし、経済成長に伴うインフレが好ましいインフレであって、インフレを起こすことを政治目的にする、という異常性こそがアベノミクスのマヤカシそのものだということを看破できなかったマスメディアの質の悪さそのものだ。

 しかし、そうした質の悪いマスメディアや経済評論家が大きな顔をして御託を垂れているのは日本国内だけの異常事態であって、先進諸国のマスメディアや経済評論家たちはアベノミクスのマヤカシを早くから見抜いていたし、日本の「円」が財務官僚の宣伝にも拘らず安定的な通貨だという正体を知っているからだ。
 日本の腐り切ったマスメディアは財務官僚の広報紙に成り下がり、1,000兆円を超える日本国債残高を大宣伝して、財務規律のために増税は不可避だという世論形成に手を貸し続けている。それなら、なぜ゛円」が安定通貨であり続けるのかを合理的に説明すべきだ。しかしそうした説明はマスメディアから聞いたことがない。

 病理を説明しないで処方箋ばかり説明する医師がいたら間違いなくヤブだ。そうした観点で見る限り、安倍政府の経済閣僚やマスメディアはヤブ医者の集まりだ。
 合理的な説明のないままアベノミクスを推進しているにも拘らず円高が進行し、株式相場は1万6千円台に逆戻りしている。既に日銀は400兆円近くも日本国債を買い入れて、市場から適正国債水準たる残高が保てない事態に陥っている。これ以上マイナス金利を進めることは銀行の健全体質を奪うだけだ。もはや日銀は手詰まりになっている。

 安倍氏は9月に28兆円もの補正予算を成立させると息巻くが、その真水が6兆円程度と不足する需要に見合わないことは明らかで、景気に与える影響は殆どないだろう。なぜ企業に対して大胆な「投資減税」や「研究費減税」を行わないのだろうか。なぜ消費税を5%に戻さないのだろうか。
 景気回復による税収増と適正インフレの実現こそが望ましい政策だということになぜ気づかないのだろうか。ここにきても安倍氏は面従腹背の財務官僚の操り人形であり続けるのだろうか。そして読売新聞をはじめとするマスメディアは財務官僚の広報紙であり続けるのだろうか。


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