耳障りの良い「多文化共生」と云った言葉に惑わされず、私たちは外国人移民の実態を冷徹に見つめる必要がある。
<免許の更新停止に強制送還。川口のクルド人が減り、彼らが支える解体業界が悲鳴を上げている。空き家を壊せなくなってしまう日が近い。
◇「関東一帯の解体業は回らなくなる」
ドドドドドドド……。
9月下旬、埼玉県郊外の住宅街。小雨が降りしきる中、油圧ショベルの地鳴りのような轟音が響きわたる。重機の先端に取り付けられたカッターが、一軒家のコンクリートの壁をくわえ込むと、もろく崩れ落ちていく。舞い上がる粉塵の中、作業着姿の男たちはクルド語で声をかけあいながら、足元にたまる瓦礫を手際よく運び出していった―。
②解体工事業登録対象の場合は 1件の請負金額が500万円(税込)未満の解体工事のみを行う業者は 工事を行う都道府県ごとに知事への登録が必要となる。すでに上記の「建設業許可」を持っている場合は登録不要。
また、産業廃棄物収集運搬業許可解体で出たコンクリートくずや木材などの産業廃棄物を、自社トラック等で処分場まで運搬・処理を請け負う場合にも許認可が必要。(※下請けとして他社の廃棄物を運ぶ場合に原則必要)。
そして 実際に解体工事を行う際や、許認可の要件として技術管理者(解体工事業登録の場合) または解体に際して高さ5メートル以上の足場の組立て・解体作業を行う場合は 営業所技術者・主任技術者(建設業許可の場合)一定の実務経験や国家資格(解体工事施工技士、建築士、土木施工管理技士など)を持った人材の配置が義務付けられている。さらにアスベストの事前調査や除去作業を行う場合には石綿(アスベスト)作業主任者 および 建築物石綿含有建材調査者必要。 解体に際して 重機等の運転資格油圧ショベルやブルドーザーなどの重機を操作する場合に建設機械施工技師 が必要。
◇「関東一帯の解体業は回らなくなる」
ドドドドドドド……。
9月下旬、埼玉県郊外の住宅街。小雨が降りしきる中、油圧ショベルの地鳴りのような轟音が響きわたる。重機の先端に取り付けられたカッターが、一軒家のコンクリートの壁をくわえ込むと、もろく崩れ落ちていく。舞い上がる粉塵の中、作業着姿の男たちはクルド語で声をかけあいながら、足元にたまる瓦礫を手際よく運び出していった―。
埼玉県の川口市や蕨市には、約200もの「クルド系」解体会社が密集している。日本に暮らすクルド人の多くが従事しているのが、この解体業だ。ところが、この光景が、いま消え去ろうとしている。
「じつは、クルド人解体工の人手不足が深刻化しているのです。昨年10月から、ビザ(在留資格の俗称)を持っていないと運転免許が更新できなくなりました。この影響で、今年は過去一のペースでクルド人が自主帰国しています。
我々は、ビルやマンションに比べて報酬が低い一軒家の解体も引き受けることから、業界内では『最後の砦』と呼ばれていました。我々がいなくなれば関東一帯の解体業は回らなくなる。今回のルール改正は、国が現状を分かっていないとしか思えません」
解体会社を営むクルド人のエルバンさん(仮名、40代)は、同県内の自宅でこう語った。
◇政府は強制送還を加速
事の発端は、昨年10月の「道路交通法施行規則」の改正にさかのぼる。この新規則により、在留資格がなく住民票を持たない外国人は、運転免許の更新ができなくなった。
日本人と結婚したり、子どもが日本の大学に合格したりして在留資格を得て暮らすクルド人がいる一方、難民申請が認められず、入管(出入国在留管理庁)への収容を一時的に免れる「仮放免」の状態で暮らす人も少なくない。仮放免の状態で暮らす多くのクルド人が、新規制による規制の対象となった。
仮放免は在留資格を得た状態ではなく、入管法上は「非正規滞在」にあたる。政府は'25年5月から強制送還を加速させる「不法滞在者ゼロプラン」を進めており、同年には仮放免者を含む外国人計7563人が送還されている。
◇300人以上のクルド人が「自主帰国」
取り締まりが強まる中、クルド人はどうなっているのか。日本クルド文化協会の事務局長を務めるワッカス・チョーラク氏はこう明かす。
「私が把握しているかぎりでも、今年はすでに300人以上のクルド人が自主帰国しています。仮放免の方は統計に表れないので正式なデータはありませんが、去年は一年間で100人程度だったので、今年はその3倍以上に増えていることになります。
仮放免の方にとって、運転免許はすごく大事なIDでした。身分を証明できる唯一のツールだったのです。
またクルド人は、駅から離れた場所に住んでいる方が多いので車は欠かせません。運転免許を失ったことで、以前のようにスーパーに行ったり、子どもを病院に連れて行ったりできなくなりました」
