北朝鮮の「危機」のさなかに世界漫遊に出掛ける安倍氏、本当に危機なのか。

<米太平洋軍のハリス司令官は26日、米下院軍事委員会公聴会で、北朝鮮に関して「米国は先制攻撃の様々な選択肢がある」と述べた。原子力空母カールビンソン率いる空母打撃群が沖縄東方を航行しており、北朝鮮を攻撃できる射程内に入ったことも明らかにした。

 ハリス司令官は、北朝鮮への先制攻撃の可能性を問われ、具体的な作戦計画についての言及を避けながら、先制攻撃の「様々な選択肢がある」と述べた。

 北朝鮮の反撃による南北朝鮮や米中間の紛争の可能性については「マネジメント可能なリスクだ」と発言。在韓米軍への被害について問われると「もし北朝鮮が核兵器(保有の)目標を達成すれば、大勢の韓国人や日本人も犠牲になる」とし、北朝鮮が本格的な核保有国になる前に対処すべきだとの考えを示した。

 ハリス氏は、空母について「カールビンソン空母打撃群は沖縄東方におり、北朝鮮への攻撃射程内にある。北方に航行を続ける」と語った。北朝鮮について「地域で最も切迫した脅威だ」とも強調。「米太平洋軍は今夜でも戦闘できるよう準備しなければならず、米本土と同盟国を防衛するため、あらゆる可能なステップを熟考する必要がある」と語った>(以上「朝日新聞」より引用)

 北朝鮮軍も米韓合同軍も軍事訓練を行って軍事的緊張を演出している。明日にでも戦争がはじまりそうな演出だが、所詮は「戦争ごっこ」の域を出ていない。本当に開戦するつもりなら後方支援部隊も含めてそれ相応の配置につかなければ戦争遂行は不可能だ。
 しかし「戦争ごっこ」が危険な火遊びであることに変わりない。そこへ「カールビンソン」が加わるべく現在は沖縄近海を北上している、という。不測な事態が起こりうる要因がまた一つ増えることになる。

 しかし繰り返すようだが北朝鮮側からは開戦する動機がない。あるとすれば対北石油の95%を輸入している中国が「禁輸」を行えば、かつての日本と同じ事態に陥ることだ。戦前の日本は石油の輸入の90%を米国に頼っていた。それを米国の「禁輸措置」により止められ、日本は半年で石油の備蓄が底をつくことから開戦に踏み切った過去がある。
 経済制裁で締め上げるにしても一定の限度があることを銘記すべきだ。北朝鮮の暴発を招いては何にもならない。ただ北朝鮮の独裁者にとって現在の周囲を敵に囲まれた状況が「嬉しい」歓迎すべき状況であることを理解すべきだ。北朝鮮国民が周囲を敵に囲まれて北朝鮮軍と独裁者に頼るしかない、と思うことが独裁者にとって安楽な状況なのだ。

 しかし本当に軍事衝突するような危機が北朝鮮にあるのだろうか。あるのなら安倍氏がこの月末にロシアとイギリスを巡る世界漫遊に出掛けるのは理解できない。自衛隊の最高責任者が日本を留守にすることは日本の周辺に戦争の危機がない証明だ。
 あるいは陽動作戦で、日本の首相が留守の間に日本国内の米軍基地から「斬首作戦」の特殊部隊やステルス戦闘機が飛び立つのだろうか。そうだとすれば日本は主権国家を放棄したことになる。安倍氏はトランプ氏の手駒の一人になっていることに他ならない。

 いかに安倍氏が日本国民を裏切って米国の1%に奉仕する「売国奴」だとしても、独立国家の矜持を捨ててまで米国の1%に尽くすことはあり得ないだろう。それは彼の名を「売国奴」として世界史に刻むことになるからだ。
 米国が北朝鮮の核攻撃の射程範囲に入る、という危機感から過敏になっているが、それは日本の危機とは直接なんら関係がない。ノドンが日本列島を飛び越えた日から、日本は北朝鮮の軍事的脅威にさらされている。当時、米国は日本が北朝鮮のミサイル攻撃の射程に入ったことにどれほどの危機感を抱いたというのだろうか。なにが「同盟国」だ、チャクチャラおかしい。

 本当の日本の危機は北朝鮮ではない。官僚組織と政府が深く「忖度」しあった森友や加計の闇を放置する方が政治的危機というべきだ。安倍氏は北朝鮮の危機を「千載一遇の好機」だと欣喜雀躍したというが、まさしくそうだろう。
 マスメディアが報道の主眼を学園疑惑から北朝鮮へと移して、頻りと北朝鮮の危機を煽り立てた。その割には日本政府が北朝鮮にいかなる交渉も実施していない、蚊帳の外の状態に甘んじていることを批判しないのも不可思議なことだ。

 日本国民の生命に関わる周辺諸国の動きに対して、日本政府が無力とはいかがなものだろうか。そしてトランプ氏の強硬姿勢を「100%支持する」と繰り返す無能さには呆れ果てる。なぜ「ICBM開発は米国の危機であっても日本の危機ではない」と突っ返さないのだろうか。
 日本が主権国家であり、安倍氏が日本の主権を尊重する首相なら北朝鮮への攻撃に日本国内の米軍基地使用は「日米安保条約」を逸脱するものだ、と釘を刺しておくべきだ。

 今の「作られた」北朝鮮の危機は米国本土防衛のための危機であって、極東を軍事的な緊張に陥れているのは米国のご都合主義以外の何物でもない。日本に対する北朝鮮の危機はとうの昔から始まっている。日本国民の生命を守るのが日本政府の使命だと繰り返す安倍氏は拉致被害者救出に、この五年間に一体何をしてきたというのだろうか。これほど無能で無力な日本の首相を私は知らない。


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