検査とギフテッドに理解を。
<◇「ギフテッド特性チェックリスト」は25項目中19項目に該当
――phaさんには、大石さんの25項目の「ギフテッド特性チェックリスト」にも取り組んでいただきました。
大石貴子(以下、大石):これはギフテッドだからといって全部当てはまるものではなくて、相反するような特性も入っているので、100点を目指すものではありません。とはいえ、phaくんは25項目中19項目、当てはまっていました。多いですね。

面白かったのは、phaくんがチェックを入れる前に「自分にはギフテッドの特性はあまりないと思う」と言っていたことです。それなのに、Zoomで一緒に確認しながらやってもらったら、ほとんど当てはまって、「さっきのコメントは何だったの」と(笑)。
pha:「抜群の記憶力と豊富な知識を持つ」とか、自分では言いにくくないですか? もっとすごい人がいるよな、と思っちゃうんです。
大石:言いにくいですよね。このチェックリストは、もともと親や先生がチェックするためのものが土台になっています。
例えば「抜群の記憶力と豊富な知識を持つ」のような項目は、ギフテッドの特性としてよく挙がりますが、全員にチェックがつくものではありません。障がいも併せ持つ「2E」と呼ばれるギフテッドには、ADHD(注意欠如・多動症)の特性が強く出てワーキングメモリーが少ない場合など、記憶力に自信がない人もたくさんいます。
大石:強調しておきたいのは、このチェックリストだけではギフテッドかどうかは測れないということです。基本的にはIQが130以上なら、ギフテッドです。チェックリストのような周辺情報が役に立つのは、IQ130に満たない人が「どっちかな」と思うときです。2Eで障がいが色濃く出ると、IQが低めに出ることがあるからです。
「「京大に入ってやっと息ができた」…47歳でIQ145のギフテッドとわかったphaさんが高校までを「暗黒時代」と振り返る理由」と題する「ギフテッド」に関する対談記事を取り上げる。
――phaさんには、大石さんの25項目の「ギフテッド特性チェックリスト」にも取り組んでいただきました。
大石貴子(以下、大石):これはギフテッドだからといって全部当てはまるものではなくて、相反するような特性も入っているので、100点を目指すものではありません。とはいえ、phaくんは25項目中19項目、当てはまっていました。多いですね。

面白かったのは、phaくんがチェックを入れる前に「自分にはギフテッドの特性はあまりないと思う」と言っていたことです。それなのに、Zoomで一緒に確認しながらやってもらったら、ほとんど当てはまって、「さっきのコメントは何だったの」と(笑)。
pha:「抜群の記憶力と豊富な知識を持つ」とか、自分では言いにくくないですか? もっとすごい人がいるよな、と思っちゃうんです。
大石:言いにくいですよね。このチェックリストは、もともと親や先生がチェックするためのものが土台になっています。
例えば「抜群の記憶力と豊富な知識を持つ」のような項目は、ギフテッドの特性としてよく挙がりますが、全員にチェックがつくものではありません。障がいも併せ持つ「2E」と呼ばれるギフテッドには、ADHD(注意欠如・多動症)の特性が強く出てワーキングメモリーが少ない場合など、記憶力に自信がない人もたくさんいます。
大石:強調しておきたいのは、このチェックリストだけではギフテッドかどうかは測れないということです。基本的にはIQが130以上なら、ギフテッドです。チェックリストのような周辺情報が役に立つのは、IQ130に満たない人が「どっちかな」と思うときです。2Eで障がいが色濃く出ると、IQが低めに出ることがあるからです。
◇日本の人が誤解しやすい2つの項目
大石:日本の方が誤解しやすい項目が、2つあります。
1つは「独自のやり方を貫き、体制に迎合しない」。ギフテッドは優等生というイメージを持っている人には意外らしくて、大人が「反抗している」と決めつけて、厳しくしてしまうことがあります。でも、ギフテッドには強い意思がある子が多いです。そういう特性があると知っているだけで、対応を変えられると思います。
もう1つは「五感(見る、聞く、匂う、味わう、触る)が極めて豊かで鋭く、わずかな違いを識別できる」。これは、短歌を詠むような豊かな感性や、味を細かく分析できる、楽器の音を聞き分けられるといった、芸術的な五感のことです。知的ギフテッドの芸術的な感性が高いことは、各国のデータでわかっています。なので、音楽家や芸術家にも知的ギフテッドが多いですし、数学者だけど趣味は音楽というケースもよくありますよね。
