韓国を相手に如何なる信頼関係や協調関係が築けるというのか。
< ◇EUで下火になった北アイルランド問題 兪炳匡:おそらく私以外に提言している人がいない、非常にオリジナルなアイディアとして、朝鮮半島の統一の前段階として、日韓連携を提言したいと思います。現在の国連よりも有効な「世界政府」の実現に、日韓両国が貢献するための「最初の行程」が、日韓連携の実現です。 この「行程」を詳細に説明すると、まずは日韓で連携し、次に東南アジア諸国連合(ASEAN)と連携します。なぜならASEANも、日韓と同様に、米中という2大国の狭間に位置しているからです。 日韓プラスASEANの連携も、国力が強すぎる中国への対応策です。したがって、中国との連携は、ASEANとの連携よりも後、世界政府実現の手前あたりが現実的かと思います。 そして、連携済みの日韓が、ASEANと同時期に北朝鮮とも連携し、EUに相当する東アジア・東南アジア共同体の枠組みの中で、朝鮮半島の「部分的さらには事実上」の統一を段階的に実現するのが私のアイディアです。 「部分的さらには事実上」の統一には、朝鮮戦争の「終戦宣言」、人々の自由な往来、そして共通の通貨という3つの段階の目標があります。 これら3段階の目標の先行モデルはEUです。つまり、これらの3段階の目標を、北朝鮮と韓国の2国間で実現するのではなく、北朝鮮と「韓国を含む東アジア・東南アジア共同体」の間で実現することを目指すのです。EUで成功した先例として、英国で長らく最大の内政問題だった北アイルランド問題が大幅に改善したケースを挙げたいと思います。 ◇アイルランドの国境を消した「移動の自由」 歴史的な経緯から説明すると、1922年にアイルランドが英国から独立した際、プロテスタント系住民が多数を占めるアイルランド北部の6州は「北アイルランド」として英国(連合王国)に残留しました。 この北アイルランドに少数派として住むカトリック系住民は、アイルランドへの帰属(統一)を望み、1960年代後半から、プロテスタント系武装組織や英国の治安部隊との衝突が深刻になりました。 とりわけ、カトリック系の暫定アイルランド共和軍(PIRA/IRA)は、北アイルランドだけでなく、英国の首都ロンドンで爆弾テロを行い、その対象はロンドンの地下鉄、商業施設だけでなく首相官邸にまで及びました。この時代のIRAを背景にした1992年の英国映画『クライン...