「安貧楽道」は孔子の教えだが。
<中国の王毅外相は北京でフランスのバロ外相と会談し、第2次世界大戦の戦勝国として中国とフランスは、台湾問題を巡って日本が「波風を立て」、歴史的な過ちを繰り返すことを許してはならないと述べた。中国外務省が声明で明らかにした。
王外相はフランスが中国の「正当な立場」を今後も理解し、支持し続けることを望むとともに、そう信じていると述べた。
さらに、両国は国連安全保障理事会の常任理事国として、意思疎通と協力を強化し、共通の責任を果たすべきだと強調した。
中国外務省の声明によれば、マクロン仏大統領の訪中は、両国間の戦略的な相互信頼と協力関係をさらに強化することが期待されている。>(以上「Bloomberg」より引用)
学校のクラスで最も嫌われるのは告げ口をする子供だ。世界で最も嫌われるのも公家口をする国だということが王毅氏には解らないようだ。「中国の王毅外相、台湾・日本問題でフランスの支持求める」との記事を見て、中国の外交の最高幹部がこれでは中国は終わったな、と慨嘆するしかない。
王外相はフランスが中国の「正当な立場」を今後も理解し、支持し続けることを望むとともに、そう信じていると述べた。
さらに、両国は国連安全保障理事会の常任理事国として、意思疎通と協力を強化し、共通の責任を果たすべきだと強調した。
中国外務省の声明によれば、マクロン仏大統領の訪中は、両国間の戦略的な相互信頼と協力関係をさらに強化することが期待されている。>(以上「Bloomberg」より引用)
学校のクラスで最も嫌われるのは告げ口をする子供だ。世界で最も嫌われるのも公家口をする国だということが王毅氏には解らないようだ。「中国の王毅外相、台湾・日本問題でフランスの支持求める」との記事を見て、中国の外交の最高幹部がこれでは中国は終わったな、と慨嘆するしかない。
つい先日まで日本の外交も終わっていたが、現在の茂木外務大臣は日本の立場を代表していうべきは云う態度に徹して頼もしい限りだ。さて、フランスで告げ口外交を展開した王毅氏だが、果たして効果があっただろうか。昨年来、EU諸国は中国の集中豪雨のようなEVの押し売りにより悲鳴を上げている。今年に入ってEU諸国はEVからハイブリッドに乗り換えつつある。ドイツでは早くもガソリン車の生産に切り替えつつある。
先進諸国は中国を生産拠点として多大な投資をしてきたが、コロナ禍で医療物資のサプライを中国が止めたことにより、先進諸国は中国に依存するリスクの排除に動いている。今年に入って対中外国投資は対前年比80%以上も減少し、対中デカップリングの流れは確実になっている。その流れはフランスでも変わらない。
フランスを含め先進自由主義諸国が中共政府が主張する「一つの中国」を否定していないのは、中国の廉価な労働力と巨大な消費市場に魅力があったからだ。しかし中国依存のリスクを排除する動きに出ている現状では、中共政府に配慮する必要などない。王毅氏の告げ口に対して、マクロン大統領は曖昧な笑みを浮かべて曖昧に頷いただけだろう。それが外交というものだ。
国連でも中国は告げ口を事務総長に書簡で出したようだが、事務総長はその告げ口を会議の議題にしなかったという。もちろん日本の国連代表も高市政権の支持により中国の告げ口に対して反論書簡を事務総長に提出した。
そうすると中国はロシアと一緒になって「我々はサンフランシスコ条約を認めていない」などと暴言を吐いた。確かに中国とロシアは日本の独立を認めたサンフランシスコ条約に署名していない。それはサンフランシスコ条約で日本が放棄すると記した戦前に併合した版図もすべて戦前のまま日本領土ということになる。つまり台湾も北方四島のみならず千島列島から樺太の南半分も日本の領土のままだ。国連大使ともあろう人物がサンフランシスコの内容すら知らないとは驚くしかない。
散々「戦狼外交」で先進自由主義諸国を怒鳴り散らしてきた王毅氏がフランスに渡って告げ口外交するとは今昔の感を深くする。現在の中国は経済成長が止まり、債務超過の重圧に国家が押しつぶされようとしている。「貧すれば鈍する」とは日本の諺だが、そうはなりたくない、という反語だ。
儒教の教えに「安貧楽道」がある。儒学は江戸時代に武士の学問として奨励された。下級武士の多くは貧困に苦しんだが「安貧楽道」の教えに従って清貧に甘んじた。もちろん儒学は孔子の教えだが、本家本元の中国では廃れている。その代わりに孔子の名を冠する親中外国人養成機関に堕した「孔子学院」が世界各地に創設されている。実に罰当たりな行為というしかない。その代わり現在の中国では孔子の教えではなく、義務教育から北京大学に到るまで習近平思想を学んでいるという。嘆かわしい限りだ。