BRICSは国際的な活動で中国の僕(しもべ)となるのか。

<中国、ロシア、インドなど主要新興国でつくるBRICSの首脳会議が12日、インドの首都ニューデリーで開幕した。

 共同声明では、米国・イスラエルとイランの戦争による中東での緊張の高まりに対し「深い懸念」を表明し、「最大限の自制」を呼びかけた。 インドのナレンドラ・モディ首相が議長を務める会議には、中国の習近平国家主席、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領、イランのマスード・ペゼシュキアン大統領らが出席した。 
 同日発表した共同声明では「中東・西アジアにおける緊張の継続的な高まりに深い懸念を表明する」と強調した。 その上で、「最大限の自制を求めるとともに、状況をさらに悪化させる可能性のある行動を避けるよう呼びかける」とした。 
 中国の新華社によると、習氏は12日、米国・イスラエルとイランの軍事衝突が「地域全体の人々に深刻な損失をもたらしている」と述べ、「それは国際社会の共通の利益にならない」と主張した>(以上「AFP」より引用)




BRICS首脳、中東情勢に「深い懸念」表明、「最大限の自制」呼びかけ」との見出しに「綺麗事ばかり並べたてても意味ないゾ」と思わざるを得ない。中東情勢を悪化させ、それを長引かせているのは中国やロシアではないか。両国のイラン支援がなければ、既にイラン革命政権は瓦解していたはずだ。
 また中国やインドがロシア原油を爆買いしなかったなら、ロシアはウクライナ戦争で国家資産をすべて使い果たしてガス欠状態に陥り、戦争停戦凝議するまでもなくウクライナに進軍したロシア軍は継戦能力を喪失して停戦せざるを得なくなっていたはずだ。

 現在もフーシ派がサウジアラビアの東西パイプラインを爆破して使用不能にしているが、それもイラン革命政権の支援があればこその攻撃だ。口先で「平和」を唱え、国際社会の共通の利益などと宣っているが、ロシアや中国との共通の利益などあろうはずがない。ロシアや中国は隣国を侵略するのを国是としといる。そのような侵略こそ国家最大の利益としている国と「利益」を共有することなど不可能だ。
 BRICSは欧米(G7)主導の国際秩序に対抗する「グローバルサウス」の強力な受け皿・プラットフォームとして、2009年の初開催から20年近くにわたり、経済、金融、外交の各分野で成果を上げてきた。当初5カ国(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)発足してから、エジプト、エチオピア、イラン、UAE、サウジアラビア、そしてインドネシアらが相次いで正式加盟した。それにより加盟国全体の購買力平価(PPP)ベースのGDPは、すでにG7(先進7カ国)の合計を上回る規模に達している。

 それにより 世界銀行やIMF(国際通貨基金)といった欧米主導の金融機関に対抗し、途上国のインフラ開発を支援する独自の「国際開発銀行」を2015年に設立して、「脱ドル化」と現地通貨決済を推進している。また 米ドルの覇権や欧米主導の経済制裁を回避するため、域内貿易における現地通貨建て決済や、独自の越境決済システム(BRICS決済タスクフォースなど)の構築を具体的に進めている。
  2026年9月のニューデリー首脳会議では、対立関係にあるイランとUAEが同じ席につき、中東情勢に対する「最大限の自制」や「世界貿易・サプライチェーンの円滑な流れ」を明記した「ニューデリー宣言」を全会一致で採択したの大きな成果と云える。
  BRICSが経済連携主体の枠組みから一歩踏み出し、南アフリカ沖などでBRICS初の合同軍事演習を実施するなど、安全保障面での連携も見せ始めている。さらに 中国の主導により、LLM(大規模言語モデル)の開発や人材育成を支える「BRICSオープンソースAIプラットフォーム」の構築を提案するなど、先端技術のルール形成でも途上国の発言力を高める動きを強めていることも見逃せない。
 これからBRICSは「反欧米」を原動力として活動をさらに左傾化していくのか。ただそうした国々(ロシア・中国・イランなど)と、「非同盟・中立」を保ちたい国々(インドやインドネシアなど)を内包しているため、一気に左傾化するとも思えない。しかし、「欧米だけに世界の主導権を握らせない」という多極化のシンボルとして、国際社会での存在感を決定づけたこと自体が最大の成果と云えなくもない。

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