無理が通れば道理が引っ込むー軍事力を背景とした海洋進出を非難する。
< 東南アジア諸国連合(ASEAN)は29日、フィリピンの首都マニラで首脳会議を開いた。朝鮮半島情勢や中国が軍事化を進める南シナ海問題も含めた議長声明が発表される見通し。毎日新聞が入手した28日時点の声明案は、南シナ海問題に関し「一部首脳の深刻な懸念に留意する」とし、以前の声明案より表現が弱まった。 28日の声明案では、一部加盟国が中国との2国間関係を改善させていると指摘したうえで「開発や活動の活発化に対する一部首脳による深刻な懸念に留意する」と明記した。18日段階では「一部首脳による深刻な懸念を共有する」となっていた。「法的、外交的プロセスを最大限に尊重」との表現も削除された。 比外交筋によると、中国は議長国のフィリピンに、南シナ海問題に関する表現を抑えることや、中国の主張を退けた国連海洋法条約に基づく仲裁裁判所の判決に触れないことを求めていたという。 一方、首脳会議終了後の記者会見で、フィリピンのドゥテルテ大統領は朝鮮半島での緊張の高まりについて「ASEANは極めて懸念している」と述べ、北朝鮮や米国に自制を求めた>(以上「毎日新聞」より引用) 欧米諸国が軍事力を背景にして海洋進出を盛んに行ったのは前世紀半ばまでのことだ。アフリカやアジアや南米など世界各地には植民地を持って、現地住民を牛馬以下の扱いで搾取し、国家繁栄の礎とした。 それを真似ているのが中国とロシアだ。米国は前世紀さながらに海洋利権を手放さないで、防衛線などと称している。さすがに現地住民を使役に酷使することはないが、世界各地の石油利権に嘴を挟んでいる。 日本は先の大戦以後、米国に占領されたままだ。表向きはサンフランシスコ条約で独立を果たしているが、実態は首都圏だけを見ても、いつでも日本の主権を米軍によって制圧される状態にある。 中国はかつての清国の版図を中国だと強弁して、東北部やウィグル地区やチベットなどを軍事力で侵略している。その国家形態はまつしく前世紀の遺物そのものだ。ロシアも旧ソ連の版図を回復すべく近隣諸国に軍事的圧力を加え、蚕食している。そうした国々の脅威にさらされている北朝鮮が軍事力強化に走るのも必然的といえば必然的だ。 北朝鮮の核開発やミサイル開発は容認できないが、米国やロシアや中国のミサイルや確保域は容認できる、というのは「無理が通れば道理が引っ込む」の類では...