よく間違われるのが発達障がいのお子さんがしばしば持つ感覚過敏です。洋服のタグが気になる、うるさい音が苦手でノイズを消すヘッドフォンが必要、といったものとは違います。
pha:五感の豊かさと感覚過敏の両方ある人もいそうですよね。僕もたぶん両方あるんですが。
「独自のやり方を貫き、体制に迎合しない」は、僕にはすごく当てはまると思いました。集団や社会のルールが苦手な感じがあります。
「正義感が非常に強い」は、あまり自分はそうでもないかな、と思ったんですが、自分の中に基準があって、それに合っているかどうかで判断するところはあります。それが正義感かどうかはわかりませんが。
――大石さんが代表を務める日米ギフテッド教育協会の名誉顧問で、発達心理学者のリン・リム先生ともお話しされたそうですね。
pha:3人で、ずいぶん長く話しました。
大石:2時間くらいですね。追加のテストもたくさんしてもらいました。
リン先生がまず希望したのは、WAIS(ウェクスラー成人知能検査)の下位検査の数字でした。下位検査の数字は、phaくんの検査機関のように、検査を受けた人に配られる結果の資料には書かれていないことが多いんです。phaくんには、検査を受けた機関に下位検査の数字をリクエストしてもらいました。
pha:オプションになっている、病院で診断を受ける人用の詳しいデータを送ってもらいました。
大石:日本の方が誤解しやすい項目が、2つあります。
1つは「独自のやり方を貫き、体制に迎合しない」。ギフテッドは優等生というイメージを持っている人には意外らしくて、大人が「反抗している」と決めつけて、厳しくしてしまうことがあります。でも、ギフテッドには強い意思がある子が多いです。そういう特性があると知っているだけで、対応を変えられると思います。
もう1つは「五感(見る、聞く、匂う、味わう、触る)が極めて豊かで鋭く、わずかな違いを識別できる」。これは、短歌を詠むような豊かな感性や、味を細かく分析できる、楽器の音を聞き分けられるといった、芸術的な五感のことです。知的ギフテッドの芸術的な感性が高いことは、各国のデータでわかっています。なので、音楽家や芸術家にも知的ギフテッドが多いですし、数学者だけど趣味は音楽というケースもよくありますよね。
よく間違われるのが発達障がいのお子さんがしばしば持つ感覚過敏です。洋服のタグが気になる、うるさい音が苦手でノイズを消すヘッドフォンが必要、といったものとは違います。
pha:五感の豊かさと感覚過敏の両方ある人もいそうですよね。僕もたぶん両方あるんですが。
「独自のやり方を貫き、体制に迎合しない」は、僕にはすごく当てはまると思いました。集団や社会のルールが苦手な感じがあります。
「正義感が非常に強い」は、あまり自分はそうでもないかな、と思ったんですが、自分の中に基準があって、それに合っているかどうかで判断するところはあります。それが正義感かどうかはわかりませんが。
――大石さんが代表を務める日米ギフテッド教育協会の名誉顧問で、発達心理学者のリン・リム先生ともお話しされたそうですね。
pha:3人で、ずいぶん長く話しました。
大石:2時間くらいですね。追加のテストもたくさんしてもらいました。
リン先生がまず希望したのは、WAIS(ウェクスラー成人知能検査)の下位検査の数字でした。下位検査の数字は、phaくんの検査機関のように、検査を受けた人に配られる結果の資料には書かれていないことが多いんです。phaくんには、検査を受けた機関に下位検査の数字をリクエストしてもらいました。
pha:オプションになっている、病院で診断を受ける人用の詳しいデータを送ってもらいました。
◇言語の項目が、測定の上限に達していた
大石:それを見ると、実は下位検査でデコボコがあったことがわかりました。デコボコといっても、むしろ上に突出している部分がわかったんです。
言語に関するテストの部分が、WAISで測れる範囲のいちばん上の得点でした。リン先生の言葉を使うと、「テストがphaくんを測れていない」ということです。測れていないところがあるので、その時点で全体の数字も怪しくなります。
ここからの学びとしては、WAISやWISC(児童向け知能検査)は万能ではなくて、天井があるということです。天井に当たってしまった人の結果は、実際はもっと高い可能性もあるわけです。
アメリカには、もっと上を測れるテストもあります。ただ、それは研究者が使うようなもので、個人はそこまでする必要はないと思います。
