外国人労働移民を入れなければ日本経済が成り立たない、と衰亡論を展開するのは「為にする」議論だ。
<世界中のほとんどの地域で、少子化が進行している。日本がしばしば少子化対策について「見習え」と言われている北欧やフランスにおいてさえ、実際のところ決して子どもの数が多いわけではなく、「先進国の中ではマシ」という程度にすぎない。 だがそれでも、少なくとも今世紀のどこかまで人類の数は増え続けると予想されている。アフリカ、とくにサハラ以南では人口爆発が続いているからだ。 経済発展が進むと少子化していくように思われがちだが、ポール・モーランド『人口は未来を語る 「10の数字」で知る経済、少子化、環境問題』は、出生率の高低を考える上で重要なのは「価値観」だという。どういうことなのか? 少子高齢化により、どんな未来になるのか 農業が中心だった国で人口爆発が起こり、あふれ出た人々が町に流れ、都市が次々と出現する。はじめは農業で吸収しきれない過剰人口が農村を離れ、しかし人口爆発が止まったあとも都市は高賃金の仕事や刺激的な人生を送れるかもしれないチャンスなどによって人々を吸収し続ける。農村に残った人々も以前ほど多くの子を持とうとしなくなり、人口減少が始まる。農村は小村になり、あるいは家が数軒だけの集落になり、やがては廃屋が増えていく。地域の人口が一定レベルを下回ると学校が閉鎖され、幼い子のいる家族が入ってこなくなり、今いる家族も外に出始める。路線バスや食料品店といったインフラも次々に廃止・閉鎖され、地元企業が立ち行かなくなる。過疎化が進むと投資を呼び込めず、輸送・交通インフラも維持できなくなっていく……。 現代日本の話だと思っただろうか? 『人口は未来を語る』は、これらは19世紀のイギリスでも起こり、現代のナイジェリアでも起こっている、世界中で確認されてきた現象だ、と語る。都市への人口集中と農村・地方の空洞化、少子高齢化は日本だけの問題ではない。 なぜ少子化は進み、労働力が余剰な国・地域からの移民受け入れに多くの国が積極的にならざるをえないのか。近い未来には、移民によって多くの国の人口構成ははたして変わってしまうのか。少子高齢化が進むことで何か「良いこと」はあるのか。 「価値観」が出生率を左右する 多産から少子化へとその社会が向かうときに伴うのが教育の普及、とくに女子教育の普及だ、とモーランドは言う。一般的にいって、高学歴の女性は自分の目標やキャリアを追求し、あまり多くの...