「ジャングルの掟」が支配する世界にはならないし、してはならない。
< 「ジャングルの掟」が支配する世界に アメリカとイスラエルが、国際法をものともせずにイランへの先制攻撃に踏み切り、最高指導者を殺害。ロシアは、4年にわたりウクライナへの無法な侵略を続け、中国は、武力侵攻の可能性をちらつかせながら台湾を威嚇するーー。 現代の世界は、あたかも弱肉強食という「ジャングルの掟」が支配する世界に逆戻りしたようだ。力がすべてを支配する競争社会の到来。自分の身は自分で守らなければならない。各国は防衛力を強化し、核兵器の開発や保有、核戦力の増強を視野に入れる国も増えてきた。3月2日、フランスのマクロン大統領は「自由であるためには恐れられる存在でなくてはならない」と演説。保有する核弾頭の数を増やし、核兵器を搭載する軍用機の同盟国への配備を認める方針を打ち出した。これも、ジャングル化した世界で、フランスとヨーロッパの同盟国の生き残りを目指す動きの一環だ。 もちろん、日本も例外ではない。それどころか日本は、中国・ロシア・北朝鮮という核兵器を保有する権威主義国家に囲まれるという、厳しい地政学的な環境にある。この厳しい安全保障環境の中で、日本の平和と繁栄を維持し、国民の生命と財産を守るためだとして、高市政権は、防衛力の抜本的な強化と防衛費の大幅な増額を打ち出している。 こうした中で、いま静かに浮上しているのが「原子力潜水艦の導入」に向けた議論だ。 小泉進次郎防衛大臣や防衛大臣経験者の木原稔官房長官は、記者会見で、原子力潜水艦の自衛隊への導入の可能性を問われると、「あらゆる選択肢を排除しない」と答えるのが常になった。これは、将来の原子力潜水艦保有の可能性に含みを持たせた発言だと受け取られている。ただ、この議論は突然出てきたものではない。 '25年の9月19日、防衛省が設置した有識者会議は、防衛力の抜本的強化に関する報告書を提出し、その中で「VLS・ミサイル垂直発射装置を搭載した潜水艦について、次世代の動力の活用の検討も含めた研究・技術開発を行うべきだ」と提言した。次世代の動力とは、原子力のことにほかならない。 また、同年10月20日に自民党の高市総裁と日本維新の会の吉村代表が取り交わした連立政権合意書でも、「わが国の抑止力を大幅に強化するため、反撃能力を持つ長射程のミサイルを搭載し、長距離・長期間の移動や潜航を可能とする、次世代の動力を...