支離滅裂な日本の通貨当局と財務省。

 TPPへ踏み込んで関税障壁を無くせ、というのは貿易自由化を促進する理由としてもっともらしく聞こえるが、ここ一年ばかりの円高(110円から78円となった)は30%を超える関税と何ら代わらない。その円高に対してバカな財務省は7.8兆円ものドル買い円売りの為替介入を行ったが、一時的な効果しかもたらさなかった。財務省は巨額な損失を抱え込み、儲けたのはFXを仕掛けている禿鷹投機家たちだけだった。この国の通貨当局と財務省は平然と国益をドブに捨ててしまった。


 


 しかも円高を呼び込む増税・財政健全化を野田氏はG20で高々と宣言した。バカもここに極まったというしかない。国民には円高で塗炭の苦しみを与え、産業界のうちでも輸入している原材料・素材産業には笑いの止まらない円高差益をもたらしている。しかし、国内のガソリン価格がそれほど下がっていないのはなぜだろうか。現在の原油国際相場も一時1バレル100ドル以上の高騰から下げて1バレル80ドル台になっている。それでも国内ガソリン価格は1リットル130円台後半とは石油会社はカルテルでも結んでいるのではないかと疑いたくなる。


 


 現在の円高は日本の国債が世界で比較安定資産だという証明でしかない。それをGDP比200%を超えているからいつ暴落するか分からないと赤字国債の累積残高を問題視しているのは財務省の「増税・負担増」宣伝のスローガンに他ならない。世界は日本の通貨は安定通貨だと太鼓判を押している。その証が円買いに走っている禿鷹投機家たちだ。財務省は今度の円高により為替管理特会で40兆円もの赤字を出している。復興予算総額の2倍に当たる赤字だ。日銀と財務省がマトモな通貨管理をしていれば増税なぞ必要なかったことになりはしないだろうか。


 


 米ドルはオバマ氏のグリーンニューディールによる「ドル安政策」により100兆円規模を超えるドルを世界に垂れ流した。欧州もギリシャを支援すると称して紙屑のようなギリシャ国債を買い入れてユーロ紙幣を数十兆円も垂れ流した。結果として円が買い進まれたわけだが、日本の通貨当局は誰と約束したのか一向に円を増刷しようとしない。なぜそうしたことが平気で行えるのか、理解に苦しむ。復興資金として20ないし30兆円ばかり円を政府支出すれば国際為替の円高を解消するのに役立つのだが、野田政権は何が何でも財源確保と称して増税に踏み切るようだ。


 


 この国の政府と通貨当局は日本国民を見ていないようだ。米国のドル安政策を追認するだけでは足りないのか、行く先を表示していないTPPバスに乗り遅れるな、と米国の命令に従う政府はまさしく米国のご機嫌伺いに忙しいようだ。


 この国はいつからこれほど情けない国に成り下がったのだろうか。いつまで米国のバシリを続けるつもりなのだろうか。普天間問題も「頼むから帰ってくれ」といえば済む話ではないか。そうすると軍事専門家を自称する米国幇間評論家が「米国が安保を破棄したらどうするのか」とありえないことを言う。むしろ日本国内世論を気にしているのは米国だ。何処までやったら日本国民は本気で怒り出すか、米国政府は息を呑むような慎重さで見極めているのだ。


 


 中国や露国や韓国や北朝鮮の脅威に備えなければならないが、日本は当たり前の国家として日本国内に駐留する米軍に引き揚げてもらう方が良い。そして東南アジア諸国と連携を構築し、国軍として攻撃力を備えた自衛隊を増強する方がどんなに良いだろうか。


 しかし米軍は意地でも引き揚げないだろう。日本の国内基地を格安料金で使い放題の上に、日米地位協定という日本国内無法フリーパスまで発行してもらっているのだ。彼らは帰れといわれて怒りはしても、決して憤然と感情に任せて「帰る」とはいわない。米国は日本に居座り続けるだろう。


 


 そろそろ日本をマトモな国家にしようではないか。日米安保も見直そう。日本を護るのは日本国民だと宣言する政府を持とうではないか。そして日本の国益を国際会議で堂々と言える首相を持とうではないか。



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