pha:もっとデコボコがあるかなと思っていたんですよ。苦手なことも多いし、普段ミスも多いので。でも意外と出ていなくて、これは何なんだろうと思っていました。
大石:リン先生に見てもらってわかったもう一つのことは、phaくんの場合、発達障がいが認知力の足を引っ張っていなかった、ということです。ただし、簡易的なテストをしただけなので、本当に発達障がいなのかどうかは保留です。
phaくんが、学校の授業で先生の話が全然耳に入ってこなかったと話していましたよね。リン先生の追加のテストなどから、phaくんの聴覚処理に何か問題がある可能性が見えてきました。耳が聞こえないわけではなくて、聞いた情報を脳が処理できない、聴覚情報処理障がい(auditory processing disorder)というものです。
もう一つの可能性が、ハイリー・センシティブ・パーソン(HSP)です。HSPは、非常に感受性が強く敏感な気質を持った人のことです。
聴覚処理の障がいとHSP、それにASD(自閉スペクトラム症)などでは、似たような症状が出ることがあります。だから、最終的に「ADHDです」「ASDです」と決める前に、ほかの障がいの可能性を先に潰していって、「やっぱりほかは違いましたね、あなたはADHDです」と診断するのが、本来、丁寧なやり方だそうです。
大石:それを見ると、実は下位検査でデコボコがあったことがわかりました。デコボコといっても、むしろ上に突出している部分がわかったんです。
言語に関するテストの部分が、WAISで測れる範囲のいちばん上の得点でした。リン先生の言葉を使うと、「テストがphaくんを測れていない」ということです。測れていないところがあるので、その時点で全体の数字も怪しくなります。
ここからの学びとしては、WAISやWISC(児童向け知能検査)は万能ではなくて、天井があるということです。天井に当たってしまった人の結果は、実際はもっと高い可能性もあるわけです。
アメリカには、もっと上を測れるテストもあります。ただ、それは研究者が使うようなもので、個人はそこまでする必要はないと思います。
pha:もっとデコボコがあるかなと思っていたんですよ。苦手なことも多いし、普段ミスも多いので。でも意外と出ていなくて、これは何なんだろうと思っていました。
大石:リン先生に見てもらってわかったもう一つのことは、phaくんの場合、発達障がいが認知力の足を引っ張っていなかった、ということです。ただし、簡易的なテストをしただけなので、本当に発達障がいなのかどうかは保留です。
phaくんが、学校の授業で先生の話が全然耳に入ってこなかったと話していましたよね。リン先生の追加のテストなどから、phaくんの聴覚処理に何か問題がある可能性が見えてきました。耳が聞こえないわけではなくて、聞いた情報を脳が処理できない、聴覚情報処理障がい(auditory processing disorder)というものです。
もう一つの可能性が、ハイリー・センシティブ・パーソン(HSP)です。HSPは、非常に感受性が強く敏感な気質を持った人のことです。
聴覚処理の障がいとHSP、それにASD(自閉スペクトラム症)などでは、似たような症状が出ることがあります。だから、最終的に「ADHDです」「ASDです」と決める前に、ほかの障がいの可能性を先に潰していって、「やっぱりほかは違いましたね、あなたはADHDです」と診断するのが、本来、丁寧なやり方だそうです。
◇聞いても頭に入らない部分は想像で補っている
pha:聴覚については、今も話をしていても頭に入っていない感じがしており、想像で補っています。人の話をずっと聞いていると疲れやすいです。昔から感じていた疲れやすさは、そういうことなのかもしれないな、とは思いました。
大石:ギフテッドの人は、障がいを持っていても見過ごされやすいんです。障がいで劣っている部分を、知的能力で補おうとするので。
例えば、ディスレクシア(読字障がい)で、本当はちゃんと読めていないのに、高い認知力のおかげで、読めていない部分を推測して読む、ということを子どもでもやるんですよ。すると、見抜けない大人は見過ごしてしまって、子ども本人は困り続ける。
pha:聴覚処理についての検査を受けてみたらいいかもと言われましたが、受けるかどうかは決めていないんです。受けたら自己理解は深まるけれど、薬を飲んですごく治るような簡単なものでもないでしょうし、受けるのが面倒くさいのもあって。
