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企業は国内回帰し労働生産性の向上に投資せよ。

 営業利益では、ハスマンの新規連結による利益増が24億円。材料合理化や価格低下などで110億円の増益。だが、液晶パネルやICT向けデバイスなどの売上減で60億円減、急激な円高進行に伴う減益が70億円。「為替の影響や売上減は、材料合理化などの取り組みでおおむねカバーした」という。熊本地震の第1四半期業績への影響は、売上高でマイナス100億円、営業利益でマイナス30億円。とくにAVCネットワークスおよびオートモーティブ&インダストリアルシステムズの業績に影響したという。  第1四半期の固定費は101億円となったが、「その増加のうち、大部分が先行投資によるものであり、当初計画通り、住宅、車載、BtoB関連事業において、人員増強や先行開発などを実施した」と述べた。  なお、社内管理は第1四半期からIFRSベースとしており、今回は非監査としながらも、IFRSベースでの数値を公表。米国会計基準の営業利益に近い項目である調整後営業利益は、49億円減の768億円。IFRSベースの営業利益は56億円減の718億円となった。  セグメント別業績は、IFRSベースで説明した。アプライアンスの売上高は前年比2%増の6720億円、セグメント営業利益は189億円増の423億円となった。為替影響を除く、実質的な業績は7%増になった>(以上「日経新聞」より引用)  企業は国内投資に回帰すべきだ、と繰り返しこのブログに書いてきた。経営者は短期的利益を最大化するのに囚われるのではなく、企業の長期的戦略としての成長戦略を忘れてはならない。  成長するためには企業技術の蓄積と研磨は欠かせない。それは形としてあるものよりも労働者に受け継がれるものの方がはるかに大きい。生産技術や開発力は企業は労働者に蓄えられている、という事実を忘れてはならない。  世界に冠たる日本企業は「家族経営」的な側面があったはずだ。終身雇用制度により技術が受け継がれさらに磨かれていた。しかし生産現場が派遣労働にとって代られると短期的な利益は最大化できても、技術や開発力は途切れてしまう。つまり長期的な損失は計り知れない。  日本の労働賃金で安価な地域の労働力により生産している同業他社に勝てない、という理屈で海外展開するのは安直に過ぎる。労働賃金の高い日本国内で生産し、なおかつ競争力を持つには製品当たり労働単価を引き下げれば良いわけ

すべての子供に国民としての「保障」を。

 191人のうち1人は就学していなかったが、6月に無戸籍状態が解消。残り190人について「学力や学習状況」を聞くと「課題がある」とされたのは45人(23・7%)。内容は「家庭学習の習慣がない」「忘れ物や遅刻、欠席が多い」などで、小学校に就学していない期間がある7人のうち5人を含む。文科省の担当者は「相当数の学力に課題がある。一人親や貧困、未就学期間などが影響しているのではないか」と話す。  スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの支援は3~4%にとどまり、前回からほとんど増えていなかった。一方、半数程度が戸籍の取得に向けた支援などを受けていた。生活保護など経済的に苦しい世帯の子は約4割で、前回と同傾向だった。  子どもが無戸籍になる背景には、前夫から暴力を受けて避難した女性が子を産んだ際に出生届を出せないことなどがあるとみられている。民法に「離婚後300日以内に生まれた子は前夫の子と推定する」という規定があるためだ。一人親だったり、貧困に苦しんでいたりするケースが多いという>(以上「朝日新聞」より引用)  昨日2才児を父親が保育園に届け忘れて会社へ出勤して車内に放置したため熱中症で死亡させる「事故」が起きている。なぜ保育園は連絡のない「欠席」の理由を母親なり父親に一言電話をして聞かなかったのだろうか。もちろん子供を届け忘れた父親は注意緩慢だが、そうしたチョットしたことを忘れる「病気」もあることを理解すべきかも知れない。  しかし戸籍のない子供たちの知能が平均的に劣るというのは切ない。無戸籍になる原因の主なものは前夫から妊娠中にDVを受けて避難した際に出生届を出せなかったために起きたようだ。民法の規定上、離婚後300日以内に生まれた子は前夫の子と推定する、という規定があるためだという。  妊婦がDVで避難した場合の出生届の取り扱いの「特例」を早急に整備すべきだ。母親が望まない夫を民法が規定するのはどうかしている。それは戦前の「家」を中心とした考え方の残滓でしかない。今ではDNAで父親を確定することができる。民法が推認する必要はない。  両親の問題で子供の未来に影響が出るのは避けなければならない。ことに教育は子供の将来に大きな影響を与える。家庭教育ができる環境にないとしたら、公的な機関がそうした環境を子供に与えるべきではないだろうか。そのための保育園であ

