高市氏の「存立危機事態」発言余波。
<いわゆる台湾有事をめぐる「高市発言」で、中国の習近平国家主席は振り上げたこぶしをどう収めるつもりだろうか。 高市早苗首相が国会答弁で、台湾有事と存立危機事態に関する発言を行ったのが7日。すぐに反応したのは、例の駐大阪総領事・薛剣のXの「斬首」ポストだ。その後の中国の反応は比較的鈍く、中国が本格的に対日圧力アクションを取り始めたのは1週間近くたってからの11月13日以降だった。 中国、「高市発言」の撤回をターゲットに まずは中国人の訪日自粛通達、水産品輸入再開手続きの中止、黄海での実弾演習、日本映画や日本人文化イベントの中止、尖閣諸島周辺への海警船パトロール強化、日中間航空機の減便…。国内では高市首相を口汚くののしり、威圧する外交部、国防部のプロパガンダ。中国は落としどころを高市首相の発言撤回にターゲットを絞ってきた。 だが、実のところこれらの圧力で日本が音を上げることはなく、高市内閣への高支持率への影響もない。日本世論は、むしろ気に食わないことがあれば恫喝(どうかつ)し、口汚くののしる隣国への警戒心が高まるばかりだ。 そういう状況で華僑系中国新聞が21日、「日本已出付代価」(日本はすでに代償を支払った)というタイトルの論評を発表した。 「54万の日本行き航空券がキャンセルされた」「日本の経済損失は一兆円以上」「日本は周辺外交で孤立」などと日本が苦境に立たされていると報じ、「高市首相は誤った発言(のニュアンスを)縮小せざるを得なかった」「今後、高市は口先だけ強硬で、行動は実務的になるだろう」「対中問題で挑発行動に固執しつづければ、…中米から同時に圧力を受けて…短命政権に終わるだろう」と分析した。 これ以上対日圧力カードを持たない中国が、「すでに十分に圧力をかけている」という国内向けの弁明とも受け取れる報道だ。 一部日本のネット民の間では、まるで、吉本新喜劇の池乃めだかの決めセリフ「(ボコボコにやられた後)よっしゃ、今日はこれぐらいにしといたるわ」に例えていた。 こうした状況で注目されているのが24日の米国のトランプ大統領と習近平の電話会談だ。中国側はトランプから提案された、といい、米国筋は習近平から突如要請があったという。この米中首脳電話会談の数時間後、トランプから高市に電話があった。 WSJによれば、トランプと習近平の電話会談では、習近平は台湾問題...