福一原発事故にも懲りない推進派に常識があるのか。

  実は福島市大波地区産のコメがセシウム汚染の基準値を超えていた、と福島県の発表があったばかりだ。これまで安全だとしていた当局の発表は何だったのだろうか。そして安全だとして流通した福島県産のコメは何処へ行ったか、追跡して調査できるのだろうか。それともセシウム汚染米は「汚染されている」と発表された福島市大波地域のモノだけで、他の地域のモノは本当に大丈夫だったのだろうか。


 おざなりの安全宣言と後の取り消しにはうんざりするが、国民の健康と命がかかっているセシウム汚染食品について当局は過敏といわれるほど注意を払うべきだろう。


 


 この国の国土は広範に放射能によって汚染された。国家の安全として「防衛と食料とエネルギー」を三大要素にあげるのは間違っていないだろう。つまり国民の命と財産を守るのを存在の第一使命とする国家が担う責任とはそういうことだ。


 しかしエネルギーの必要性から国民の「生命と財産」を危機にさらすのが正しい選択だろうか。防衛に関しても、原発に照準を定めた長距離ミサイルを発射すれば現在の米国製ミサイル防衛システムでは防ぎようはない。ニギニギしく装備している兵器や軍も通常戦において有効なだけで、特殊攻撃には無意味な存在だ。


 


 国民の命を守るのが国家の最優先事項であって、多少の危険性が潜在していてもエネルギー確保に原発が必要だという議論は内容が主客転倒している。国家が取組むべきは自然エネルギー開発であり、原発は順次停止して廃炉とすべきもので、その決意のもとに国家は電力事業の自由化と自然エネルギー開発に全力を挙げなければならない。


 いかに電力利権構造体が「原発マネー」で誘惑して来ようと、原発必要論を断固として撥ね付けなければ、この国土を子孫に健全なまま引き継ぐことは出来ない。日本の国家を我ら一代限りで終わりにしてはならないのだ。福井県や新潟県の原発が放射能事故を起こせばその風下に当たる広範な地域が放射能汚染の甚大な被害を受ける。関東圏や関西圏が放射能汚染されそこに暮らす人たちが放射能被害を受けあらゆる機関が機能を失って、この国の存続があるとは思えない。


 


 日本列島が放射能汚染列島になるのは極めて現実的な話だ。それを事前に防ぐのが日本政府の使命だ。原発再稼働を決して許してはならない。一義的使命として国民の命を守るのが政治家の仕事だ。そして未来に渡って安全な国家を維持しなければならない。その立場に立たない「実利主義的」発想はすべてまやかしに過ぎないとして排除すべきだ。



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