2027年春の大統領選に向かって、仏国の政治情勢から目が離せない。
<フランスで17日、学習環境の改善を求める高校生と、生活費の高騰に不満を募らせる労組関係者らが合同で政府に抗議するデモを行った。
内務省によると、全国で推計55万人(主催者発表80万人)が参加。暴徒も紛れ込み、放火や破壊行為、当局との衝突を繰り返した。商店は略奪被害に遭った。18日までに約1800人が逮捕され、警察・消防は500人以上が負傷した。
首都パリでは11万人が数キロをデモ行進。9月に始まった高校生デモを支持する急進左派野党「不屈のフランス」からは幹部らが駆け付けた。一方、暴徒は路上で投石や放火を重ね、警官隊が放水車、催涙ガスで対応。混乱は17日深夜まで続いた。
中部リヨンでは観光案内所に火が放たれ、炎に包まれた。磁器で有名な中部リモージュでも市庁舎が炎上。南部マルセイユでは覆面集団が市庁舎の玄関をこじ開け侵入し、フランスを象徴する女性「マリアンヌ」の胸像を倒した。AFP通信によれば、暴徒は「革命だ」と叫んでいた。
全国で1500近い小売店が襲撃を受け、被害額は数億ユーロ(数百億~千数百億円)に上る見込み。マルセイユで携帯電話ショップを経営する男性はテレビで「(暴徒が)全て壊し、全て持ち去った。いつまで店を閉めればいいかすら分からない」と話した。
マクロン大統領はSNSで「暴力は決して許されない」と強調。「混乱を広める者に対し、われわれは一丸となって立ち向かう」と訴えた。ヌニェス内相は記者団に「極左が暴動を呼び掛け、抗議を暴力に変え、警察を攻撃した」と非難した。>(以上「時事通信」より引用)
仏国では2026年9月の統計でエネルギー価格は前年比21.3%上昇し、特に地方の通勤や生活に欠かせない軽油(ディーゼル燃料)が44.1%も高騰した。それにより車社会である地方の住民や低所得者層を中心に、「家賃、燃料費、食費が急騰しているのにどうやって暮らせというのか」という悲鳴が上がっており、2018〜19年の反政府デモ(黄色いベスト運動)の参加者らも多く合流したようだ。
またマクロン政権(ルコルニュ内閣)が発表した2027年予算案には、巨額の国家債務を減らすための歳出削減や、公務員給与・年金の据え置きが含まれている。そのためインフレが続く中での現状維持は実質的な負担増(減給)を意味するため、労働組合は猛反発していた。
内務省によると、全国で推計55万人(主催者発表80万人)が参加。暴徒も紛れ込み、放火や破壊行為、当局との衝突を繰り返した。商店は略奪被害に遭った。18日までに約1800人が逮捕され、警察・消防は500人以上が負傷した。
首都パリでは11万人が数キロをデモ行進。9月に始まった高校生デモを支持する急進左派野党「不屈のフランス」からは幹部らが駆け付けた。一方、暴徒は路上で投石や放火を重ね、警官隊が放水車、催涙ガスで対応。混乱は17日深夜まで続いた。
中部リヨンでは観光案内所に火が放たれ、炎に包まれた。磁器で有名な中部リモージュでも市庁舎が炎上。南部マルセイユでは覆面集団が市庁舎の玄関をこじ開け侵入し、フランスを象徴する女性「マリアンヌ」の胸像を倒した。AFP通信によれば、暴徒は「革命だ」と叫んでいた。
全国で1500近い小売店が襲撃を受け、被害額は数億ユーロ(数百億~千数百億円)に上る見込み。マルセイユで携帯電話ショップを経営する男性はテレビで「(暴徒が)全て壊し、全て持ち去った。いつまで店を閉めればいいかすら分からない」と話した。
マクロン大統領はSNSで「暴力は決して許されない」と強調。「混乱を広める者に対し、われわれは一丸となって立ち向かう」と訴えた。ヌニェス内相は記者団に「極左が暴動を呼び掛け、抗議を暴力に変え、警察を攻撃した」と非難した。>(以上「時事通信」より引用)
