全国各地の原発に対して超小型防空システムと連動した高出力マイクロ波砲の配備を急げ。
<■「日本には防空分野における先進技術がある」
国連総会出席のため米ニューヨークを訪れていた高市早苗首相は9月23日(日本時間)、ウクライナのゼレンスキー大統領と会談した。ゼレンスキー氏は日本の支援に謝意を示すとともに、会談後、X(旧Twitter)に「日本には防空分野における先進技術がある」と投稿、日本との防衛協力実現への期待を示した。
ロシアの侵略から4年半あまりが経過したウクライナ戦争では現在、迎撃ミサイルが枯渇するなど防空能力が低下するウクライナに対し、ロシアは弾道ミサイルやジェット推進式の攻撃型無人機を多数投入し、首都キーウなどの電力施設や鉄道施設といった重要インフラを相次いで攻撃している。
ウクライナにとって、国民を保護するための防空能力向上は喫緊の課題であり、ゼレンスキー氏はかねてより、迎撃ミサイルのウクライナ国内での生産について日本と協力したいとの意向を示してきた。今回の会談でも、近い将来における両国の協力について話し合われた可能性がある。
ただし、戦争当事国に対する防衛協力には幾重にも高いハードルがあり、それ以上に日本としての覚悟が問われることになる。慎重かつ冷静な対応が必要だ。
■背景にある防衛装備移転の見直し
ウクライナ戦争で欧米各国がミサイルや戦車、弾薬などをウクライナに支援しているのに対し、日本は「防衛装備移転3原則の運用指針」に基づき、防弾チョッキやヘルメットなど殺傷能力のない装備品の提供にとどまっている。
その一方で、ウクライナに武器の供与を続ける米国で深刻化するミサイル不足を解消するため、政府は2023年12月、運用指針を改正し、ライセンス生産した完成品について、特許を持つ国への輸出を可能とした。この改正によって、米企業が開発し、日本企業が特許料を支払ってライセンス生産している地対空誘導弾「パトリオット3」(PAC3)の米国への輸出を決め、25年11月、最初の輸出が実行されている。
この経緯について政府は、「米国のミサイル不足を解消することで、インド太平洋地域における米軍の抑止力維持につなげるとともに、日米同盟の強化にも資する」などと説明している。ただし、ライセンス生産の完成品を輸出先の米国が第三国に移転させることについては、「現に戦闘が行われていると判断される国」は、原則除外すると明記しており、政府は輸出したミサイルが米国を経由してウクライナに渡らないよう、米国政府に管理の徹底を求めているという。
運用指針が改正されるまで、PAC3は航空自衛隊向けに国内で年間30発程度生産されていたが、現在は米国の在庫不足を補うため、生産体制を増強し、米国への輸出を継続している。日本で製造されたPAC3の一部が米国の在庫となり、米国で製造されたPAC3がウクライナに供与されるといった構図だが、間接的とはいえ、これが今の日本にできる精一杯のウクライナに対する軍事支援と言っていいだろう。
■欧州で頻発するロシアの恫喝
PAC3は飛来する北朝鮮の弾道ミサイルを撃ち落とすための装備で、迎撃という防衛に特化した装備だ。しかし、政府が米国への輸出を決めた際、ロシアは「日本の兵器がウクライナに移転されれば、我々に対する明確な敵意と見なす」と警告、対抗措置も辞さない構えを見せている。
さらに今年8月以降、ポーランドやブルガリア、エストニアなど欧州各地では、兵器や弾薬を製造している工場などを無人機(ドローン)で狙った放火や破壊工作が相次いでいる。いずれもウクライナへの兵器供与を担う防衛企業で被害が続いており、各国ともロシアが関与しているとみて警戒を強めている。
また、同じ8月には、ウクライナへの輸送拠点でもあるドイツ東部の空港で、駐機していたウクライナの輸送機の近くで爆発物を積んだ無人機が発見されている。起爆装置を解除して爆発は免れたが、ドイツ政府は無人機の構造や起爆装置がロシアのものと一致したとして、ドイツ西部ボンにあるロシア総領事館を閉鎖する対抗措置を講じている。
■繰り返される日本に対する挑発行為