クルド人が数多く住む川口市だが、いまは減少傾向にある。住民票のあるトルコ国籍(クルド人の大半がトルコ国籍を持つ)の市民は、'25年6月の1439人から、今年9月には1091人に減った。在日クルド人に詳しい関係者は「数年前までは仮放免者を含めて約2000〜3000人と推定されていたが、今はその半分程度しか住んでいないのではないか」と話す。
◇廃業する会社も出てきている
影響は子どもにも及ぶ。クルド人の少年が多く在籍するサッカーチーム「FCクルド」は、活動休止を余儀なくされている。メティン・アルスランボーガン監督は言う。
「発足当初は計65人が在籍していましたが、今はその半分です。強制送還や自主帰国でメンバーが減りました。子どもたちはみんなストレスを抱えています」
強制送還に怯え、運転免許も更新できない。そうした中で進むクルド人の減少に、解体の現場はすでに悲鳴を上げている。前出のエルバンさんは、苦しい胸の内を明かす。
「すでに他社では人手不足の影響は出ています。今の仕事量が保てなくなり、元請け業者から下りてくる仕事を断ることも増えました。また、従業員がいなくなり廃業したりする会社も出てきています。この調子だと今年か来年の頭には、多くの解体業者がボンボン潰れていくと思います」
◇クルド人が去り、土地の価格が下がるワケ
労働力不足に悩む解体業界においてクルド人の存在は欠かせない。報酬が安くても仕事を引き受け、作業も早いからだ。一部業者による不法投棄など、地域との摩擦が指摘されてきたのも事実だが、施主にとってはありがたい存在として受け止められてきた。
「いまは人手不足を食い止めようと、一部の解体業者では『特定技能』の外国人の受け入れを進めています。ただ初期費用もかかるし、受け入れ人数も厳しく管理されるので、彼らだけで穴が埋まるとは考えられません」(解体会社を営むクルド人のエルバンさん・仮名・40代)
エルバンさんが冒頭で説明した「最後の砦」という言葉が、ここで重みを増す。空き家は全国で約900万戸と過去最多に達し、'40年ごろには約2000万戸に迫るとの予測もある。放置された空き家の多くは一戸建てだ。その解体を低い報酬で引き受けてきたのが、クルド人業者だった。
◇「経済的損失は必ず出てくる」
大手ハウスメーカーから解体工事を受注し、クルド人の解体業者に発注している元請け会社の社長はこう嘆く。
「まず確実に解体費用は上がると思います。要はクルド人の解体業者が減ることで、解体の需要に対して、供給が間に合わない状況が生まれる。そうなると下請け業者への報酬も引き上げるしかないので、今と同じ値段ではできなくなります。これはあくまで予想ですが、5年も経たないうちに解体費用は倍以上に膨れ上がると思います。
解体費用が上がれば、そのぶん土地の価値は下がっていきます。たとえば、更地なら1000万円で売れる土地に空き家が建っているとします。これまでは解体に200万円かかっていたので、実質の価値は800万円。それが今後、解体に500万円かかるとなれば、土地の価値は500万円に下がるわけです。クルド人が減ることによる経済的損失は必ず出てくると思います」
前出のエルバンさんは、「今後、私たちクルド人がいなくなったら『家を壊したくても壊せない日』がやってくるかもしれません」と漏らした>(以上「週刊現代」より引用)
「【埼玉・川口クルド人減少】解体業への深刻な影響 元請け会社社長が衝撃予想「5年以内に解体費用は倍以上に膨れ上がる」」と題して木倉谷 正之(ジャーナリスト)氏がクルド人が去り始めた川口市の近況を報告している。移民の町・川口市からクルド人が消えつつある、という。それによって解体業などに深刻な影響があり、五年以内に解体費用は倍以上になると「元請け会社社長」が憂いているという。
「じつは、クルド人解体工の人手不足が深刻化しているのです。昨年10月から、ビザ(在留資格の俗称)を持っていないと運転免許が更新できなくなりました。この影響で、今年は過去一のペースでクルド人が自主帰国しています。
我々は、ビルやマンションに比べて報酬が低い一軒家の解体も引き受けることから、業界内では『最後の砦』と呼ばれていました。我々がいなくなれば関東一帯の解体業は回らなくなる。今回のルール改正は、国が現状を分かっていないとしか思えません」
解体会社を営むクルド人のエルバンさん(仮名、40代)は、同県内の自宅でこう語った。
◇政府は強制送還を加速
事の発端は、昨年10月の「道路交通法施行規則」の改正にさかのぼる。この新規則により、在留資格がなく住民票を持たない外国人は、運転免許の更新ができなくなった。