日銀緩和策も手詰まりだ。

 銀行が日銀に預けるお金の一部にかけるマイナス金利は年マイナス0.1%で維持した。黒田東彦総裁は29日午後に記者会見し、今回の決定理由を説明する。追加緩和は9人の政策委員が賛成多数で決定。ETFの買い入れ拡大には佐藤健裕委員、木内登英委員が反対した。  追加緩和は1月に決めたマイナス金利政策の導入以来、約6カ月ぶり。黒田総裁の就任以降、4回目の金融緩和になる。ETFの買い入れ拡大に加え、日本の企業や金融機関のドル資金の調達を支援する仕組みも全員一致で決めた。  企業が海外事業を広げる際に必要なドルを日本の金融機関経由で供給する制度の強化だ。2012年に始まった制度で、限度額を従来の120億ドルから240億ドルに倍増した。日銀が金融機関にドルを供給する別の制度でも、円を事実上の担保としてドルを引き出せるようにする。  日銀が世の中に供給するお金の総量に当たるマネタリーベース(資金供給量)の増加ペースは年80兆円で据え置く。年80兆円の国債、年900億円の不動産投資信託(REIT)の買い増しペースも維持する。黒田総裁は次回の決定会合までに現行の金融緩和の総括的な検証を実施することを執行部に指示した。  日銀は「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」も公表。2016年度の消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く)の上昇率は前回4月の0.5%から0.1%に下方修正。17年度は1.7%のままで変えず、物価目標の達成時期も「17年度中」を維持した。  今回の追加緩和決定には、安倍首相の経済政策「アベノミクス」を再始動させるため、政府と協調する狙いもある。政府は8月2日に事業規模28兆円の経済対策を閣議決定する。日銀は発表文に「緩和的な金融環境を整えることは政府の取り組みと相乗的な効果を発揮する」との認識を明記。財政と金融政策の組み合わせで景気を底上げし、市場、家計、企業の日本経済に対する期待を上向かせたい考えだ>(以上「日経新聞」より引用)  上場投信の買い入れ枠を従前の2倍の6兆円としたが、投資家からは規模が期待外れだったとして為替市場では一時102円台まで買い進まれ、株式市場も300円ほど値下がりした。しかし日銀の金融緩和策は既に手詰まりで、これ以上のマイナス金利を進めると銀行の財務が痛むため、進めることは困難だ。  つまり公定歩合を最大の武器としている日銀が公定歩合を