ウクライナ戦争で深まる欧州とロシアの対立が背景とはいえ、こうしたロシアが関与した疑いのある恫喝や破壊行為は、日本国内でも発生する恐れがある。すでにロシアは8月13日、プーチン大統領が北方領土の択捉島に初上陸しているが、その後も同島の周辺でミサイルの発射訓練を行い、さらに極東ハバロフスクでは、菊の紋章が刻まれた標石を旧ソ連兵が破壊する対日戦勝記念碑を設置するという挑発行為を企てている。
昨年7月、稼働中の九州電力玄海原子力発電所(佐賀県)の上空に、3機から4機のドローンとみられる物体が飛来する騒ぎがあった。原発の警備員や警察官などの目撃があったにもかかわらず、ドローンは見つからず、1か月余りの捜査の末に、佐賀県警は旋回中の民航機の光を誤認した可能性があるとの判断に至っている。
その一方で警察庁は同年9月、全国の原発に対し、ドローン対処機材を整備することなどを指示し、原子力規制委員会は今年3月、原発上空に飛来したドローンを検知する機器の設置を電力各社に義務づける方針を決めている。
欧州の事例にあるように、国内でも各地の原発だけでなく、防衛装備品を製造するメーカーや工場周辺で、ドローン等による破壊工作などが想定されるため、政府はドイツやポーランドなど被害に遭った政府と捜査情報などを共有し、警備態勢を強化する必要がある。
■防空能力の強化は多国間協力で
冒頭の高市・ゼレンスキー会談と相前後して、米国のトランプ大統領とゼレンスキー大統領が会談した。報道によれば、燃料価格の高騰を背景に、ウクライナとロシアが、双方のエネルギー施設への攻撃を停止する「エネルギー停戦」をトランプ氏が持ち掛け、協議したとされる。だが、ロシアは「停戦」を拒否する意向とも伝えられており、今後も防空能力の低下したウクライナが、ロシアからミサイル攻撃を受ける度に、報復としてロシアのエネルギー施設をドローン攻撃する事態が想定される。
長期化するウクライナ戦争では、今後もウクライナから政府に対し、防空能力強化への協力と支援が求められることは確実だろう。わが国はドローンなど新しい戦い方を巡って、ウクライナが実戦で得た経験を共有しなければならない立場であり、政府は、米国など同志国との間で、何ができて、何ができないのか――を協議しなければならない。
その際に重要な視点は、ロシアや連携する中国の反発や軍事的威嚇を覚悟した上で、米国を中心とする同志国と連携し、日常的に装備品の備蓄(在庫)を下支えする共同生産体制を確立することではないだろうか。拠って立つ国際秩序が危機に瀕している今だからこそ、それを見過ごしてはならないとの思いは同盟国間で共有できるはずだ。>(以上「現代ビジネス」より引用)
「ロシアは「我々に対する敵意と見なす」と猛反発!日本がウクライナへの防衛装備移転で問われる覚悟」との見出しで最近の日露関係をウクライナ情勢を交えて勝股 秀通(日本大学危機管理学部特任教授/ジャーナリスト)氏が投稿している。
国連総会出席のため米ニューヨークを訪れていた高市早苗首相は9月23日(日本時間)、ウクライナのゼレンスキー大統領と会談した。ゼレンスキー氏は日本の支援に謝意を示すとともに、会談後、X(旧Twitter)に「日本には防空分野における先進技術がある」と投稿、日本との防衛協力実現への期待を示した。
ロシアの侵略から4年半あまりが経過したウクライナ戦争では現在、迎撃ミサイルが枯渇するなど防空能力が低下するウクライナに対し、ロシアは弾道ミサイルやジェット推進式の攻撃型無人機を多数投入し、首都キーウなどの電力施設や鉄道施設といった重要インフラを相次いで攻撃している。
ウクライナにとって、国民を保護するための防空能力向上は喫緊の課題であり、ゼレンスキー氏はかねてより、迎撃ミサイルのウクライナ国内での生産について日本と協力したいとの意向を示してきた。今回の会談でも、近い将来における両国の協力について話し合われた可能性がある。
ただし、戦争当事国に対する防衛協力には幾重にも高いハードルがあり、それ以上に日本としての覚悟が問われることになる。慎重かつ冷静な対応が必要だ。
■背景にある防衛装備移転の見直し
