もはや日本国民は自虐史観に踊らされて愚かしい「歴史認識」という言葉に叩頭する国民ではない。
<日中関係が急激に悪化した原因は、高市早苗首相の「存立危機事態」に言及した国会答弁にある ── 国内の世論はそう理解している。しかし、この解釈に東京財団の柯隆(かりゅう)氏は「日本の報道は国会答弁に気を取られすぎている」とし、真の発火点は別のところにあるとBusiness Insider JapanのYouTube番組「インサイダ」の中で指摘した。 柯隆氏の見立てでは、日中関係悪化のスタートラインは、2025年10月の日中首脳会談にあるという。一体どういうことなのか。 柯隆(東京財団主席研究員):1963年、中華人民共和国・江蘇省南京市生まれ。1988年来日、愛知大学法経学部入学。1992年、同大卒業。1994年、名古屋大学大学院修士課程修了(経済学修士号取得)。長銀総合研究所国際調査部研究員(1998年まで)。1998~2006年、富士通総研経済研究所主任研究員、2006年より同主席研究員を経て、現職。 日中首脳開題の「異例」 当時、中国政府は首脳会談の開催をギリギリまで明言せず、直前になってようやく応じると表明した。なぜ土壇場での決断だったのか。柯隆氏によれば、日本側が高市首相の冒頭発言の要旨を中国側に事前に伝えたからだという。 その要旨には「戦略的互恵関係」「中日関係重視」「実効性ある対話」という3点が盛り込まれていた。これを確認した中国の王毅外相がゴーサインを出し、習近平主席も応じた。 ところが首脳会談後の記者会見で、事態は一変する。 日本政府は、高市首相が会談で「香港と新疆ウイグル自治区の人権問題について深刻な懸念を表明した」と公表した。柯隆氏はこの公表内容を一目見た瞬間に「これは大きな問題になる」と確信したという。 柯隆氏によると、少なくとも当初、中国では、新華社通信も人民日報も日中首脳会談について沈黙することになった。唯一、CCTV(中国中央テレビ)が習主席の冒頭発言を短く報道しただけだ。 事前に見せられた要旨には含まれていなかったであろう人権問題への言及 ── 中国側からすれば、水面下で約束した話と高市首相の態度が違ったことで、そもそも「掛け違い」が発生した。 柯隆氏は「ここが発端」だと断言する。台湾有事をめぐるの11月7日の国会答弁が問題視されたのは事実だが、中国政府の怒りの本質は、首脳会談での「想定外の発言」にあったのだ。>(...