引いて足せば同じ事、ではない。

 同日の自民・公明両党の会議に示した。8月2日に閣議決定する。事務費を含めて約3700億円を秋の臨時国会に提出する今年度補正予算案に計上する。  簡素な給付措置は、消費税率を8%に引き上げた2014年度から低所得者対策として始まった。今年度は、1人あたり年6千円が配られる。税率10%への引き上げが19年10月に再延期されたことから、来年4月から約2年半分を前倒しして、まとめて配る。給付措置は軽減税率を導入する10%時に終了する方向だ>(以上「朝日新聞」より引用)  低迷する個人消費は消費増税により可処分所得を税として一部を政府が奪い取ったからだ。その穴埋めとして一人当たりこの6月に3万円を支給したばかりだ。しかし中学の数学の「解の公式」のように足して引けば同じ事、というわけには経済ではならない。  なぜなら人為的な「税」として値上げされた食糧費などが低所得者の暮らしを日々脅かしている事実は消えないからだ。さらに政府主導でスーパーなどで税額を外税で表示するように指導したためレジで支払う段階で消費税の重さを改めて思い知らされる。  消費が低迷している原因は消費増税だけではなく、所得が伸びていないことにも起因している。ことに低所得者の所得は伸びていない。政府が所得を保証している公務員だけは全国的に確実に所得が引き上げられたが、地方の低所得者つまり非正規労働者の所得は増加していない。  それも安倍自公政権が実施した「非正規派遣業」の拡大と「残業代ゼロ法の施行による。時給の最低賃金を1,000円にするという掛け声だけでなく、実際に一日も早く1,000円に引き上げるべきだ。働いたものが確実に報われる社会を取り戻すことが何よりも必要だ。  税制で政府やマスメディアは国民に「日本の消費税率は低い」と嘘を吐いてきた。確かに一般消費税率は低いが食料品や教育費や医療費に関しては世界一だ。かの世界一消費税率の高い税率25%のスウェーデンですら、食料品に対しては7%と日本よりも低いし、教育費や医療費は「無料」だ。  政府やマスメディアが日本の消費税は低率だという大ウソの宣伝を国民は許してはならない。「嘘を吐くな」と政府やマスメディアに抗議しよう。そして安倍自公政権に対して「引いて足せば同じこと」は数学の「解の公式」の証明には有効でも、経済政策としては公務員の手間暇を増やし公務員コストを

鳥越氏に対するマスメディアのネガキャンは選挙妨害だ。

 「変わりません、もちろん。それ以上の話はやめてください」  --昨日、増田さんの決起大会で、石原慎太郎さんが鳥越さんに対して売国奴と言っていた。それに対しては  「まあ石原さんの言葉ですからね。何が出てきても驚きません。私は売国ではありませんし、日本人ですから。日本人としてのプライドを持っていますから。そんなことを言われても別に驚くことはない。他の人から言われたのであれば、『え、あなたが』と思いますが、石原さんなら何を言われても驚きません」  --増田寛也氏、小池百合子氏に関して怒っていることがあれば  「小池さんについては核武装が選択肢として十分にあり得るというふうな表現で。その雑誌見ましたけどびっくりしましたね。核武装は十分にあり得るというような人が東京都知事になる資格はないと思います。被爆国日本の首都、東京のトップになる資格はない」  「それからやはり原発の問題はね、福島で全く解決の道がなく、今でもずっと問題が続いている。原発というのは一回事故を起こしたら人間の手に負えない存在ですから、僕は脱原発、最終的には廃炉ということを電力会社に申し入れることを公約としている。増田さんは東電の社外取締役をこの7月までしていたのだから無理でしょ、ということを言っている」>(以上「産経新聞」より引用)  売国奴という表現をするなら「自民党政権」は終始売国奴政権だった。米国による日本支配を暗黙の了解として、米国による内政干渉を許してきた。マスメディアも「売国奴」を告発するのではなく、「売国奴」に手を貸してきた。  行政府だけではない。司法府も「コ-チャン氏への嘱託尋問」を合法化した時点で米国に日本の司法権を売り渡した「売国奴」だ。米国発の田中角栄氏のロッキード事件は日本国内に田中氏の贈収賄を立件すべき証拠は何もなかった。そこで米国内での「嘱託尋問」ということになったが、それは米国の「司法取引」による「田中氏側の反論」のない、極めて証拠としては不誠実な証言でしかなかった。  それゆえ田中氏の死後、最高裁は「コーチャン氏の嘱託尋問調書」の証拠不採用、と決定して田中角栄氏のロッキード事件は「物的証拠ナシ」として無罪が確定している。しかし田中角栄氏は実質的にロッキード事件により政治家として日本政治から排除され、疑獄の被告人として病死した。  これほどあからさまな米国による内政干

