年金だけではない、すべての公的支出を本来の水準にすべきだ。
年金の支給水準が物価スライド制としているもののデフレによる物価下落を想定していなかったため、自然と支給すべきとされた水準を超えていた、というのがここ数日来の議論だ。その超過額の総額は約7兆円というが、それを3ないし5年かけて是正するというのはいかにもお役所仕事だ。 本来あるべき水準と乖離しているのは年金だけではないだろう。公務員給与や共済年金は著しく本来あるべき水準を超えている。そもそも公務員給与は「民間に準じる」とされている。その「民間」も一定規模以上の会社の勤労者給与の平均を指しているが、それすらもすべての民間勤労者給与平均水準を上回っていることを知らなければならない。それでも426万円だとされている。それに対して公務員給与は687万円という数字が出ているが、それがすべての手当を含めたものなのか、官僚の提示する身内の数字はにわかに信用できない。 さらに国や都道府県や市町村の公共事業単価も民間並みなのかと疑念を持つ。税の支出という原価意識の働かない支出構造そのものにも問題はあるが、それを審議する議会を構成する議員の資質にも問題がある。そして入札制度そのものにも問題があって、その問題点の一部でも排除するために「電子入札」なるものが考案されて実施されている自治体もないではないが、残念ながら極めて一部にとどまっている。それでも実施している自治体では平均落札率は70%ないし80%へ低下している。電子入札を実施していない自治体の平均落札率が90%後半なのに比べると効果は明らかだ。 さらに本来あるべき水準とすべきは制度事業のあり方だ。真水として地方の事業者へ渡る金額が一体予算総額の何%なのか、そうした統計資料がないのには怒りを覚えるが、政府が「○○事業費は○千億円円」と発表しているが、果たして現場には幾ら渡っているのか絶えず疑念を覚える。膨大な公務員給与や外郭団体や特殊法人を養うために消費され、実際に「事業費」として消費されている金額は全体の何%なのか、制度ごとに数字をぜひとも呈示してもらいたいものだ。 年金を本来あるべき姿に直ちに戻せと産経新聞の「主張」氏は問題提起しているが、本来あるべき姿に戻すべきは年金もさることながら省庁とその官僚たちの思考構造そのものではないだろうか。官僚とは本来国民の下僕で...