「暴徒が放火、破壊、略奪 55万人デモで混乱 仏」との見出しに仏国の社会問題の深刻さを見る。高校生のデモから火がついて、一般人のデモに広がり、それに同調した様々な人が加わることによって、デモが暴動に変化して商店のシャッターを破壊して略奪行為が横行し、遂にはリモージュ市庁舎が放火され、ほぼ全焼する事態になってしまった。
フランス全土に大規模デモが広がったが、その背景には国民の多くが生活費の高騰に不満を募らせていたからだ。また暴徒に極貧生活を送っていた移民も参加した形跡がある。その証拠に略奪されたスーパーでハムだけが残っていたという。ハムは豚肉から作られている。
またマクロン政権(ルコルニュ内閣)が発表した2027年予算案には、巨額の国家債務を減らすための歳出削減や、公務員給与・年金の据え置きが含まれている。そのためインフレが続く中での現状維持は実質的な負担増(減給)を意味するため、労働組合は猛反発していた。
従来から、仏国はOECD加盟国でもトップクラスの高税率国家(租税負担率約43.5%)だといわれている。市民からは「これほど多くの税金をむしり取られ、物価高に苦しんでいるのに、なぜ庶民や学生のインフラ・住宅支援が犠牲にされるのか」という富の再分配に対する強い怒りがあった。 教員不足や校舎老朽化への抗議を端緒に、インフレで目減りする予算や教員削減への不安が学生や教員労組に広がったことも見逃せない。さらに医療などの生活インフラ支援の後退にも不満が集中している。
そのため仏国全土で激化している大規模なデモと暴動は、政府の治安弾圧強化と2週間の学校の「秋休み」により一時的に局所的な沈静化をみせる可能性があるものの、根本原因の解決の目処は立っておらず、11月以降も長期化・再燃する可能性が高いと予測される。 セバスチャン・ルコルニュ首相は店舗や財産保護のために一部地域での夜間外出禁止令の発令を要請した。政府は「暴力には屈しない」と強硬姿勢を強めており、警察の警備がさらに厳重にされている。また仏国は10月中旬から約2週間の「秋季休暇(秋休み)」に入るため、学生の集まりが鈍り一時的に沈静化するとの見方がある。しかし、一部の学生は「休みでもデモをやめない」と宣言しているため予断が許されない状態だ。
その一方で、主要労働組合は2026年11月5日に全国的なストライキとデモを行うよう既に呼びかけている。この日は国民議会で「2027年度予算案」の歳出審議が行われる予定の時期と重なっており、再び大きな山場を迎える懸念されている。
その一方で、主要労働組合は2026年11月5日に全国的なストライキとデモを行うよう既に呼びかけている。この日は国民議会で「2027年度予算案」の歳出審議が行われる予定の時期と重なっており、再び大きな山場を迎える懸念されている。
ただマクロン政権は巨額の財政赤字を削減するため、540億ユーロ規模の緊縮予算案を提示しているが、これが国民のさらなる猛反発(医療費や年金の削減など)を招いている。10月下旬から11月中旬にかけて予算案の採決が順次予定されており、政府が野党へ譲歩せざるを得なくなれば、フランスの財政信用や市場がさらに不安定化する恐れがある。
仏国は2027年春に大統領選挙を控えているため、この暴動は各派閥の政治的争点となっている。政府側は「極左勢力が大統領選を前に暴動を扇動している」と非難する一方、急進左派のメランション氏らは学生らの抗議を支援し支持を広げている。また勢力を急伸しているルペン氏も政府の無策を批判しており、政治的な分断はより深まるとみられる。
仏国は2027年春に大統領選挙を控えているため、この暴動は各派閥の政治的争点となっている。政府側は「極左勢力が大統領選を前に暴動を扇動している」と非難する一方、急進左派のメランション氏らは学生らの抗議を支援し支持を広げている。また勢力を急伸しているルペン氏も政府の無策を批判しており、政治的な分断はより深まるとみられる。