同床異夢の中印と習近平氏の健康問題。
<中国とインドは協力するパートナーであり、ライバルではない――。中国国営通信の新華社など中国の主要メディアは12日のインド・ニューデリーでの中印首脳会談後、一斉に中印の「パートナー」関係を強調する記事や論評を掲げた。7年ぶりにインドを訪問した中国国家主席の習近平(シー・ジンピン)の積極的で前向きな発言を取り上げたのだ。 ◇習氏が強調した「パートナー」関係を無視 だが、インド側の様子が何かおかしい。インド外交当局による公式発表では、中印関係に関して習が主張した「パートナーであり、ライバルではない」という大事なキーワードが見当たらない。 1年前、インド首相のモディが7年ぶりに訪中して習と会談した後、インド側も公式発表で強調していた肝となるフレーズを今回はあえて削った。習の主張を事実上、無視して素通りした以上、ホスト役のモディ側にもそれなりの覚悟があったはずだ。 今回、インド側は関係発展には国境の安定が不可欠とくぎを刺し、対中貿易赤字の拡大を念頭に構造的な貿易不均衡という問題にもしっかり触れている。中国側の姿勢とは微妙なズレがある。国境問題で鋭く対立してきた中印だけに、溝が残っているのは理解できる。 ところが、さらなる臆測を世界に広げたのは習の行動だった。現地時間12日午後の中印首脳会談後、開かれたBRICS首脳会議の格式の高い公式晩餐(ばんさん)会を欠席したのだ。モディが主催し、ロシア大統領のプーチンらも出席した首脳会議を彩る「ガラディナー」だ。 中国側から欠席理由に関する公式説明はない。習は最近、外国訪問が続いており、疲労や体調不良があったため宿舎のホテルに戻って休息をとったのか。それとも中印首脳会談でのモディの姿勢や、インド側がパートナー関係を強調しなかった点に強い不満があったのか。真相はやぶの中である。 中印両国は2020年、国境地帯の係争地ラダック地方のガルワン渓谷で両軍が衝突して多数の死者を出した後、関係が極度に悪化した。BRICS首脳会議を利用する7年ぶりの習訪印に至る動きには、見えにくい裏事情がある。米大統領のトランプを抜きに最近の中印の緊張緩和を語ることはできない。 そもそもトランプとモディは「真の友」と呼び合うほど個人的に関係が良かった。だが、それはもろくも崩れ去る。きっかけはインドとパキスタンが武力衝突した後、停戦で合意した経緯を巡る問...