ウクライナ戦争で欧米各国がミサイルや戦車、弾薬などをウクライナに支援しているのに対し、日本は「防衛装備移転3原則の運用指針」に基づき、防弾チョッキやヘルメットなど殺傷能力のない装備品の提供にとどまっている。
その一方で、ウクライナに武器の供与を続ける米国で深刻化するミサイル不足を解消するため、政府は2023年12月、運用指針を改正し、ライセンス生産した完成品について、特許を持つ国への輸出を可能とした。この改正によって、米企業が開発し、日本企業が特許料を支払ってライセンス生産している地対空誘導弾「パトリオット3」(PAC3)の米国への輸出を決め、25年11月、最初の輸出が実行されている。
この経緯について政府は、「米国のミサイル不足を解消することで、インド太平洋地域における米軍の抑止力維持につなげるとともに、日米同盟の強化にも資する」などと説明している。ただし、ライセンス生産の完成品を輸出先の米国が第三国に移転させることについては、「現に戦闘が行われていると判断される国」は、原則除外すると明記しており、政府は輸出したミサイルが米国を経由してウクライナに渡らないよう、米国政府に管理の徹底を求めているという。
運用指針が改正されるまで、PAC3は航空自衛隊向けに国内で年間30発程度生産されていたが、現在は米国の在庫不足を補うため、生産体制を増強し、米国への輸出を継続している。日本で製造されたPAC3の一部が米国の在庫となり、米国で製造されたPAC3がウクライナに供与されるといった構図だが、間接的とはいえ、これが今の日本にできる精一杯のウクライナに対する軍事支援と言っていいだろう。
■欧州で頻発するロシアの恫喝
PAC3は飛来する北朝鮮の弾道ミサイルを撃ち落とすための装備で、迎撃という防衛に特化した装備だ。しかし、政府が米国への輸出を決めた際、ロシアは「日本の兵器がウクライナに移転されれば、我々に対する明確な敵意と見なす」と警告、対抗措置も辞さない構えを見せている。
さらに今年8月以降、ポーランドやブルガリア、エストニアなど欧州各地では、兵器や弾薬を製造している工場などを無人機(ドローン)で狙った放火や破壊工作が相次いでいる。いずれもウクライナへの兵器供与を担う防衛企業で被害が続いており、各国ともロシアが関与しているとみて警戒を強めている。
また、同じ8月には、ウクライナへの輸送拠点でもあるドイツ東部の空港で、駐機していたウクライナの輸送機の近くで爆発物を積んだ無人機が発見されている。起爆装置を解除して爆発は免れたが、ドイツ政府は無人機の構造や起爆装置がロシアのものと一致したとして、ドイツ西部ボンにあるロシア総領事館を閉鎖する対抗措置を講じている。
■繰り返される日本に対する挑発行為
ウクライナ戦争で深まる欧州とロシアの対立が背景とはいえ、こうしたロシアが関与した疑いのある恫喝や破壊行為は、日本国内でも発生する恐れがある。すでにロシアは8月13日、プーチン大統領が北方領土の択捉島に初上陸しているが、その後も同島の周辺でミサイルの発射訓練を行い、さらに極東ハバロフスクでは、菊の紋章が刻まれた標石を旧ソ連兵が破壊する対日戦勝記念碑を設置するという挑発行為を企てている。
昨年7月、稼働中の九州電力玄海原子力発電所(佐賀県)の上空に、3機から4機のドローンとみられる物体が飛来する騒ぎがあった。原発の警備員や警察官などの目撃があったにもかかわらず、ドローンは見つからず、1か月余りの捜査の末に、佐賀県警は旋回中の民航機の光を誤認した可能性があるとの判断に至っている。
その一方で警察庁は同年9月、全国の原発に対し、ドローン対処機材を整備することなどを指示し、原子力規制委員会は今年3月、原発上空に飛来したドローンを検知する機器の設置を電力各社に義務づける方針を決めている。
欧州の事例にあるように、国内でも各地の原発だけでなく、防衛装備品を製造するメーカーや工場周辺で、ドローン等による破壊工作などが想定されるため、政府はドイツやポーランドなど被害に遭った政府と捜査情報などを共有し、警備態勢を強化する必要がある。
■防空能力の強化は多国間協力で
