TPP参加には米国離れを覚悟して臨むことだ。

  何もかも米国に頼らなければ日本は一日として持たないような議論がある。日米同盟頼りの防衛然り、そして今回のTPP推進派の議論然りだ。しかし二国の国益が絶えず一致することはあり得ない。事実、日本は何度も米国から理不尽な煮え湯を飲まされ、不合理な譲歩を迫られてきた。プラザ合意による円高誘導は米国内産業保護からもたらされた要請だったし、貿易摩擦と称する米国内自動車産業界からの不平等な要請だった。それ以前にも日米繊維交渉により、日本国内繊維産業は壊滅的打撃を余儀なくされた。


 


 米国は用心して付き合うべき危険な国だ。日本の大マスコミは中国の脅威を取り立てて煽り、日本国防衛に米国が欠かせない存在だとしているが、「米国の核の傘」理論がいかに高くついているかを日本国民は知らなければならない。そして、間接的な米国の占領政策の一環として日本に航空産業が育つことを未だに米国は制限している。日本が科学・技術の総力を挙げて航空産業に参入すれば安全にして省エネの優秀な航空機を製造して世界へ輸出できるのは目に見えている。それは軍需産業に関しても然りだ。日本が本格的に軍需産業に参入すれば世界のどの国にも負けない優秀な兵器を製造するだろう。


 


 いや、日本には武器輸出三原則がある、というバカなことをのたまう人がいるが、日本が武器を造らず輸出しなくても他の国がやっているから同じことだ。日本が造らなければそれだけ世界が平和になる、という理論は幻想に過ぎない。日本が軍需産業に参入することはそれだけ日本を他の国が侵略できなくなる。日本に侵略すると手痛い目にあう、と報せるために、米国頼りでない防衛力を日本は保持しなければならない。


 


 米国頼りである限り、日本を相手にしないで米国を相手に日本に影響力を及ぼす方が論理として簡明だ。米国はプラグマティズムの国だから、ある意味単細胞で単純だ。米国流の理論は薄紙のように意図が透けて見える。だから、中国は米国と対立関係を装いつつも、米国債保持や金融投資や貿易などで関係を深める。そうすれば日本に対して抑止が利くと分かっているからだ。事実、尖閣諸島に中国が進出しようと不審な挙動を取っても、米国は中国に直接的な抗議行動をとらない。ある意味傍観しているかのようだ。


 


 米国は米国の国益のために行動する。日本に軍を駐留させているのも日本に利用できる国富があるからだ。何も地理的な理由からだけではない、それが証拠にフィリピンからはすべての駐留軍が撤退したではないか。お荷物となるだけの国に対しては米国は軍を置かない。フィリピンは南シナ海を中国の脅威から本気で守るつもりなら絶対に外せない基地ポイントのはずだ。つまり、米国も「自由主義圏」を護るといいつつ、それを大義名分として国益の最大化を図っているに過ぎない。


 


 日本をいつまでも米国に凭れ掛かる状態のままにしておくことが日本の国益の最大化の途なのだろうか。いわば世界の「ジャイアン」状態の国におもね、このままのさばらせることが世界の安定に資する方途なのだろうか。日本の採るべき途はいつまでも米国のパシリであり続けることなのだろうか。そして政治家は米国のポチであり続けることが日本の生きる途なのだろうか。


 TPPは竹下政権が米国の意図にすり寄ったプラザ会議以上の危険な罠に思えてならないが、日本国民は米国の官僚と化した日本国官僚たちと、米国のポチ化した野田政権に委ねることになった。なんと腑抜けな国会議員たちだろうか。



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