日本のレアアース開発に期待が膨らむ。
<南鳥島沖の深海には、世界最高品位の「超高濃度レアアース泥」が広範囲に存在し、日本の年間需要の数十年分に相当する莫大な資源ポテンシャルを持つとされ、経済安全保障上の重要性が高まっています。現在、海洋研究開発機構(JAMSTEC)(JAMSTEC)などが中心となり、世界初の深海6,000mからの採掘技術開発を進め、2026年1月に試掘、2027年1月に大規模な採鉱試験を計画し、将来的な社会実装と商業化を目指しています。 南鳥島深海のレアアースの特徴世界最高レベルの濃度: 中国の陸上鉱山と比較して約20倍の品位を持つ「超高濃度レアアース泥」が発見されています。 ◎豊富な資源量: 約100平方キロメートルの有望エリアだけでも、日本全体の年間需要の数十年から数百年分に達する莫大な資源ポテンシャルがあります。 ◎クリーンな資源: 鉱山から採掘されるものとは異なり、放射性物質を含まないクリーンな資源であることが期待されています。 ◎魚の骨が生成に関与: レアアース泥に含まれる「アパタイト(リン酸カルシウム)」が、魚の歯や骨の堆積物と関連していることが分かっています。 ◎マンガンノジュールとの併存: レアアース泥に加え、コバルトやニッケルを含む「マンガンノジュール」も豊富に存在しており、電気自動車のバッテリーなどにも不可欠な資源です。 開発の背景と目的経済安全保障の確保: レアアースの多くを中国からの輸入に頼っている現状を脱却し、国内資源の開発・備蓄を強化することが目的です。 ◎脱中国依存: 中国の輸出規制などによるサプライチェーンの不安定化に対応するため、国産資源の確保が喫緊の課題となっています。 ◎カーボンニュートラル社会の推進: 小型モーター用磁石や燃料電池など、クリーンエネルギー技術に不可欠なレアアースを安定供給することが期待されています。 今後の開発スケジュール(予定) 2026年1月: 南鳥島沖水深約6,000mでの試験掘削開始。 2027年1月: 1日あたり約350トンの採鉱・揚泥試験を実施。 2028年度以降: 商業生産体制の整備と本格的な商業生産の準備を進める。 技術的課題と対応深海からの大量揚泥技術: 天然ガスや石油とは異なり、固体であるレアアース泥を大量に揚泥する世界初の技術開発が進められてい...