自衛隊は便利屋でないかも知れないが、それなら放射能除染を専門的に行える業者がいるのか。
困ったことが起こると何かと「自衛隊頼み」で、平時は迷惑顔をして遠ざけられているのは、釈然としない気持ちになるのも頷ける。しかし防衛省が「自衛隊は便利屋ではない」と言い切ってしまうと、平時では自衛隊は無用の代物になって仕舞う。税金だけ食い潰して、国民に反対給付が何もない、というのも困ったものだ。
確かに自衛隊は「便利屋ではない」だろう。しかし放射能汚染の除染を行うとしたら、防衛省の中でも放射能汚染を専門的に実施する部隊を創設しておかなればならない。この国には米国、仏国に次ぐ世界第三位の膨大な数の原発が稼働している。そうした現状に対して国家として「対放射能汚染対策部隊」を創設していないのが既におかしい。電力会社も放射能汚染事故を起こした場合の対処マニュアルと対策部署を会社内部に組織として設置していなければならないだろう。まったく事故を起こさないから必要ないというのなら、直ちにすべての原発を緊急停止することだ。稼働していない方が原発事故を起こす確率・危険性は格段に小さくなるだろう。
そうした放射能汚染に備えるセクションがどの電力会社にもなければ、自衛隊のしかるべき部隊が出動するしかないだろう。民間企業が一般の委託清掃事業程度の認識で行うほど容易なものではないはずだ。生半可な知識で対処するには、放射能汚染は危険すぎる。「俺たちは便利屋か」とこぼすよりも、自衛隊が対放射能汚染対策装備として持てるだけの装備を投入して、国民のために除染活動に刻苦精励して頂きたい。