TPP促進は松下政経塾の野望か。
米国市場で稼いできた電器産業経営者が創設した政治家養成塾だけのことはある。松下政経塾出身の政治家たちがこぞってTPP参加に前のめりなのを見ると頷かざるを得ない。そしてテレビのコメンテータたちが口を揃えて「自由貿易は国益だ」と頓珍漢なことをのたまう。
日本が貿易立国で日本の発展に自由貿易が必要なのは論を俟たない。そうした分かり切った幼稚なことでTPPに関して喧々諤々の議論をやっているのではない。どうしてテレビに登場するコメンテータたちはこうも揃って低能なのだろうか。それとも低能を装って国民に分かり切ったフレーズで共感を得ようと誘導しようとしているのだろうか。
自由貿易を推進するのに異論はない。ただしそれにはフェアな仕組みが確保されなければならない。相手国との紛争が生じた場合、何処で協議し裁定を下すのかが問題なのだ。これまで米国はすべて米国流のやり方を相手国に強い、相手国の主権を侵害する方法で米国の手法を相手国に無理強いしてきた。対カナダの自由貿易協定でカナダに輸出されたガソリンに健康を害する可能性のある添加物があったとしてカナダ政府が輸入を禁止したが米国企業に提訴されて負けた。
米国はロビィストに禿鷹投機家が入り込み、米国政府は禿鷹たちの意のままに動いている。世界の金融市場を舞台に米国禿鷹たちが何をやっているか、明らかだ。彼らは彼らの儲けになることだけしか興味はなく、結果として世界金融市場がどうなろうと知ったことではないのだ。何度も書いたことだが、経済界が2.5%の自動車関税を問題にするのなら、なぜ実質関税率30%を超える円高を問題にしないのだろうか。彼らの議論がマヤカシであることが、このことだけからでも明らかだ。