日本人と結婚したり、子どもが日本の大学に合格したりして在留資格を得て暮らすクルド人がいる一方、難民申請が認められず、入管(出入国在留管理庁)への収容を一時的に免れる「仮放免」の状態で暮らす人も少なくない。仮放免の状態で暮らす多くのクルド人が、新規制による規制の対象となった。
仮放免は在留資格を得た状態ではなく、入管法上は「非正規滞在」にあたる。政府は'25年5月から強制送還を加速させる「不法滞在者ゼロプラン」を進めており、同年には仮放免者を含む外国人計7563人が送還されている。
◇300人以上のクルド人が「自主帰国」
取り締まりが強まる中、クルド人はどうなっているのか。日本クルド文化協会の事務局長を務めるワッカス・チョーラク氏はこう明かす。
「私が把握しているかぎりでも、今年はすでに300人以上のクルド人が自主帰国しています。仮放免の方は統計に表れないので正式なデータはありませんが、去年は一年間で100人程度だったので、今年はその3倍以上に増えていることになります。
仮放免の方にとって、運転免許はすごく大事なIDでした。身分を証明できる唯一のツールだったのです。
またクルド人は、駅から離れた場所に住んでいる方が多いので車は欠かせません。運転免許を失ったことで、以前のようにスーパーに行ったり、子どもを病院に連れて行ったりできなくなりました」
クルド人が数多く住む川口市だが、いまは減少傾向にある。住民票のあるトルコ国籍(クルド人の大半がトルコ国籍を持つ)の市民は、'25年6月の1439人から、今年9月には1091人に減った。在日クルド人に詳しい関係者は「数年前までは仮放免者を含めて約2000〜3000人と推定されていたが、今はその半分程度しか住んでいないのではないか」と話す。
◇廃業する会社も出てきている
影響は子どもにも及ぶ。クルド人の少年が多く在籍するサッカーチーム「FCクルド」は、活動休止を余儀なくされている。メティン・アルスランボーガン監督は言う。
「発足当初は計65人が在籍していましたが、今はその半分です。強制送還や自主帰国でメンバーが減りました。子どもたちはみんなストレスを抱えています」
強制送還に怯え、運転免許も更新できない。そうした中で進むクルド人の減少に、解体の現場はすでに悲鳴を上げている。前出のエルバンさんは、苦しい胸の内を明かす。
「すでに他社では人手不足の影響は出ています。今の仕事量が保てなくなり、元請け業者から下りてくる仕事を断ることも増えました。また、従業員がいなくなり廃業したりする会社も出てきています。この調子だと今年か来年の頭には、多くの解体業者がボンボン潰れていくと思います」
◇クルド人が去り、土地の価格が下がるワケ
労働力不足に悩む解体業界においてクルド人の存在は欠かせない。報酬が安くても仕事を引き受け、作業も早いからだ。一部業者による不法投棄など、地域との摩擦が指摘されてきたのも事実だが、施主にとってはありがたい存在として受け止められてきた。
「いまは人手不足を食い止めようと、一部の解体業者では『特定技能』の外国人の受け入れを進めています。ただ初期費用もかかるし、受け入れ人数も厳しく管理されるので、彼らだけで穴が埋まるとは考えられません」(解体会社を営むクルド人のエルバンさん・仮名・40代)
エルバンさんが冒頭で説明した「最後の砦」という言葉が、ここで重みを増す。空き家は全国で約900万戸と過去最多に達し、'40年ごろには約2000万戸に迫るとの予測もある。放置された空き家の多くは一戸建てだ。その解体を低い報酬で引き受けてきたのが、クルド人業者だった。
◇「経済的損失は必ず出てくる」
大手ハウスメーカーから解体工事を受注し、クルド人の解体業者に発注している元請け会社の社長はこう嘆く。
「まず確実に解体費用は上がると思います。要はクルド人の解体業者が減ることで、解体の需要に対して、供給が間に合わない状況が生まれる。そうなると下請け業者への報酬も引き上げるしかないので、今と同じ値段ではできなくなります。これはあくまで予想ですが、5年も経たないうちに解体費用は倍以上に膨れ上がると思います。
解体費用が上がれば、そのぶん土地の価値は下がっていきます。たとえば、更地なら1000万円で売れる土地に空き家が建っているとします。これまでは解体に200万円かかっていたので、実質の価値は800万円。それが今後、解体に500万円かかるとなれば、土地の価値は500万円に下がるわけです。クルド人が減ることによる経済的損失は必ず出てくると思います」
前出のエルバンさんは、「今後、私たちクルド人がいなくなったら『家を壊したくても壊せない日』がやってくるかもしれません」と漏らした>(以上「週刊現代」より引用)