安倍氏の経済対策は「国民の生活が第一」の政治に背くものだ。

(以上「日経新聞」より引用)  総額28兆円と、秋の補正は膨らましに膨らませたが、内容は財政措置は13兆円で、その内企業などへの融資を6兆円、リニア新幹線などのインフラや港湾改修や農業拠点施設などを重点的に行うという。  しかし需要不足の経済環境の是正策として実効性が疑問だ。なぜなら企業融資枠を増やしても企業に投資意欲がなければ融資を利用することはないだろう。インフラ整備にしても公共事業は安倍政権下で常に大判振る舞いで予算は消化不良を起こしている。  なぜ需要創出の保育士や介護士の給与を月額で五万円程度引き揚げないのだろうか。施設はあっても働く人手がなくて帆世襲を削減している所もある。施設定員を増加させても、受け入れる保育士等が不足していれば新規募集をかけることは出来ない。  そして施設利用料金が安倍自公政権下でじわじわと引き上げられ、老人介護施設に入所するのに月額15万円程度の負担が必要だという。それに雑費負担などを含めると総額で月に17万円程度必要となり、厚生年金受給者の年金では入所が困難になっている。  保育園も共稼ぎで5万円超の負担を求められて、母親がやむなく退職する例もある。幼稚園なら1万円程度で済むため、母親がフルタイムの職を退職して幼稚園に通わせ、非正規やパートタイムに出るのも多いと聞く。  なぜ保育園料に国費補助を入れてを1万円程度に抑えられないのだろうか。幼稚園と同程度の料金にすべきではないだろうか。安倍自公政権が「総活躍社会」と謳ってそうした労働不足や働く女性を守る、というのなら予算の配分にそうした箇所に手厚くすべきだ。  なんやかやと理屈をつけながら、先の選挙でお世話になった業界にペイバックするような旧時代の補正予算で需要が創出できるとは思えない。しかも「総活躍社会」と謳いつつ、最も弱者の子育てマザーに厳しいままなのは何だろうか。  貧困層にも等しく税負担させる消費税を増税して、企業や業界団体に配分する補正予算は「国民の生活が第一」の政治に背を向けるものだ。それは国民生活をないがしろにするものでしかなく、この政権に国民の支持が58%もるという大ウソを報道するマスメディアにはウンザリだ。

No title

 向大野氏によると、植松容疑者は2月14日に議長公邸を訪れ、議長宛ての手紙を渡そうとしたが公邸職員に受け取りを拒否されたため、翌15日も再び訪問。その際、土下座などの不審な行動を見せ、立ち退く様子がみられなかったため、職員が手紙を受け取ったと説明した。  衆院事務局は、手紙の内容から同日中に警察に通報。16日には、警察から、「植松容疑者に厳しく注意した」との趣旨の連絡があったことも明らかにした>(以上「時事通信」より引用)  神奈川県立障害者施設で凄惨な事件が起きた。26才の元職員が大勢の障害者を刺し、19人を殺害し、26人に傷を負わせた。  動機は「意思疎通できない障害者はいなくなれば良い」と思ったという。「ジジイ、ババアはいなくなっても誰も困らない」とも言っていた。  2012年12月に臨時職員として障害者養護施設に就職し、翌年4月に正職員になったという。しかし今年二月に自主的に退職したというが、勤務していた間に障害者に度々暴力をふるっていたようだ。  衆議院議長宛の手紙を手渡すために議長公邸を訪れたという。その手紙には今回の刺殺事件を思わせる「作戦内容」を書いている。  手紙の内容の異常性から警視庁は神奈川県警に連絡し、神奈川県警は相模原市は通知し、今年二月19日に施設を退職した植松某を精神病院に「措置入院」させ、体内から大麻使用の陽性反応があったという。  しかし植松某は10日ほどで精神病院を退院し、その後は野放しになっていた。常にハイテンションで支離滅裂な主張を繰り返しツイッターにアップしていたという。  その動画は削除されているようだが、当時のものがテレビにニュースの一部として流れていた。確かにハイテンションで意味不明な自己主張を繰り返し、体に入れた「刺青」を見せびらかしたりしている。  この異常な青年を生み出した家庭や彼の周囲にいた人たちはいったい彼にいかなる接し方をしてきたのだろうか。植松某は大学を出て教師になりたかったようだが、「刺青」によりその道を閉ざされたと呟いているが、教師を目指すような能力があってそうした社会常識がなかったのだろうか。  施設は防犯カメラを16大増設し警察も警戒をしていたが、植松某による大量刺殺事件を防ぐことは出来なかった。肉体的・精神的に自立できない障害者に対して「生きていても仕方ない」などといったジコチューな妄想に

