北朝鮮危機の現実的な解決策は
韓国紙「朝鮮日報」(10日付)は、現在韓国国内の情報誌の内容を引用し、「4月末までに、中国当局が金正恩委員長の亡命を説得する。説得が失敗に終われば、米国は先制攻撃を加える」と報じた。
在米中国問題専門家の石涛氏も、中国語ラジオ局「希望の声」の評論番組で同様の見解を述べた。
「金氏に対して圧力をかけ、自ら政権を離れて亡命するよう説得している可能性が高い。中国当局は過去、故ノロドム・シハヌークカンボジア国王を保護したことがある。金氏に対しても、例えば、マレーシアなど他の国に亡命させ、その後の面倒をすべてみるのは十分考えられる」と述べた。
石氏は、金正恩氏が他の国に亡命となれば、北朝鮮の金政権が崩壊し、韓国と統一していくとの見通しを示した。
いっぽう、金正恩氏は30歳前に最高指導者の立場につき、周辺幹部の粛清などで独裁体制を強めている。韓国の情報機関『国家安保戦略研究院』によると、2011~2015年までに金正恩政権は、100人以上の朝鮮労働党幹部を処刑している。金正恩氏が、亡命によりその地位を安易に放棄するかどうかは不明>(以上「Livedoor News」より引用)
現実的な選択として金正恩の亡命により、北朝鮮の軍事的脅威を取り除く、という解決方法がある。中国がそうした選択肢を金正恩に示して説得しているかは不明だが、そうしているとするニュースが出ているのは確かなようだ。
北朝鮮に米国が先制攻撃を加える事態になれば、最悪の事態として北朝鮮のミサイルが日本のみならず北京にも打ち込まれる可能性がある。もちろんソウルは長距離砲で壊滅するだろうし、北朝鮮国内の主要施設は灰燼に帰すだろう。
金正恩は海外留学していた経験があるようだが、いったい彼は留学先で何を学んだのだろうか。学問だけに限らず、欧州の自由な空気を吸い民主主義国家で国民の主権が守られている状況を自身の目で見て、自国をそのような自由な国にしようと気持ちを少しも抱かなかったのだろうか。
独裁者の地位を父親・金正日から継承したときに、金正日氏の取巻きたちにすっぽりと取巻かれて、金正恩氏は取巻き立ちの利権集団に好いように使われたのだろうか。狂気に憑りつかれたように叔父や異母兄までも粛清したのはそうした父親からの取巻き集団を破壊するためだったのだろうか。
しかし核開発とミサイル開発にしか生き延びる道を見出せなかった金正恩はやはり暗愚な独裁者だと断定するしかない。なぜ改革開放に舵を切り、国民に民主化の道程を示してその準備に着手しなかったのだろうか。
米国が先制攻撃に踏み切った場合の最悪のケースをこのブログで書いたが、金正恩の最悪のケースは米国が先制攻撃に踏み切ったとたんにクーデターにより側近により虐殺される場合もありうるだろう。安倍氏が提起した拉致被害者の調査などに関しても北朝鮮は日本との約束を一切守らなかった。もはや米国も中国も北朝鮮当局との対話による妥協策には一切乗らないだろう。
世界史を見ても独裁者の末路は亡命か虐殺による最後しかない。金正恩氏はいったいどちらを選ぶのだろうか。