「【埼玉・川口クルド人減少】解体業への深刻な影響 元請け会社社長が衝撃予想「5年以内に解体費用は倍以上に膨れ上がる」」と題して木倉谷 正之(ジャーナリスト)氏がクルド人が去り始めた川口市の近況を報告している。移民の町・川口市からクルド人が消えつつある、という。それによって解体業などに深刻な影響があり、五年以内に解体費用は倍以上になると「元請け会社社長」が憂いているという。
しかし、それは少し違うのではないか。クルド人にも同じ賃金を支払っていれば、倍以上になることはないし、クルド人の解体企業も日本の企業と同じように法に従って解体産廃処分していれば解体費用が倍以上に膨れ上がることはないはずだ。
解体業を営む(他者から依頼を受けて建物の解体を行う)ために必要な主な許可・登録・資格は以下の通り、「許可」または「登録」が必要となる。
①建設業許可(解体工事業)対象の場合、 1件の請負金額が500万円(税込)以上の解体工事を行う業者は必ず 国土交通大臣または都道府県知事から許可を取得しなければならない。これを取得していれば、500万円未満の小規模な解体工事も行える。 ②解体工事業登録対象の場合は 1件の請負金額が500万円(税込)未満の解体工事のみを行う業者は 工事を行う都道府県ごとに知事への登録が必要となる。すでに上記の「建設業許可」を持っている場合は登録不要。
また、産業廃棄物収集運搬業許可解体で出たコンクリートくずや木材などの産業廃棄物を、自社トラック等で処分場まで運搬・処理を請け負う場合にも許認可が必要。(※下請けとして他社の廃棄物を運ぶ場合に原則必要)。
そして 実際に解体工事を行う際や、許認可の要件として技術管理者(解体工事業登録の場合) または解体に際して高さ5メートル以上の足場の組立て・解体作業を行う場合は 営業所技術者・主任技術者(建設業許可の場合)一定の実務経験や国家資格(解体工事施工技士、建築士、土木施工管理技士など)を持った人材の配置が義務付けられている。さらにアスベストの事前調査や除去作業を行う場合には石綿(アスベスト)作業主任者 および 建築物石綿含有建材調査者必要。 解体に際して 重機等の運転資格油圧ショベルやブルドーザーなどの重機を操作する場合に建設機械施工技師 が必要。
こうした法令を順守すればクルド人であれ日本人であれ、解体原価そのものに大きな差異があるとは思えない。解体したコンクリーなどを法令に従って産廃場に運び込み、支払う料金にクルド人と日本人と異なるわけでもない。なぜクルド人がいなくなれば五年後に解体費用が倍以上に膨れ上がるのか理解に苦しむ。
それはストックヤードに関しても同様であって、ストックヤード(建設発生土や資材の一時保管場所)を建設・運営するにあたり、必要となる主な許可・免許・登録がクルド人や中国人によって免除や軽減されるわけではないから、日本人の企業と同じでなければならない。またストックヤードの建設に関しても日本の法令を順守すれば住宅地に建設できないから、それほど大問題になるはずがない。ただ行政が違法状態を放置していれば話は別だ。
本当に解体価格が二倍以上に高騰すれば、必ず「二軸破砕機(にじくはさいき)」または「シュレッダー機(大型破砕機)」と呼ばれる大型の破砕機を導入して省力化を図る業者が出て来る。「二軸破砕機(にじくはさいき)」とは自転車などを解体・細断せずに、そのまま強力に巻き込んで粉砕する大型の機械だ。そうすると金属別の分別が自動化できて、資源再生率も向上する。
クルド人がいなくなれば経済的損失が出る、と木倉谷氏は警告しているが、他民族と暮らす地域の人たちの社会的リスクやストレスを無視してはいないだろうか。そして経済的損失があるとするなら、それを無くすムーブベントが働いて省力化・合理化が推進される「効果」を見逃してはならない。
近未来に到来するAI産業革命により、産業の省力化が劇的に推進する。それにより大量のレイオフによる失業が深刻な社会問題化する。政府は外国人労働移民に対して祖国への帰国を推進する政策を実施する必要性に迫られるが、如何なる政策を提示するのか。現在の移民推進策から移民帰国政策に転換する「出口戦略」を政治家諸氏は真剣に考えなければならない。
産業界の要請に安易に応じて外国人移民を増やして、その対策のコストも国民に負わせる、というのでは国民は踏んだり蹴ったりではないか。耳障りの良い「多文化共生」と云った言葉に惑わされず、私たちは外国人移民の実態を冷徹に見つめる必要がある。郷に入れば郷に従うべきであり、それが出来ないなら祖国へ帰らなければならない。