中国の「やり得」を許してはならない。

(以上「毎日新聞」より引用)  中国は南シナ海の覇権に関して国家的な名誉にかけて仲裁裁判所の裁定を認めるわけにはいかないのだろうが、世界は中国の無法行為を黙認してはならない。中国は世界の中で存在している、という認識を中共政府に認識させるために世界は連携すべきだ。  アセアン会議では親・中国のカンボジアなどに中国が働きかけて「南シナ海」という文言を書き込まないようにと、中国包囲網の形成を阻止したようだ。そうした働きかけに応じる国のだらしなさには驚くが、日本はそれに怯まず中国包囲網の罫線に全力を挙げるべきだ。  そして国際的な機関の裁定も聞き入れないことに対して、日本は国連安保理に提訴すべきだ。安保理は紛争の処理を行う機関だから、その安保理の常任理事国が紛争の種になっていることを西洋諸国に認識させるためにも提訴しなければならない。  中国の「やり得」を許してはならない。そうした恥知らずな「やった者が勝ち」ということかまかり通れば、国際秩序は破綻する。そのための国連であり、国連の最大の機関「安全保障会議」ではないだろうか。  ロシアのドーピング問題もしかりだ。世界は選手の健康のために薬物で筋肉を増強したり興奮させたりするのを禁止している。それに反して薬物を使用して「バレなければ良い」という考え方が国家ぐるみだったというのには驚くし、それに対するペナルティを緩和しろと騒ぐのにも驚く。  選手がかわいそうではないか、という風潮も強いようだが、ロシアの国家ぐるみのドーピングが露見したのは「選手による内部告発」だったことを忘れてはならない。他の選手は知って素知らぬ振りをしていたことになるが、それでも選手たちがかわいそうだろうか。薬物使用をしないでドーピング選手に敗れた選手もいることを忘れてはならない。断じて無法の「やり得」を許してはならないのだ。  日本は法に従うことが必要だ。いかに解釈であろうと、一政権が改憲してはならない。立憲主義国家であるなら順序をたがえては「無法」になることを政治家が自ら示すべき立場ではないか。  岸田外相もアセアンでほかの国の外相に中国包囲網を築こうというのなら、まずは自らの内閣がやっている憲法無視に対して自らは言及すべきだろう。「やり得」を許してはならない。