この歳になると、そんなに人としゃべったり、会社に通勤したりしなくてもいいライフスタイルを作ってしまったので、自分に向いている生き方は、それなりにできているんです。
大石:今は、学生のようにずっと講義を聞いていなければいけない状況でもないですしね。
でも、今まさに会社員などで苦しい思いをしている人が、この対談を読んで「自分にも覚えがある」と思うなら、診断を受けてみたり、関連する本を読んでみたりすると役に立つかもしれません。phaくんのような生き方をすれば楽になるんだ、という希望を持てるかもしれませんよね。
pha:聴覚については、今も話をしていても頭に入っていない感じがしており、想像で補っています。人の話をずっと聞いていると疲れやすいです。昔から感じていた疲れやすさは、そういうことなのかもしれないな、とは思いました。
大石:ギフテッドの人は、障がいを持っていても見過ごされやすいんです。障がいで劣っている部分を、知的能力で補おうとするので。
例えば、ディスレクシア(読字障がい)で、本当はちゃんと読めていないのに、高い認知力のおかげで、読めていない部分を推測して読む、ということを子どもでもやるんですよ。すると、見抜けない大人は見過ごしてしまって、子ども本人は困り続ける。
pha:聴覚処理についての検査を受けてみたらいいかもと言われましたが、受けるかどうかは決めていないんです。受けたら自己理解は深まるけれど、薬を飲んですごく治るような簡単なものでもないでしょうし、受けるのが面倒くさいのもあって。
この歳になると、そんなに人としゃべったり、会社に通勤したりしなくてもいいライフスタイルを作ってしまったので、自分に向いている生き方は、それなりにできているんです。
大石:今は、学生のようにずっと講義を聞いていなければいけない状況でもないですしね。
でも、今まさに会社員などで苦しい思いをしている人が、この対談を読んで「自分にも覚えがある」と思うなら、診断を受けてみたり、関連する本を読んでみたりすると役に立つかもしれません。phaくんのような生き方をすれば楽になるんだ、という希望を持てるかもしれませんよね。
◇IQにも、診断名にもとらわれないでほしい
大石:リン先生が強調していたのは、IQの数字や診断名だけにとらわれないでほしい、ということです。そうしてしまうと、自分にラベルを貼って、自分を箱に押し込めてしまうからです。「どうせ自分はASDだから」「どうせこの程度だから」と。
そうではなくて、IQの数字や診断が出たら、それを自分の人生に生かす使い方を考えてほしいと話していました。
だから、診断を受ける前に、何のために診断したいのかを考えておくといいと思います。子どもなら、診断名のおかげで学校で支援を受けやすくなるかもしれないし、会社員なら、上司に必要な配慮について伝えやすくなるかもしれない。phaくんのような自己理解も、理由にしていいと思います。
適当に受けて、いきなりラベルがついて、対応に困ってしまうよりは、ちゃんと目的を持って受けて、診断名を人生に役立てる。そういう使い方がいいのではないでしょうか。
pha:ラベルに縛られるのではなくて、何が自分のエネルギーをすり減らし、何が充電してくれるかを知ることが大事だ、とリン先生は話していましたね。僕だったら、うるさいところや人混みで消耗して、一人でいる時間で充電される感じがあります。
昔、会社員をやっていたときは、すごくしんどかったんです。ほかの人が普通にやることがうまくできなくて、「なんで自分はこんなこともできないんだろう」と。ただ毎日通勤するだけで疲れたり、オフィスに座っているだけでしんどかったり……。
そうやって悩んでいた頃の自分に、この診断を伝えたい気持ちがあります。それは自分がダメだからじゃなくて、こういう特性を持っているからなんだ、と。
大石:リン先生が強調していたのは、IQの数字や診断名だけにとらわれないでほしい、ということです。そうしてしまうと、自分にラベルを貼って、自分を箱に押し込めてしまうからです。「どうせ自分はASDだから」「どうせこの程度だから」と。
そうではなくて、IQの数字や診断が出たら、それを自分の人生に生かす使い方を考えてほしいと話していました。
だから、診断を受ける前に、何のために診断したいのかを考えておくといいと思います。子どもなら、診断名のおかげで学校で支援を受けやすくなるかもしれないし、会社員なら、上司に必要な配慮について伝えやすくなるかもしれない。phaくんのような自己理解も、理由にしていいと思います。
