テレビ局が開かれた媒体になることがあるのだろうか。

<◇「ホームレス差別発言」で謝罪
 また玉川徹先輩が不適切な発言をした。10月22日放送『羽鳥慎一モーニングショー』内の「薄毛」に関するコーナーで、薄毛と生活習慣との関連についてコメントし、もし薄毛と生活習慣が関係するなら「ホームレスはみんなハゲだ」「あれだけ汚い生活をしていてフサフサな人がいる」などと、ホームレスについて問題発言をしたのだ。
 番組内でおよそ30分後に自ら謝罪し、27日にはテレビ朝日の西新社長が定例記者会見で「差別や偏見を助長しかねない発言」だとして謝罪。今後適切な放送に努めるとしたが、玉川さんの降板は考えていないようだ。
 みなさまの記憶にもあるかもしれないが、玉川さんの番組での発言はこれまでにもいろいろと炎上したり問題となって、訂正や謝罪をする事態を引き起こしている。
 大きな問題となったものとしては、2022年9月に安倍晋三元総理の国葬について「電通が入っている」と事実と異なる発言をして謹慎処分となり、しばらく番組への出演を取りやめ謝罪した。
 今年4月には、イランとの協議に参加するアメリカ側の顔ぶれについてコメントする際に、トランプ大統領の娘婿クシュナー氏について「ユダヤ人ですよね。いないほうがいい気がする」と発言。駐日イスラエル大使から抗議され、テレビ朝日社長が謝罪した。
 普通これだけいろいろと問題発言をするコメンテーターがいたら、降板させられるところだと思うが、玉川さんの場合には、2022年の一時期を除き、テレビ朝日は一貫して出演を継続させている。これはかなり異例な対応であり、驚くべきことではないか。
 なぜテレビ朝日がそれほどまでに「玉川徹コメンテーター」を守るのか。外部のコメンテーターではなく元々内部の人間だから甘くなっているのではないか、と世間には捉えられているかもしれない。もちろんそういう側面もあるのは間違いないだろうが、それ以上の理由がある。
 じつはそこにはコメンテーターとしての玉川徹さんの「唯一無二の存在価値」があるのだ。テレビ朝日で報道情報系の番組制作に長年携わり、玉川徹先輩とも同じ番組の同じ班で仕事をしたこともある私なりに、その理由を分析してみなさまにお伝えしたい。

◇テレビ局が許した「異例の特別待遇」
 まず、テレビ局員として見た時に、いかに玉川徹という人物が特異な存在かということを説明しよう。「玉川徹先輩のような生き方」はテレビ局員としてはかなり羨ましいものだと思う。
 ああいう風に生きてみたい、と思う人はいるだろうが、なかなかそういう生き方は許されるものではない。テレビ朝日は「玉川徹という社員」に、長年にわたってかなり特別待遇を与え、また玉川徹先輩はテレビ朝日にそれだけ「特別な貢献」を長年にわたってしてきたのは間違いない。
 まず、ひとりの局員がひとつの番組にあれだけ長期間にわたって在籍し続けること自体にほとんど前例がないだろう。通常、局員には人事異動があり、ほぼ例外なく部署や番組は定期的に変わる。
 私は30年弱テレビ朝日にいたが、10回近い人事異動を経験していて、たぶんそれでも比較的少ない方だと思う。しかし玉川さんは私の記憶にある限り、ほぼ一貫して「モーニングショー」とその前身の番組「スーパーモーニング」に在籍し続けている。
 若い頃や一部の期間は別部署・別番組にいたこともあるようだが、たぶん今テレビ朝日で現場にいる人間たちのほとんどが、モーニング以外の玉川さんを知らない。
「モーニングのプロデューサーはチョイチョイ変わるが、玉川さんは絶対に変わらない」というのがテレ朝内部で常識のようになっている。ほぼ「モーニングは玉川さんの番組」という認識なのだ。
 そして、通常テレビ局員は年次が上がれば例外なく管理職になるものだが、それすらも玉川さんは免除されていた。どんなに優秀なディレクターでも、ずっとディレクターではいられず、早ければ30代、遅くとも40代にはプロデューサーなどになって後輩達の指導育成や業務管理を行う立場になるのがテレビ局の掟だ。
 しかし、玉川さんはそういう、めんどくさくてあまりやりたくないと誰しもが思うような「上司の仕事」や「出世」を自ら拒否して、それが周りにも認められた存在だ。それは「彼にしかできない番組への貢献」が局の上層部に一目置かれたからにほかならない。

