貿易の自由化は否定しないが、米国流のやり方は効果を見極める必要がある。

  賛成派はTPPに最初から参加してルール作りに加わるべきだといっていたが、既にルールは作られていて日本が11/10に参加しても日本の要請が通る環境にないということが政府筋から漏れてきた。なぜ国益に関わる重大事にも拘らず、日本の官僚たちは国民のみならず政治家たちに対して情報を開示しないのだろうか。いうまでもなく日本の官僚は日本国民の納付した税で暮らしているが、彼らは果たして日本国民の官僚なのかと疑いを抱く。


 


 TPPで懸念されるのは内外格差の大きい農業の問題だけではない。米国の投資家たちが日本の側に「貿易障壁がある」と思えば提訴できる仕組みになっているとされる、米国流の押し付けを警戒すべきだ。つまり自分たちの気に食わないことがあれば何でも提訴できるわけで、提訴を受け付ける機関は日本国内にあるのではなく、自分たちの土俵上にあるという。極端な例を言えば、契約書などが日本語なのはけしからんといえば英語で交渉しなければならず、彼らと話す者たちは英語を使うべきだとされても文句は言えないことになる。米国流の労働力の流動化と称して行った日本の派遣業法の大幅な改定が日本に何をもたらしたか、指摘するまでもないだろう。


 


 米国が日本に輸出すべき工業製品は何もない。既に製造業としては終わった国なのだ。残るのは金融と保険、企業買収などの株取引などに過ぎない。それと相手国の慣習を打ち砕く法律と社会の仕組みの変革を求める要求だけだろう。そうすると米国がTPPで日本に何を求めて来るのか自ずと知れるだろう。米国の禿鷹たちは日本の金融資本を貪ろうとしているに過ぎない。そのために日本社会の仕組みを変えて、自分たちのやり方で推し進めるために日本の国内法を改定することから始めるだろう。


 


 そして一番問題なのは乗ったバスを勝手に降りることは許されないということだ。前原氏がTPPに参加して国益に反するようなら下りれば良い、と発言して米国から叱責された。評論家にはTPP交渉に参加して日本にとって都合が悪ければ国会で条約批准決議をしなければ良いではないかと、いう人がいる。米国がそんな生半可な交渉を始めからするはずはない、彼らは必ず「批准しない場合のペナルティ」を決めてかかると思わなければならないし、そうした情報に関して官僚たちは当然承知しているはずだから、事前に開示しなければならない。


 


 米国との関係が悪化して困るのは日本ではなく、米国だ。米国にとって「都合の良い財布」は日本しかなく、今後とも米国債の引き受け国として日本は必要だ。ドル安を支える国際通貨として円は今からも今まで以上に必要だろう。そして時々日本の財務省が馬鹿げた「為替介入」して米国の禿鷹たちを太らせることも必要だろう。米国にこれほど奉仕する国は世界に日本しかないのだ。TPPに日本が加わらなければ、米国はTPPそのものの存在価値はゼロだといって良いだろう。つまりTPPは日本を米国の金融市場の土俵に引き摺り込むための方便に過ぎないからだ。日本は米国との二国間貿易協定にほぼ近いTPPに加入するまでもなく、国際的な自由貿易協定に加入している。その国際的な貿易体制を維持する方が日本にとって益が大きいだろう。日本の貿易相手国としては米国の比率は今後とも低下し続けるだろうし、将来を見据えるなら東南アジアやインド、更にはブラジルなどとの関係を親密化する方が遥かに重要ではないだろうか。


 日本には千数百年を超える文化の積み重ねがある。建国以来高々300年の若輩者に鼻面を引き回されるのもいい加減にしようではないか。



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