適当に受けて、いきなりラベルがついて、対応に困ってしまうよりは、ちゃんと目的を持って受けて、診断名を人生に役立てる。そういう使い方がいいのではないでしょうか。
pha:ラベルに縛られるのではなくて、何が自分のエネルギーをすり減らし、何が充電してくれるかを知ることが大事だ、とリン先生は話していましたね。僕だったら、うるさいところや人混みで消耗して、一人でいる時間で充電される感じがあります。
昔、会社員をやっていたときは、すごくしんどかったんです。ほかの人が普通にやることがうまくできなくて、「なんで自分はこんなこともできないんだろう」と。ただ毎日通勤するだけで疲れたり、オフィスに座っているだけでしんどかったり……。
そうやって悩んでいた頃の自分に、この診断を伝えたい気持ちがあります。それは自分がダメだからじゃなくて、こういう特性を持っているからなんだ、と。
◇出版記念パーティーに出る際のアドバイス
大石:これは、リン先生が話していたことなのですが、phaくんは本を書く人だから、出版記念パーティーのようなものに行かなければいけないときもあるだろう、と。
そういうときは、「人混みが苦手だから行きません」ではなくていいんです。行くけれど、その後にすぐエネルギーを回復する時間を、スケジュールに組み込んでおく。それだけで、すごく行きやすくなるだろう、と言っていました。誰にでも役に立つアドバイスだと思います。
pha:診断のおかげで、そういう対策が立てやすくなるのはありますね。
大石:診断を受けると、細かい特性がわかって、「自分はこういうことが得意で、こういうことが苦手で、こういうことが心地いい」というのを知ることができます。それを利用して、日々の生活に生かす、ということですね。
――こうした検査はどこで受けられるのでしょうか。
pha:僕は、「WAIS」で検索して出てきた検査機関で受けました。対応してくれたのはちゃんとした心理士の先生ですが、病院ではないので医師ではありません。
聞いた話だと、病院で受けようとすると、何カ月も待つ必要があるらしいです。僕の受けた検査機関では、割とすぐ、申し込みから1週間後くらいに受けられました。費用は2万円くらいでした。
受けた後に結果の書類を送ってくるだけのところと、結果についてオンライン面談で解説してくれるところがあって、僕はオンライン面談付きのところを選びました。検査機関で受けた結果の書類を、医療機関に持っていくこともできるみたいです。
大石:例えばADHDで薬が必要な場合などは、精神科に行かないと処方してもらえません。
pha:子ども向けだけでなく、大人向けの検査を実施している検査機関もけっこう多いようです。検索したら、いっぱい出てきます。流行っているのかもしれませんね。
大石:最近は、メディアが発達障がいの報道をたくさんしているので、みんなの意識が高くなっているのかもしれません。
ただ、アメリカでもそうなのですが、精神科医や心理士でもギフテッドについて知らない方は多いです。知っている先生は数が少ないので探すのは至難の業ですが、検査や受診でお世話になる予定の先生がギフテッドについて少しでも知識があるか、事前に聞けるなら聞いたほうがいいと思います。
大石:これは、リン先生が話していたことなのですが、phaくんは本を書く人だから、出版記念パーティーのようなものに行かなければいけないときもあるだろう、と。
そういうときは、「人混みが苦手だから行きません」ではなくていいんです。行くけれど、その後にすぐエネルギーを回復する時間を、スケジュールに組み込んでおく。それだけで、すごく行きやすくなるだろう、と言っていました。誰にでも役に立つアドバイスだと思います。
pha:診断のおかげで、そういう対策が立てやすくなるのはありますね。
大石:診断を受けると、細かい特性がわかって、「自分はこういうことが得意で、こういうことが苦手で、こういうことが心地いい」というのを知ることができます。それを利用して、日々の生活に生かす、ということですね。
――こうした検査はどこで受けられるのでしょうか。
pha:僕は、「WAIS」で検索して出てきた検査機関で受けました。対応してくれたのはちゃんとした心理士の先生ですが、病院ではないので医師ではありません。
聞いた話だと、病院で受けようとすると、何カ月も待つ必要があるらしいです。僕の受けた検査機関では、割とすぐ、申し込みから1週間後くらいに受けられました。費用は2万円くらいでした。
受けた後に結果の書類を送ってくるだけのところと、結果についてオンライン面談で解説してくれるところがあって、僕はオンライン面談付きのところを選びました。検査機関で受けた結果の書類を、医療機関に持っていくこともできるみたいです。