G20と経済安定「構造改革でリスクに備えよ」、という読売新聞の社説は正常か。

 G20が中国で開かれたことに対する読売新聞の社説だが、世界的なデフレ化を招いている張本人は中国だ。たとえば鉄鋼で中国は年間8億トンも生産しているが、中国内の需要は4億トンでしかない。ちなみに日本の年間需要は1億トン程度だ。  つまり中国は国内消費の実に二倍もの供給過多に陥っている。そのシワ寄せで世界へ安価にして粗悪な鉄鋼を垂れ流し状態で輸出し、米国をはじめ日本までも甚大な影響を被っている。  そうした供給過多状態に陥っている中国に対して今回は「注文を付ける」G20になければならなかった。開催場所も中国と、そうした環境は整っていたにもかかわらず、日本をはじめ参加各国は英国のEU離脱に焦点を当てたピンボケ議論に終始した。  そして挙句の果てが読売新聞に代表される「構造改革」・グローバリズムの推進こそが必要だと主張している。狂っているとしか思えない。  EUとTPPは全く類似している。経済や社会環境の国境をなくし、欧州が一体化しようというEU運動は最貧国の労働賃金への平準化をもたらし、労働移民により社会の激変をもたらした。  つまり国境を越えて金融取引は一極集中するが、同時に人の移動までも促進して国家のありようまでも変えようとする。国境の垣根を低くすることと、貿易の自由化とは全く別物だという事を忘れている、大変危険な議論をしているという認識のなさを危惧する。  TPPにより米国は日本の「共済」や「簡保」をターゲットにしている。もちろん日本の優れた医療保険制度がどうなろうと、米国の1%が儲かるのなら、日本国民の皆保険制度が崩壊しようと彼らは知ったことではない。  その一端として、混合医療を安倍自公政権は容認した。なぜ迅速な薬事審議を厚労省に促さないのだろうか。本末転倒がまかり通って、国民医療制度が徐々に崩されていく現実を日本のマスメディアは警鐘を鳴らすべきだが、彼らはそれも「構造改革」として歓迎しているようだ。  日本は誰のためにあるのか。それは日本国民のためだ。米国の1%のためにあるのではない。TPP参加により誰が得をするのか。それは決して日本国民ではない。  英国のEU離脱は英国民にとってマスメディアが散々報道したように、それほど「リグケット」すべきことだろうか。 いやリグレットしているのはシティーの金融で稼いでいた1%にも満たない人たちだ。ただ彼らがマスメディアの

IOCはオリンピック精神に恥じない団体か。

 「決定文を読めば、どれだけ参加へのハードルを高くしたかがわかる」。電話での記者会見で対応の甘さを指摘されたIOCのバッハ会長はこう主張した。他国のクリーンな選手に不公平ではないかとの質問に対し、「ロシア人選手の参加条件は厳しい」と何度も繰り返した。  五輪には冷戦時の苦い経験がある。米ソの激しい対立を受け、1980年のモスクワ大会では日米を中心とする西側諸国が、84年のロサンゼルス大会ではソ連や東独などがボイコット。「平和の祭典」が国際政治に屈した時期で、日本でも柔道の山下泰裕氏やレスリングの高田裕司氏が涙ながらにモスクワへの参加を求めた場面は有名だ。  冷戦終結後は参加国が増え、2012年のロンドン五輪の参加国・地域は204に上った。ロシア欠場はこの流れを変え、白熱するはずの競技に冷水を浴びせることになる。先に不参加が確定した女子棒高跳びの世界記録保持者イシンバエワ選手はソーシャルメディアで他国の選手に対し、「偽の金メダルを取ればいい」との皮肉を発信している>(以上「日経新聞」より引用)  ロシアのドーピング問題でリオ・オリンピックに全面出場禁止か否かの判断をIOCは行わず、「その方が望ましい」との意見を付して各競技団体に任せたようだ。しかし、それに対して欧米諸国はIOCの責任逃れだという批判が上がっている。  IOCへの批判は当たり前の話だといえば当たり前ではないだろうか。ロシアの国家ぐるみのドーピングがあった事実は国際的な反・ドーピングは各選手の競技に対する公平・公正な取り決めを破って、ロシアが「抜け駆け」をしていたことに対するペナルティが各選手に対するペナルティに緩和されたのは「選手を守る」ための反・ドーピング協定の精神を踏みにじむものではないだろうか。  国際的な取り決めがあろうと何だろうと、とにかく勝つことが「正義」だという価値観が優先されるのは危険だ。女子棒高跳びの世界記録保持者イシンバエワ選手はソーシャルメディアで他国の選手に対し、「偽の金メダルを取ればいい」との皮肉を発信している、というがドーピングしたロシア選手が獲得したメダルは「偽りのメダル」ではなかったのだろうか。  イシンバエワ選手はドーピングをしていなかったというのなら彼女が属しているロシア選手団が国家ぐるみでドーピングを行っていた事実に対するペナルティを回避することによりロシアの