中国製AIは瀕死の中国経済の救世主になるのか。

<◇人口減と深刻化する若年失業
 人口減少もとどまるところを知らない。
 中国メディアの北京日報は14日、「中国政府の幹部が『中国の現在の人口は約14億500万人で、前年に比べて4年連続で減少した』との見解を述べた」と報じた。
 中国経済のアキレス腱とも言える若年層の雇用難も「病膏肓に入る」だ。
 8月の16~24歳の失業率は前月から1ポイント上昇して18.9%となり、現在の統計方法となった2023年12月以降で最も高かった昨年8月と同水準となった。
 中国の大学や大学院の卒業生は5年前に比べて約4割増加したが、不況のあおりを受けてホワイトカラーの求人は不足しており、AIの普及も圧迫要因だ。
 フードデリバリーや警備、配車サービスなどの分野も、かつてのような「最後の受け皿」にならなくなっているのが現状だ。

◇大人気「ホームレス生存ガイド」
 失業が身近になった世相を反映してか、中国のSNSである動画が話題となっている。中国メディアによれば、「ホームレス生存ガイド」と題する動画が600万以上再生された。その内容は、もし家も収入も失ったらどうやって路上で生き延びるか、野宿する場所の選び方や生活に必要なモノをどのように確保するかなどだ。
 日本では報じられることがなくなったが、中国では無差別殺傷事件(社会報復事件)が後を絶たない。
 中国メディアは14日、「広東省広州市の広州大学城(大学が集まる学生街の商業施設)で男が刃物で通行人を次々と襲い、複数人が負傷した」と報じた。
 ネット上では「犯人は複数いた」との情報が相次いでいるが、真偽のほどは定かではない。特筆すべきは「犯人が目を狙って襲撃した」との証言が出ていることだ。失業者に対する世間の冷たい視線への反発が犯行の動機かと思うと背筋が寒くなる。

◇政府の恐怖心の表れか
 中国政府も国民の怒りに敏感になっているようだ。
 北京市は13日、特別な許可がなければ、11月中旬から市全域で民生用ドローンの所持や飛行を全面的に禁止する規制を発表した。6月に市中心部で起きた超高層ビルへの小型飛行機の衝突事故を踏まえての措置だ。
 驚くべきは、その禁止区域の広さだ。
 ロイターの調査によれば、今回禁止される区域の面積は約28万平方メートルに及ぶという。これはイタリアの国土にほぼ匹敵しており、中国政府の恐怖心を象徴しているように思えてならない。
 日本にとって厄介な存在と化した中国だが、内情はお寒い限りだ。彼らの挑発に乗ることなく、冷静な対応に終始すべきだ。>(以上「現代ビジネス」より引用)





 習近平氏は心配された脳梗塞の影響もなく、24日には米国空軍基地に降り立ち、赤絨毯の国賓待遇を受けている。しかし中国内に目を転じれば失業者の群れがホームレスとなって街角を占拠している。「約5人に1人が失業し、学生街では無差別暴力事件が…中国で「ホームレス生存ガイド」600万回再生のワケ」と題して藤 和彦(経済産業研究所コンサルティングフェロー)氏が中国の現状を報じている。
 中国の失業率の高さはこのブログでも報告済みだが、中共政府は一向に改善することなく軍拡に勤しんでいる。だから新卒者の軍入隊希望者が引きも切らないという。しかし軍においても不況の影から逃れられず、遅配や減給が日常化しているという。

 中国では「官製」とみられるyou tubeがネットにアップされている。それは中国が世界の経済大国として各分野で発展している、というものだ。それによると中国はAIや半導体製造、さらにはEVで世界をリードして世界経済を牽引している、とするものだ。
 この手あの手で中共政府は「中国は豊かな国」と宣伝しているが、実態は余りに悲惨だ。大学を卒業しても碌に就職先はなく、あっても給与カットは当たり前でサービス残業は常態化している。

 元々中国のGDPは個人消費と投資と貿易がそれぞれ1/3づつ構成する構造だった。しかし個人消費は不動産バブル崩壊から全家庭の60%が不動産ローン負債を負っているため消費意欲が極端に低下し、飲食などの価格低下というデフレ経済に陥っている。最も投資を牽引していたのが「不動産投資」だったが、不動産バブルの崩壊により不動産投資は殆ど消え去った。さらに政府投資を牽引してきた高速鉄道も負債の急増により新規路線建設の目途が立たなくなっている。
 貿易だけが健在とされていたが、その牽引役を担ってきた太陽光パネル輸出が対前年比マイナスを記録し、成長が鈍化して国内太陽パネル製造企業の倒産が相次いでいる。そして貿易輸出のエースとして登場したEVも大量輸出先となっていた欧州諸国でEV補助金打ち切りなどが相次いで、輸出環境が厳しくなっている。さらに対中友好国とされてきた東欧諸国でも中国製EVを輸入制限するようになった。そのため行く先を失った中国のEVは新車のまま大量に中国の各地で「EVの墓場」に放置されている。

 中共政府が指定した産業分野に集中的に投資して産業育成するという「製造2025」計画は既に破綻の兆しを見せている。その代表が太陽光パネル製造であり、EV製造であり、そして半導体製造だ。しかし膨大な政府投資に群がった起業家たちが補助金を受け取って工場を建設したものの、何一つ製造しないまま夜逃げするという。EV製造企業も二百社を超えるというが、自動車産業として余りに多過ぎる。それでは部品の品質管理はもとより規格化や共有化が進まず、中国製EVの品質と性能に直接影響する。欧州で中国製EVが排除されているのは、あながち自国製EVを優先するためだけではなさそうだ。
 そして中国の未来を切り拓くと期待されている半導体製造とAI開発に関しても、政府投資に群がったIT企業を自称する約一万社のうち残っているのは僅か数社だけだ。その数社にしても半導体製造の全工程を中国国内化することはできず、世界の半導体部品製造企業や材料製造企業に依存している。

 中国こそがAI先進国だと華々しく宣伝したAIが実はClaudeをコピーしたものだった。DeepSeekは業界最安水準の圧倒的なコストパフォーマンスと高いコード生成能力を持つオープンAIだと評されたが、内容は最先端のAIを追いかける「ファスト・フォロワー(Fast follower、素早い後追いプレーヤーのこと)」に過ぎないと看破されている。
 中国経済はすべての分野で手詰まりになっている。世界の工場から脱却しサプライチェーンのハブとして世界経済の死命を制しようとした戦略が破綻しつつある。鄧小平氏が提唱した「韜光養晦(自分の才能や地位、実力などを隠し、目立たないようにして内に力を蓄えること)」策を廃して、世界制覇を目論んだ習近平氏の経済戦略が音を立てて崩れている。そして先進国になる前にやって来た高齢社会に直面して、中国は不動産バブル崩壊の巨額債務を放置したまま、金融崩壊を統制経済の強権で止めようと躍起になっている。しかし強権で止められるのは人の動きだけで、経済までは止められない。なぜなら中国といえども一国だけで存続することは出来ないからだ。

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