大石:例えばADHDで薬が必要な場合などは、精神科に行かないと処方してもらえません。
pha:子ども向けだけでなく、大人向けの検査を実施している検査機関もけっこう多いようです。検索したら、いっぱい出てきます。流行っているのかもしれませんね。
大石:最近は、メディアが発達障がいの報道をたくさんしているので、みんなの意識が高くなっているのかもしれません。
ただ、アメリカでもそうなのですが、精神科医や心理士でもギフテッドについて知らない方は多いです。知っている先生は数が少ないので探すのは至難の業ですが、検査や受診でお世話になる予定の先生がギフテッドについて少しでも知識があるか、事前に聞けるなら聞いたほうがいいと思います。
◇結果だけ渡されても、読み解けない
大石:私は、子ども向けのWISC-V(児童向けウェクスラー式知能検査)を読み解く資格をアメリカで取ったのですが、本当に複雑なんです。結果だけ渡されても、普通の方は何を言おうとしているのか、どう対応したらいいかもわからないのが、普通だと思います。
特に、2Eのご家族が、結果を持って困っている状況がすごく多いんです。そういうご家族をサポートするために、結果の読み解き方を教える講座を作ったりしています。まだ日本語の情報が全然ないんですよ。結果はもらったものの……という方は、とても多いのではないでしょうか。
だから、phaくんが検査を受けた後に結果の解説があるところを選んだというのは、大事なことだと思います。>(以上「東洋経済」より引用)
大石:私は、子ども向けのWISC-V(児童向けウェクスラー式知能検査)を読み解く資格をアメリカで取ったのですが、本当に複雑なんです。結果だけ渡されても、普通の方は何を言おうとしているのか、どう対応したらいいかもわからないのが、普通だと思います。
特に、2Eのご家族が、結果を持って困っている状況がすごく多いんです。そういうご家族をサポートするために、結果の読み解き方を教える講座を作ったりしています。まだ日本語の情報が全然ないんですよ。結果はもらったものの……という方は、とても多いのではないでしょうか。
だから、phaくんが検査を受けた後に結果の解説があるところを選んだというのは、大事なことだと思います。>(以上「東洋経済」より引用)
「「京大に入ってやっと息ができた」…47歳でIQ145のギフテッドとわかったphaさんが高校までを「暗黒時代」と振り返る理由」と題する「ギフテッド」に関する対談記事を取り上げる。
まずギフテッドについてだが、ギフテッド(Gifted)とは、生まれつき高い知的能力や特定の分野(芸術・科学・リーダーシップなど)において突出した才能や潜在性を持つ人のことで、英語の「天賦の才を与えられた」という意味の言葉に由来する人たちのことだ。
彼らの主な特徴とタイプは高い知的好奇心、深い思考力、鋭い感受性(過興奮性)、非同期発達(知能と精神・社会性の発達スピードが一致しないこと)などがみられる。ただタイプとしては英才型「知的能力が全般的に高く、学業成績も優秀で、周囲に適応しやすいタイプ」と2E型(Twice-Exceptional / 二重に例外)「突出した才能を持つ一方で、発達障害(ASDやADHDなど)の特性や学習困難を併せ持つタイプ」の二種類に分類される。
彼らの主な特徴とタイプは高い知的好奇心、深い思考力、鋭い感受性(過興奮性)、非同期発達(知能と精神・社会性の発達スピードが一致しないこと)などがみられる。ただタイプとしては英才型「知的能力が全般的に高く、学業成績も優秀で、周囲に適応しやすいタイプ」と2E型(Twice-Exceptional / 二重に例外)「突出した才能を持つ一方で、発達障害(ASDやADHDなど)の特性や学習困難を併せ持つタイプ」の二種類に分類される。
彼らはその特徴ゆえに周囲とのミスマッチを起こしやすく、学校の授業が簡単すぎて退屈に感じたり、同世代の友人との会話や興味が合わずに孤立感を抱いたりする。また2E型の場合には苦手な面にばかり注目されて発達障害としか診断されなかったり、「わがままだ」「扱いにくい」と誤解されたりすることがある。
日本では「ギフテッド」に関して文部科学省は公式な統一的定義や一律の制度(海外のような飛び級や専門クラス等)を設けていない。ただし近年は「特異な才能のある児童生徒への支援」として、実態把握や探究的な学びを支える取り組み(大学やオンライン等との連携)が模索され始めているようだ。
