国民は等しく痛みを分かち合っているのか。

  災害復興増税を民・自・公で合意したようだ。デフレ経済下の増税という何ともバカバカしい政策決定をしたものだ。国民経済の在り方すら無視した官僚主導の政治に絶望すら感じる。大震災の被害に遭った人たちの痛みを広く国民に与えるつもりなら、それなりに適切な政策かも知れないが、増税を実行する前にやるべきことはなかったのだろうか。


 


 行政改革はお題目のように各政党が政権構想で唱えながら、政権に就くといつの間にかサッパリと消え去ってしまうようだ。今回は民主党政権としてキッチリと実行するのかと期待していたが、事業仕分けのパフォーマンスでお茶を濁して終わるようだ。国家公務員給与の削減も公約の2割の半分もいかない7.8%だったし「離れ」や「別荘」の廃止も遅々として進んでいない。


 


 根本的な改革になるはずの「歳入庁」構想も議論しているのかいないのか、改革の息吹は少しも伝わって来ない。民主党は2009マニフェストを策定した小沢氏を座敷牢に閉じ込めて、政権獲得に汗を流さなかった連中が大きな顔をして好き勝手なことをやっているとしか思えない。TPPにしても「自由貿易」は決して否定しないが、米国流の「自由」には徹底して反対する。派遣業法の規制緩和がこの国に何をもたらしたかを見れば、規制緩和が改革の錦の御旗でないことは明らかだ。


 


 この国にはこの国のやり方がある。この国の中で改革すべき事柄はたくさんあり、それは国民の選択の自由に委ねられている。嘉永6年の黒船に驚いて安政時代に米国と結んだ不平等な通商条約でもあるまいに、黒船の外圧にこの国の改革を委ねるのは危険だ。欧米がかつてのアジアに何をしてきたのかを見れば、彼らが善意の第三者ではなく、隙あらば権益を確保しようとしている連中だと歴史から学ばなければならないだろう。拙速は禍根を残す、を肝に銘じて外交は慎重に行うべきだ。


 


 この国でなすべきことは増税ではなく、あらゆる公務員給与を民間並みにすることだ。いや給与だけではない、共済年金も民間並みにすることだ。そうすれば増税などは必要なく、歳出構造の改革も大幅に進むだろう。


 特殊法人や各省庁の外郭団体は公的会計システムを複式簿記にして総額主義の原則で、連結決算を行うべきだ。そうすれば一枚の会計報告書にすべてが明らかになるだろう。官僚たちは嫌うだろうが、そうしなければこの国の公共事業の限界がいつまでたっても国民に分からない。既に限界点を超えているかも知れないのに次々と新しい橋や建物を造り続け、耐用年数を過ぎた橋や建物が次々と崩落する時代を迎えかねない。社会インフラは一度造れば維持・管理しなければたちまち役に立たないお荷物になりかねない代物だという認識を持たなければならない。


 


 抜本的な改革なしに、この国の諸制度に継ぎ接ぎを当てて何とか誤魔化してきたが、既に限界を超えている。官僚たちは今手にしている安逸を貪るのではなく、国民とともに痛みを分かち合うべきだ。



このブログの人気の投稿

それでも「レジ袋追放」は必要か。

麻生財務相のバカさ加減。

無能・無策の安倍氏よ、退陣すべきではないか。

経団連の親中派は日本を滅ぼす売国奴だ。

福一原発をスーツで訪れた安倍氏の非常識。

全国知事会を欠席した知事は

安倍氏は新型コロナウィルスの何を「隠蔽」しているのか。

自殺した担当者の遺言(破棄したはずの改竄前の公文書)が出て来たゾ。

安倍ヨイショの亡国評論家たち。