千葉県酒々井町のJR南酒々井駅周辺の冠水・浸水は盛土が原因だった。
<台風25号の影響で千葉県酒々井町のJR南酒々井駅周辺で、冠水・浸水が起きる原因となった土砂崩落について、その土砂が長年放置されていた高さ数十メートルの危険な盛り土だったことが25日、町への取材で分かった。
土砂が排水路を遮断した結果、雨がやんだ後でも水位が上昇した。町は土砂を搬入した県内事業者1社に土地の原状復帰を求めてきたが、工事は行われず、かねてから行政代執行が検討されていた。 (渡辺翔太、霜出龍之介)
被害が生じたのは約10世帯が住む開運団地の周辺。水位が下がらず、町が排水作業を続ける。道路閉鎖で車移動も難しく、住民は被害を免れた場所を徒歩で通り抜けて駅側に向かう。 町によると、排水路の「馬橋川」上流の盛り土が崩落し、排水路をふさいだ。町が撤去作業を進める方針だが、土が軟らかく重機が入り込めず、復旧時期は見通せない。
約200メートル先の下流にも別の盛り土がある。2016年9月~翌17年1月、事業者が大量の土を盛り、その後の大雨で複数回崩落。排水路が閉鎖された。町は事業者に土の撤去を求めて指導したが、対応されず、今年2月に行政代執行に着手した。いずれの盛り土も18年ごろから土の出し入れなど動きはなかった。
町は今回崩落した上流側でも盛り土の撤去を求め、行政代執行も視野に入れていた。事業者側は指導に応じない理由に資金難を挙げたという。町は実施中の代執行費用約3億円と崩落からの復旧費を事業者に請求する方向で検討している>(以上「千葉日報」より引用)
豪雨による冠水により千葉県では各地が大変な被害に見舞われている。「【独自】酒々井町の住宅地冠水、放置盛り土崩落が原因 排水路遮断され復旧見通せず 町が指導も事業者は撤去せず、代執行検討も 台風25号」との記事があった。
そもそも盛土(もりど)とはもともとの地盤の上に新しく土や砂などを積み重ね、土地を高くしたり傾斜地を平らにしたりする造成方法や工事のことだ。盛土の問題は締固めが不十分な場合には建物や土の重みで不均質に沈み込みが起きやすい。また地震時の揺れで盛土部分が滑動崩落(がけ崩れや地滑り)を起こしたり、大雨で崩壊したりするリスクがある。
そのため盛土などによる災害から人命や財産を守るため盛土規制法(宅地造成及び特定盛土等規制法)が制定され令和5年(2023年)5月26日に施行された。
盛土規制法はの対象地は宅地だけでなく、農地や森林など、場所を選ばずに危険なエリアが対象となる。また都道府県知事等が、人家等に被害を及ぼしうる区域を指定する。その対象行為は盛土や切土だけでなく、土砂の廃棄や一時的な土石の堆積も規制の対象になっている。当然ながら施工中の検査や定期報告に加え、土地所有者等には常に安全な状態を維持する責務が課されている。 千葉県の場合は無許可行為や命令違反などに対しては厳罰化が図られていいるが、実際には違反した事業者に対して法適用をしていない。違法盛土が横行する主な理由は、処分費用を浮かせたい業者のコスト削減と、法の網をくぐる利益追求のためと思われる。
搬入される盛り土は建設工事などで発生した残土を、適法な処分場で処理するには多額の費用がかかるため、悪質な業者がコストを抑えるために不法に投棄するケースや、土地の所有者から「お金をもらって土砂を引き受ける」または「安く埋め立てると偽る」ことで、利益を得ようとするケースがある。これまでは法律や自治体の条例で規制しきれない場所や、土地の用途(農地や山林など)による規制の違いがあり、目が届きにくい場所に不法投棄されて来た。
いざ違法と発覚して行政から撤去や改善を命じられても、業者や所有者が「お金がない」「自分たちの責任ではない」と放置・言い逃れをするケースが殆どだという。
今回の千葉県酒々井町のJR南酒々井駅周辺の冠水・浸水は盛土が崩落して大量流出して排水路を塞いだために起きた。盛土にはすき間や不十分な締め固めがあるため大雨で水が浸透すると重みで崩落しやすく、土石流や崖崩れなどの大惨事に繋がり易い。
いざ違法と発覚して行政から撤去や改善を命じられても、業者や所有者が「お金がない」「自分たちの責任ではない」と放置・言い逃れをするケースが殆どだという。
今回の千葉県酒々井町のJR南酒々井駅周辺の冠水・浸水は盛土が崩落して大量流出して排水路を塞いだために起きた。盛土にはすき間や不十分な締め固めがあるため大雨で水が浸透すると重みで崩落しやすく、土石流や崖崩れなどの大惨事に繋がり易い。
市町村で対応が国難ならば都道府県や国が危険な盛土を防ぐため、盛土規制法(宅地造成及び特定盛土等規制法)を運用し、無許可の工事や命令違反に対する罰則を最大3年以下の懲役または1,000万円以下の罰金(法人には最大3億円)の速やかな適用を行い、取り締まりを進めるべきではないか。不法行為をいつまでも放置したために災害に巻き込まれる地域住民にとって堪ったものではない。環境が著しく破壊されるだけでなく、災害の原因にもなることを考慮して、全国各地に堆く積み上げられた盛土やスクラップなどの適正化を行政当局は急ぐべきだ。