表現の自由には責任が伴うと同時に「公序良俗」に反してはならない。

<兵庫県の斎藤元彦知事は7日、定例記者会見を開いた。県は6月の会見で不規則発言をしたフリーの男性記者に対し、この日の会見への参加を認めない方針を伝えており、男性記者は参加しなかった。

 斎藤氏は会見で、参加を認めない理由について「6月の会見で社会通念上、容認しがたい発言があった」とした上で「これまで繰り返し行われた不規則、不適切な発言などを総合的に勘案し、円滑な会見運営の観点から現時点で受け入れは困難」と説明。最終的には自身が判断したとした。
 定例会見を県と共催する県政記者クラブは会見後、「多様な立場や視点を持つ記者が、それぞれの観点から質問することには高い公益性がある」として、知事の判断は受け入れられないとする声明を発表し、県側に提出した。
 男性記者はこの日、県庁を訪れたが会見への参加は断念した。県側から参加拒否の解除条件などを示されていないことから、「極めて不適切な判断。行政が口を挟むことではないはずだ」と話し、今後も参加の可能性を探るとした。
 この男性記者を含むフリーの記者については、県政記者クラブが基準に基づいて会見への参加の可否を決めてきた。男性記者は6月3日の会見で斎藤氏に対し、「人殺しやないか」などと発言。斎藤氏は発言の撤回を求め、名誉毀損(きそん)罪にあたるとして兵庫県警生田署に刑事告訴し、受理された。
 記者クラブは不規則発言の翌日、当面の間の男性記者の会見参加禁止を決定。その後、男性記者との面談や誓約書の提出などを踏まえて解除を決め、今月7日から参加できることになっていたが、県が6日に参加を認めない方針を伝えた>(以上「産経新聞」より引用)




 いかにフリー記者とはいえ、表現に責任が伴うことは百も承知のはずだ。だから「「現時点で受け入れは困難」兵庫の斎藤知事、「人殺し」発言のフリー記者の会見参加拒否」との判断に妥当性を認めざるを得ない。もとより、記者会見はフリー記者の個人的な思い込みを表明する場ではない。
 兵庫県の斎藤元彦知事の定例記者会見で不規則発言を行い、その後の会見への出席を認められなかったフリーランスの男性記者は著述家の菅野完(すがの たもつ)氏(51歳)で、県庁の知事定例記者会見中、別の記者が内部告発問題について質問していた際、菅野氏が亡くなった元県西播磨県民局長を念頭に「人殺しやないか、お前は」などと発言したという。

 元県西播磨県民局長が自死した因果関係は現在も明確になっていない。それに関して斎藤知事の記者会見中に「人殺しやないか、お前は」と罵声を浴びせるとは、余りに見識を欠く発言と言わざるを得ない。
 県知事記者会見は記者クラブが参加基準を定め、クラブ員(加盟社)以外のフリーランス等の記者が参加する場合、原則として記者クラブが定めた参加基準に基づき可否が判断されてきた。2026年6月にフリー記者が不規則発言(知事への「人殺しやないか」等の発言)を行ったとして、記者クラブが一時参加禁止を決定したが、その後フリー記者が謝罪・誓約書を提出したため、記者クラブ側は8月末に基準を満たしたとして参加を認めた。しかし2026年10月、共催者である兵庫県側(斎藤元彦知事)が、「不適切な発言などを総合的に勘案し、円滑な会見運営の観点から」として、知事の判断で同フリー記者の会見参加を認めない方針を示し、入室を拒否した、という経緯がある。

 現在、県知事は件のフリー記者に発言の撤回を求め、名誉毀損(きそん)罪にあたるとして兵庫県警生田署に刑事告訴し、受理されている。係争関係にあるフリー記者を知事記者会見への参加を拒否したのには相当の理由があると認められる。
 繰り返すようだが、2026年6月の定例会見で、菅野氏が他の記者と知事のやり取りを遮り「人殺しやないか」「人の死を愚弄するな」と大声を上げ、会見を中断させる事態となったのは知事記者会見を利用した知事への個人攻撃であり決して容認できるものではない。記者クラブ側から会見は説明責任を果たす場であり、多様な記者の参加に公益性があるとして、恣意的な記者選別の懸念から県の判断に抗議しているが、それこそがオールドメディアの思い上がりではないだろうか。記者会見の正常な運営を阻害したのは菅野氏であって、斎藤知事が暴言を浴びせたわけではない。

 現代社会では無理に記者会見を開くまでもなく、県庁のホームページを通して知事の見解や県事業の予定などを告知できるし、パブリックコメントを公募することも可能だ。報道機関がニュース報道を一手に牛耳り、世論を主導する時代は確実に過ぎ去ろうとしている。
 現に高市政権は「ぶら下がり取材」を減らして、閣僚や総理大臣が政府ホームページから直接国民に語り掛けているではないか。そうすればオールドメディアによる「切り取り報道」や「報道しない自由」を阻止できるからだ。来年度の政府広報予算は今年度の倍以上となり、ますます政府のオールドメディア離れが推進されるようだ。それもまた「自由で公正」な広報のあり方ではないだろうか。

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