◇「視聴率男」を手放せない
 では玉川さんの仕事の何がそんなにスゴイのか? 元々、玉川さんはディレクターだから、番組制作側の人間だ。「番組をつくる人」であって「番組に出る人」ではない。そしてディレクターとしても、玉川さんはずば抜けた才能の持ち主だった。
 担当したコーナーで必ず視聴率が上がる。VTRの部分でも視聴率は上がるのだが、とりわけ自身がレポートしている部分で急カーブを描いて視聴率グラフが右肩上がりになる。VTRの解説をするためディレクターとしてスタジオに出演しても、やはり視聴率が急上昇する。
 つまり、なぜだか知らないが「玉川さんを出しておけば視聴率が上がる」「視聴率男」として玉川さんは番組内で絶大な信頼を勝ち取った。
「視聴率男」はどの番組も手放したくない。だから、玉川さんがワガママを言っても番組上層部はそれを許容した。「俺は自分のやりたいことをやる」「管理職的な役割はしたくない」「俺は自分のコーナーは必ず顔出しで出演する」そういった普通なら許されないワガママがすべてOKされることになった。
 いつしか番組内に「玉川担当」と呼ばれる若手の優秀なディレクターが配置され、玉川さんはそのディレクターを思うままに使って自分のやりたいテーマをどんどん取材し、そのスタジオに出演するようになった。そしていつしか番組の名物コーナーとして玉川さんのコーナーがレギュラー化されるようになった。
 そして気がついたら「裏方のディレクターであるはずが、表に出るコメンテーターになっていた」のだ。こんな人はなかなかいない。たぶん他局を見ても、テレビの歴史を振り返っても、こんな局員はなかなかいないのではないか。>(以上「現代ビジネス」より引用)




「「問題発言だらけなのになぜ降板しない?」玉川徹がまたも炎上…元テレ朝局員が明かす「テレビ局が手放せない理由」と題して鎮目 博道(テレビプロデューサー・ライター)氏が昨今のテレビ事情を書いている。
 テレビで舌禍事件を起こしている常連コメンテーターが番組を降板しないのは玉川氏だけのことではない。他にも碌でもない経済解説している評論家がテレビに出続けている例もある。また何故この人が、と思うようなコメンテーターが報道番組の常連となってトンチンカンなコメントを述べている例も多々見る。

 玉川氏がいかに博識であっても、すべての分野に精通しているわけではない。得意な分野と不得手な分野は必ずある。しかし玉川氏はコメンテーターとして毎日のように様々な問題にコメントしている。それではインプットがアウトプットに追いつかない。
 だから不慣れな分野のコメントしているうちにコンプライアンスが疎かになることもあり得る。クシュナー氏に関する人種発言を不用意にしてしまったのだろう。ただホームレスに関する発言は知識不足では済まない。それは玉川氏の人権意識に関する問題だ。

 しかし報道番組を視聴していると、コメンテーターの知識不足が目に余る。ことに経済政策に関する思い込みが強く、事実を客観的に理解し解説するコメンテーターは極端に少ない。それを放置しているテレビ局もテレビ局だが、経済政策の専門家が沈黙しているのも不思議でならない。
 「緊縮・増税」財政政策で失われた30年を招来してしまったのは明らかだ。失われた30年と決別するためには、その反対の「積極・減税」政策に転換すべきだというのは財政政策の素人にでも解る論理だ。しかし「積極・減税」政策を展開するコメンテーターをテレビに見ることは皆無だ。それはコメンテーターの人選の問題なのか、それともテレビ局の方針なのか。

 オールドメディアが世論誘導に使われていたのは戦前だけの話ではない。現在でも、オールドメディアは世論誘導に使われている。その証拠は時事通信のカメラマンがオフレコ状態で「高市氏の人気を落としてやる」と発言していたことにある。彼らオールドメディアの記者やカメラマンはそうした意識の下で取材していると思われても仕方ないだろう。
 実際に高市氏の総理大臣就任直後の記者会見を報道したNHKテレビ画面の映像が斜めになっていたり揺れたりしていた。それらは映像効果を狙った手法として用いられ、カメラシェイク(手持ちカメラで撮影しているような、上下左右の振動や揺れをデジタルで加えるエフェクトで、ミュージックビデオ(MV)やアクションシーンの緊張感を高める際によく使われる)やダッチアングル(カメラを水平からあえて傾けて撮影する手法(またはエフェクト)で、画面が斜めになることで不安感や焦り、異常な心理状態などを表現する)と呼ばれている。映像業界では常識となっている手法だ。意図して用いたとしか思えないNHKの放映を視聴して、NHK報道番組制作部の反・高市政権の意思を強く感じたものだ。

 世論誘導していると疑われているオールドメディアのテレビは視聴者離れを起こしている。オールドメディアの雄たる新聞はもっと悲惨で、購読者離れは持続的に進み、日刊紙の同日宅配を断念する地域が水が染みるように地方から都市部へ向かって広がっている。
 開かれた社会を目指しているはずのオールドメディアが局内で閉ざしていては視聴者は見限る。ネットのSNSでは誰もが自由に発信でき、自由に書き込み(参加)出来る。モーニングショーでもSNSでの書き込みをさせているが、それを取り上げるか否かはテレビ局の判断だ。開かれたテレビ局を演じても、出演するコメンテータが十年一日の如く変わらないのであれば、開かれたテレビ局ではない。素人コメンテータの選任を誰が行っているのか知らないが、目に余るコメントを繰り返しているコメンテーターを使い続けているのは何故か、テレビ局が開かれた媒体になることがあるのだろうか。

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