次世代兵器のカギは核開発ではなく、AI搭載兵器の開発競争だ。
< <トランプ政権の要求を拒否したアンソロピックの姿勢が、AIの安全性や倫理を問い直す契機に> 米軍に最先端のAI技術を提供していた開発会社アンソロピックが突然「国家安全保障に対するサプライチェーン(供給網)上のリスク」に指定され、2億ドル規模の契約を解除された。いったい何があったのか。 アンソロピックは2021年に、当時オープンAIの幹部だったダリオ・アモデイらが起業した会社。国防総省は、米軍が同社の技術を「制約なし」で利用できることへの同意を求め、金曜日である2月27日午後5時01分を回答期限としていた。 しかしアンソロピックはこの要求を拒否した。すると国防長官のピート・ヘグセスはX(旧ツイッター)上で同社を「サプライチェーン上のリスク」に指定すると発表。さらに「アンソロピックは傲慢と裏切りの手本を示しただけでなく、米国政府や国防総省とビジネスをしない方法も教えてくれた」とこき下ろした。 AIが軍事面で果たす役割は大きくなる一方だが、とりわけ人命に関わる場面での運用に関しては重大な懸念がある。ドナルド・トランプ大統領が軍隊を国内に出動させ、公海上で「麻薬運搬船」を攻撃して150人以上の命を奪っている今はなおさらだ。それはアメリカに限らない。どの国の軍隊も、戦場での作戦にAIを導入しつつある。だが野放しでいいのか。AIはどこまで信用できるのか。信用できないなら、どうやって規制すべきなのか。 アンソロピックは以前から、自社の大規模言語モデル(LLM)「クロード」が自国民の無差別監視や完全自律型の殺傷兵器に利用される事態を恐れ、それはレッドライン(越えてはならない一線)だと表明していた。 そのため国防総省の要求にも応じなかった。回答期限が過ぎた後には同社CEOのアモデイがCBSの取材に応じ、「こうしたレッドラインを越えることはアメリカの価値観に反する」と説明。「当社はこれまでこの国とその安全保障のために行動してきた」とした上で、「時の政府に異議を唱えるのは最もアメリカ的な行為」だと言い切った。 最高に破壊的な軍拡競争 しかしヘグセスはX上で、国防総省には「この国の防衛に関わる全ての『合法的』目的のためにアンソロピックのAIモデルを完全かつ制約なしで利用する権利がある」と主張。また、同省の技術責任者のエミル・マイケル国防次官もXへの投稿でアモデイを「神様気...