若くして赤州から当選した若い議員が民主党のニューリーダーになれば、中国のロビィストが工作する時間がないため、極めてニュートラルな外交が期待できるのではないだろうか。

<トランプ米大統領は4日、中間選挙で上下両院を制した野党民主党との協力姿勢を示しつつ「気に入らなければ拒否権を発動する」とけん制した。民主党上院トップ、シューマー院内総務は4日「イランとの戦争を終わらせる」と述べ、議会の調査権限により政権監視を強化する方針を示した。米メディアによると、トランプ氏は、対イラン作戦を主導してきたヘグセス国防長官を交代させることを検討。政権内の不協和音が表面化した。

 シューマー氏はワシントンで記者会見し、トランプ氏が民意や法律に背けば「調査して法廷に引きずり出す」と警告。民主党下院トップのジェフリーズ院内総務も政治を「劇的に転換する」と宣言した。
 トランプ氏はホワイトハウスで記者団に対し「何の理由もなしに弾劾しようとすれば、民主党は破壊される」と述べ、来年1月招集の新議会で、民主党が下院で弾劾訴追決議案の可決に動くことに警戒感を示した。米メディアによると、共和党のジョンソン下院議長は敗北を受け、新議会で党トップに留任しない意向を示している>(以上「共同通信」より引用)




「トランプ氏、拒否権でけん制 大勝民主党、監視を強化」との見出しにあるように、トランプ・共和党は上下院とも地滑り的な大敗を喫した。これによりトランプ氏は国内政治に関してレームダック状態が確実になった。むしろ連邦議会により大統領弾劾裁判が提訴される可能性が高まった。
 外交に関しては大統領の専権事項が多いため大きな変化があるとは思えないが、イラン攻撃に関する予算措置が反対されるだろうから、大規模作戦は不可能になった。ただトランプ関税が緩和される可能性が高まり、日本にとっては朗報だ。

 しかし民主党は歴史的にグローバリズムを信奉しているため、高市政権にとっては米国の対中政策が変更される可能性が高く、予断は許されない。だが民主党内に強力なリーダーが不在で、そこに中国ロビィストが入り込む隙が否定できない。またジェンダーフリーやCO2地球温暖化やSDGsなどを推進してきた活動家が息を吹き返す危険性もある。
 さらに移民推進や労働分配率引き下げ、さらには金融主導の経済政策も民主党の政策だった。元来、民主党は新市場原理主義を信奉していて、小さな政府を指向している。ただし、社会保障ではオバマケアを導入しようとして失敗した例がある。

 今後二年間で用心すべきはトランプ氏が独断でレガシー作りに乗り出して、 外交へのシフトと独自の成果追求を行いはしないかという点だ。大統領は自身の裁量権が大きい外交・安全保障分野で成果をアピールしようと躍起になる可能性が高い。現在でもトランプ氏はロシア、中国、北朝鮮などの首脳と直接会談を行うなど、独自の和平交渉や取引(ディール)を強引に進める危険性が高い。
 ただ人事や予算で議会からブレーキをかけられるだろうから、今後は主要人事や戦争遂行のための予算を議会で承認されないなど、野党との対立が激化することも予想される。そうした 議会との対立を抱える中、貿易・関税交渉や在日米軍駐留経費、防衛費の引き上げなどにおいて、同盟国に対してより強い譲歩や負担を求めてくる懸念がある。

 日本政府としてはトランプ氏の頭越しの中国との交渉リスクがあることも想定しておき必要がある。 米国と対立・交渉する中国とのディールが、日本の安全保障上の利益や東アジアの抑止力に思わぬ影響を及ぼす(いわゆる頭越し外交の懸念)として、周辺国が警戒を強めるケースがあることも充分に考慮しておくべきだ。
 手負いの野獣を野に放つのと同様の危険性が米国に生じた。それは決して良い結果にならないだろう。連邦議会の大統領権力への牽制が働くことを期待しなければならないが、同時に民主党は歴史的に「新中」だったことを忘れてはならない。しかし若くして赤州から当選した若い議員が民主党のニューリーダーになれば、中国のロビィストが工作する時間がないため、極めてニュートラルな外交が期待できるのではないだろうか。

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