またギフテッドは特定の分野で高度な能力を発揮する一方で、社会的な孤立や自己認識の課題を抱えることも少なくない。そのためギフテッド教育においては、このような特性を理解し個性を尊重することが求められる。ただ往々にしてギフテッドには発達障害が共有する特性「過興奮性」がみられるため、学校生活での困難に直面することがある。
だが「過興奮性(Overexcitability)」の特性はギフテッドと発達障害の相互作用を考える上で重要な要素とされている。この特性は以下の5つの領域に分類される。
①知的過興奮性 複雑な問題や哲学的なテーマについて深く考える傾向では知的好奇心が強く、次々と新しい課題を追求する。
②創造性過興奮性 新しいアイデアを生み出す能力に優れていて、芸術的表現や独自の視点を好む。
③感情性過興奮性 強い感情反応を示し、他者の気持ちに敏感で、共感性が高く、人間関係の影響を大きく受けやすい。
④知覚性過興奮性 五感が鋭敏で、音、光、味などの刺激に敏感で、環境の変化に対して過敏に反応する。
⑤精神運動性過興奮性 エネルギーが有り余り、絶えず動いていたい衝動が強く、活発な行動や強い意欲を示すことが多い。
だが「過興奮性(Overexcitability)」の特性はギフテッドと発達障害の相互作用を考える上で重要な要素とされている。この特性は以下の5つの領域に分類される。
①知的過興奮性 複雑な問題や哲学的なテーマについて深く考える傾向では知的好奇心が強く、次々と新しい課題を追求する。
②創造性過興奮性 新しいアイデアを生み出す能力に優れていて、芸術的表現や独自の視点を好む。
③感情性過興奮性 強い感情反応を示し、他者の気持ちに敏感で、共感性が高く、人間関係の影響を大きく受けやすい。
④知覚性過興奮性 五感が鋭敏で、音、光、味などの刺激に敏感で、環境の変化に対して過敏に反応する。
⑤精神運動性過興奮性 エネルギーが有り余り、絶えず動いていたい衝動が強く、活発な行動や強い意欲を示すことが多い。
これらの発達が「同期発達」ではなく、ギフテッドの子どもたちは、「非同期発達(Asynchronous Development)」と呼ばれる特性を持つことが多く、このため知的には優れている一方で、感情面や社会性では年齢相応または遅れを取ることがある。自己防衛本能としてギフテッドの子供たちは学校での具体例周囲に適応するため「カモフラージュ」や「マスキング」を行い、自分の本来の特性を隠す傾向がみられ、これにより心理的負担が蓄積し、不登校に至るケースもあるようだ。
よってギフテッドの子どもたちはIQの分布曲線の端に位置し、集団の中で孤立感を感じることがあり、特にIQが非常に高い子どもたちは、「落ちこぼれ」とは逆の意味で「吹きこぼれ」とも呼ばれ、その才能が一般的な教育環境で対応しきれないことがある。このような子どもたちには、さらなる挑戦や高度な学びを提供する特別な支援が必要となる。
以上のようにギフテッドの子どもたちは、発達障害や2E(Twice Exceptional: 二重の特性を持つ)と混同されることがありますが、これらは異なる概念だ。ギフテッドの子供たちは知的能力が高く、特定の分野で際立つ才能を持つことが知られている。また認知能力や創造性の高さが特徴だ。ただし2E(Twice Exceptional)型の場合はギフテッドであると同時に発達障害や学習障害を持つケースも多々見られるという。そのため高い知的能力と特定の困難を併せ持つことから、支援のバランスが重要となる。
よってギフテッドの子どもたちはIQの分布曲線の端に位置し、集団の中で孤立感を感じることがあり、特にIQが非常に高い子どもたちは、「落ちこぼれ」とは逆の意味で「吹きこぼれ」とも呼ばれ、その才能が一般的な教育環境で対応しきれないことがある。このような子どもたちには、さらなる挑戦や高度な学びを提供する特別な支援が必要となる。
以上のようにギフテッドの子どもたちは、発達障害や2E(Twice Exceptional: 二重の特性を持つ)と混同されることがありますが、これらは異なる概念だ。ギフテッドの子供たちは知的能力が高く、特定の分野で際立つ才能を持つことが知られている。また認知能力や創造性の高さが特徴だ。ただし2E(Twice Exceptional)型の場合はギフテッドであると同時に発達障害や学習障害を持つケースも多々見られるという。そのため高い知的能力と特定の困難を併せ持つことから、支援のバランスが重要となる。