無理が通れば道理が引っ込むー軍事力を背景とした海洋進出を非難する。
28日の声明案では、一部加盟国が中国との2国間関係を改善させていると指摘したうえで「開発や活動の活発化に対する一部首脳による深刻な懸念に留意する」と明記した。18日段階では「一部首脳による深刻な懸念を共有する」となっていた。「法的、外交的プロセスを最大限に尊重」との表現も削除された。
比外交筋によると、中国は議長国のフィリピンに、南シナ海問題に関する表現を抑えることや、中国の主張を退けた国連海洋法条約に基づく仲裁裁判所の判決に触れないことを求めていたという。
一方、首脳会議終了後の記者会見で、フィリピンのドゥテルテ大統領は朝鮮半島での緊張の高まりについて「ASEANは極めて懸念している」と述べ、北朝鮮や米国に自制を求めた>(以上「毎日新聞」より引用)
欧米諸国が軍事力を背景にして海洋進出を盛んに行ったのは前世紀半ばまでのことだ。アフリカやアジアや南米など世界各地には植民地を持って、現地住民を牛馬以下の扱いで搾取し、国家繁栄の礎とした。
それを真似ているのが中国とロシアだ。米国は前世紀さながらに海洋利権を手放さないで、防衛線などと称している。さすがに現地住民を使役に酷使することはないが、世界各地の石油利権に嘴を挟んでいる。
日本は先の大戦以後、米国に占領されたままだ。表向きはサンフランシスコ条約で独立を果たしているが、実態は首都圏だけを見ても、いつでも日本の主権を米軍によって制圧される状態にある。
中国はかつての清国の版図を中国だと強弁して、東北部やウィグル地区やチベットなどを軍事力で侵略している。その国家形態はまつしく前世紀の遺物そのものだ。ロシアも旧ソ連の版図を回復すべく近隣諸国に軍事的圧力を加え、蚕食している。そうした国々の脅威にさらされている北朝鮮が軍事力強化に走るのも必然的といえば必然的だ。
北朝鮮の核開発やミサイル開発は容認できないが、米国やロシアや中国のミサイルや確保域は容認できる、というのは「無理が通れば道理が引っ込む」の類ではないだろうか。北朝鮮に経済制裁を課すのなら、すべての核保有国やICBM保有国に対しても経済制裁を課すべきだ。
被爆国日本は日本の経済援助対象国から核保有国のすべてを排除すべきだ。なぜなら核保有国は世界人類の生存を脅かす存在でしかないからだ。
米国のように同盟国の横暴は容認するが、敵対する国に対しては主権を無視してでも攻撃を加える、というのは自己都合に過ぎる。世界警察でも何でもない、たんなるドラえもんに登場するジャイアンでしかない。
ドラえもんに例えるなら日本はのび太だ。決して出来る君ではない。ただ現実世界にドラえもんはいないから米国のジャイアンにおもねるしかない。
日本を客観的に見るなら、これほど嫌な国はないだろう。反日マスメディアに揺さぶられても毅然と反論しなかったばかりに、反日国家の日本攻撃の材料にされている、という滑稽さに日本のイヤラシさが表れている。
そして北朝鮮危機を煽り立てる日本政府とマスメディアは米国の尻馬に乗って騒いでいるだけだ。その立居振舞いはイヤラシい日本政府の面目躍如、というところだ。
なぜ安倍自公政府要人はこれまで一度として北朝鮮を訪れていないのだろうか。安倍氏は自分の内閣で拉致問題を解決する、と豪語して五年も経つ。
口先だけなら何とでも言える。アベノミクスも口先だけの中身空っぽ政策だった。経済特区構想は加計学園で有効に利用されただけだ。
もはやボロボロだが、死に花を咲かす潔さが安倍氏にあるなら、北朝鮮へ行って金正恩氏と会見すべきだ。「無理を通せば道理が引っ込む」と金正恩氏に説くべきだ。そうした気概が安倍氏にあるとは思えないが、ないものねだりをしてみたくなる。