全国的な高校再編・改廃を批判する。
<鹿児島県の高校教育が岐路に立っている。多くの公立高は定員割れが常態化しているのに対し、私立高や通信制課程は、授業料の実質無償化や不登校の増加を背景に存在感を増している。さらなる少子化で先行きが見通せない中、揺れる現場の実情を追った。 年間で4000万円超。さつま町が、町内唯一の高校である薩摩中央高の支援事業に充てる予算額だ。本年度は県外からの地域留学強化や、空き教室を利用した公営塾設置などを計画している。 同校の振興対策協議会には、町長や商工会代表などが名を連ね、支援や魅力発信に取り組む。昨年12月中旬には生徒向けに町内企業説明会を開催。地元就職増加とキャリア教育充実を図った。 薩摩中央は2005年、宮之城と宮之城農業を再編統合して開校した。普通科や農業工学科など4学科で再出発したが、現在の生徒数は定員の5割以下。地元中学からの入学者は2割にとどまる。 協議会は昨年3月、学校の魅力強化に向けた助成制度を求める要望書を県に提出した。上野俊市町長は「地域に活気を与える県立高は欠かせない。町だけが注力しても、学校存続は簡単ではない」と漏らす。 ■□■ 県教育委員会は03年に高校再編基本計画を発表。1学年4~8学級を適正規模に設定し、11年までに宮之城など県立高18校を廃止、薩摩中央や鶴翔(阿久根市)など8校を新設した。 だが、より存続条件を厳格化した「振興方針骨子」案には地元自治体が反発。県教委は案を撤回し、15年の楠隼(肝付町)を最後に統廃合や新設は行われていない。 地元高の存続に危機感を抱いた自治体は、通学費や寮費の補助、スクールバス運用などに予算を割く。それでも定員割れは続き、県市長会会長を務める南さつま市の本坊輝雄市長は「県立高なのに自治体任せが続いてきた。てこ入れが遅れ、厳しい現状を招いた。少子化を踏まえると再編は避けられない」と批判する。 県教委は昨春、県立高の将来ビジョン検討委員会を設置。自治体関係者として上野町長や本坊市長も委員に入った。12月中旬の第5回会合では「学校を集約すれば1校当たりの運営費が増え、教育環境を充実できる」「適正規模の基準が必要」と改革を求める意見が相次ぎ、再編を視野に入れた議論が動き出した。 ■□■ 全国では...