地方自治体の首長の解任騒動の多さに唖然とする。
<静岡県伊東市の田久保真紀前市長(55)の失職に伴う市長選が14日、投開票され、前市議の杉本憲也氏(43)=国民推薦=が初当選した。田久保氏は「しがらみや利権の構図を断ち切り、新しい市をつくりたい」などと訴えたが、及ばなかった。 14日午後11時ごろ、当選確実の一報を聞いた杉本氏は支援者が集まる会場に訪れ、歓声に包まれた。「止まってしまった市政を前に進める。伊東市を変えてみせる」と決意を語った。 市長不在で、政策が進まない市政停滞への焦りから「市政の健全化」を訴えてきた。選挙期間中にも東北地方などで地震が発生。「リーダーが災害時にいないことの恐ろしさをより感じた」と語った。9人による混戦のため票が分散し、どの候補も当選に必要な法定得票(有効投票総数の4分の1)に届かず再選挙の可能性も指摘されていたが、「一発で決めるしかないという思いだった」と述べ、安堵(あんど)の表情を見せた。 杉本氏にとって、田久保氏の学歴詐称疑惑発覚から半年間にわたって混迷した市政の立て直しが最優先の課題となる。観光業の活性化や物価高対策など市民生活に直結する課題も山積している。田久保氏の失職で市長ポストは空席だったため、公職選挙法の規定で杉本氏は当選が告示される15日に市長に就任する。 今年2度目となる市長選には、杉本氏のほか、田久保氏と小野達也元市長(62)=自民推薦=の市長経験者ら過去最多となる計9人が立候補した。当日有権者数は5万6348人、投票率は60.54%で前回の49.65%を上回った。再選挙の可能性も指摘されていたが、最多得票となった杉本氏が法定得票を上回り、市政のかじ取りを担うことが決まった。 ■田久保氏は報道陣の取材に応じず 田久保氏は開票結果の確定後、報道陣の取材に応じる予定だったが、15日午前1時を過ぎても応じなかった。陣営によると、「SNSでメッセージを出す予定」としている。 落選した小野氏は、事務所で支持者を前に「私の力不足。結果を受け止める」と頭を下げた。1万1千票近い票を獲得し、杉本氏に2560票差まで迫ったことに感謝を示しつつ、敗因について「有権者が、過去に戻すことより若い力で前に進むことを選んだ」と分析した。 混乱が続いた市政について「これ以上の対立は避けなければならない」と強調。杉本氏に対しては「若いだけにパワーはある。分断を起こすようなことは...