冒頭の高市・ゼレンスキー会談と相前後して、米国のトランプ大統領とゼレンスキー大統領が会談した。報道によれば、燃料価格の高騰を背景に、ウクライナとロシアが、双方のエネルギー施設への攻撃を停止する「エネルギー停戦」をトランプ氏が持ち掛け、協議したとされる。だが、ロシアは「停戦」を拒否する意向とも伝えられており、今後も防空能力の低下したウクライナが、ロシアからミサイル攻撃を受ける度に、報復としてロシアのエネルギー施設をドローン攻撃する事態が想定される。
長期化するウクライナ戦争では、今後もウクライナから政府に対し、防空能力強化への協力と支援が求められることは確実だろう。わが国はドローンなど新しい戦い方を巡って、ウクライナが実戦で得た経験を共有しなければならない立場であり、政府は、米国など同志国との間で、何ができて、何ができないのか――を協議しなければならない。
その際に重要な視点は、ロシアや連携する中国の反発や軍事的威嚇を覚悟した上で、米国を中心とする同志国と連携し、日常的に装備品の備蓄(在庫)を下支えする共同生産体制を確立することではないだろうか。拠って立つ国際秩序が危機に瀕している今だからこそ、それを見過ごしてはならないとの思いは同盟国間で共有できるはずだ。>(以上「現代ビジネス」より引用)
「ロシアは「我々に対する敵意と見なす」と猛反発!日本がウクライナへの防衛装備移転で問われる覚悟」との見出しで最近の日露関係をウクライナ情勢を交えて勝股 秀通(日本大学危機管理学部特任教授/ジャーナリスト)氏が投稿している。
日本とロシアの間には、両国の法的基盤となっている1956年の日ソ共同宣言が存在するものの、領土問題を巡る対立から平和条約は未締結のまま70年が経過している。日ソ共同宣言は戦争状態の終了と国交回復を定めた文書であり、平和条約締結後に歯舞群島・色丹島を日本に引き渡すことが盛り込まれたが、北方四島の帰属を巡る主張の隔たりから平和条約の調印には至っていない。
ただ日ソ共同宣言で日本は終戦後のシベリア抑留で日本兵12万人もの犠牲者を出したロシアへの賠償請求を放棄している。その見返りとして日本が得たものは国連加盟だ。ロシア(旧ソ連)が日本の国連加盟に拒否権を行使しない、という条件を付したからだ。
以上のように、日本はロシアと平和条約を締結していない。つまり国交は回復し講和はしていないが終戦していると云えるし、戦争継続中とも云える。現代では戦争そのものが国際法違反で、戦闘が一定期間なければ講和がなくても終戦とみなされるからだ。だからことさらロシアが「(日本は)我々に対する敵意とみなす」と宣言するまでもなく、ロシアは日本の友好国ではない。なぜならロシアと日本は平和条約を締結していないため、一面では戦争状態が継続している、と云えるからだ。
それを承知の上でプーチンはわざわざ日本の反発を気にしないで北方領土へ降り立ったのだろう。日本国家と国民を敵に回すと知った上での行為をしていて、日本がウクライナ支援に肩入れすれば「敵対行為だ」と抗議するのは大人げない。いやそもそも、隣国へ攻め込むこと自体が大人げない愚行でしかないが。
日本政府は大人げないロシアにドローン攻撃を予想して、全国各地の原発に小型防空網を配備すべきだ。つまり小型のレーダーと高出力マイクロ波砲を設置すべきだ。原子炉建屋を自爆ドローン攻撃されれば、それは小型戦術核ミサイルを撃ち込まれるのと同じだからだ。原子炉建屋の核燃料貯蔵プールには使用済み核燃料が大量に貯蔵されたまま放置されている。つまり全国各地の原発には大量の核物質が貯蔵されている。それは小型核爆弾以上の危険性を孕んでいる。だから全国各地の原発には厳重な防空システムを配備すべきだ。
そうする一方で、日本にとって極めて危険なロシアを殲滅するために、ウクライナ支援を本格化しなければならない。ドローンの共同開発はもとより、日本製防空システムの貸与も進めるべきだ。また全国各地の原発を超小型防空システムでドローン攻撃から防御することは対中防御にも通じる。日本政府は日本の防衛産業に命じて、超小型防空システムとドローン攻撃から原発を防御するため、ドローン迎撃用高出力マイクロ波砲の配備を進めるべきだ。