来年11月の中間選挙に向けて、劣勢気味のトランプ氏が巻き返せるか。
<来年11月に予定されている米連邦議会中間選挙に向け、トランプ大統領が与党共和党の選挙戦略を取り仕切っている。中間選挙は大統領自身が投票対象になるわけではないが、共和党が上下両院で過半数を維持するかどうかは第2次トランプ政権の後半の命運を左右する。それだけにトランプ氏は候補者への支持表明や経済問題に関するアピール方法指示などを積極的に進めている。選挙戦略にかかわる共和党の関係者9人が明らかにした。
これほど早い時期から大統領が主体的な形で中間選挙に関与するのは、現代の米国では前例がない。
民主党のビル・クリントン政権時代に上級顧問を務めたビル・グラストン氏は「大統領は通常、選挙戦の終盤にかけて活動に加わる」と指摘し、トランプ氏の動きは「極めて異例だ」と付け加えた。
これほど早い時期から大統領が主体的な形で中間選挙に関与するのは、現代の米国では前例がない。
民主党のビル・クリントン政権時代に上級顧問を務めたビル・グラストン氏は「大統領は通常、選挙戦の終盤にかけて活動に加わる」と指摘し、トランプ氏の動きは「極めて異例だ」と付け加えた。
<焦燥感>
今月4日のニューヨーク市長選と2つの州知事選で民主党候補が大勝し、生活費負担増大、いわゆるアフォーダビリティー問題を巡る有権者の政権に対する不満があらわになったことでトランプ氏の焦燥感が一気に強まった。
今月4日のニューヨーク市長選と2つの州知事選で民主党候補が大勝し、生活費負担増大、いわゆるアフォーダビリティー問題を巡る有権者の政権に対する不満があらわになったことでトランプ氏の焦燥感が一気に強まった。
ホワイトハウス高官の1人は、これらの選挙直後のさまざまな集会で、トランプ氏は側近に怒りの口調で、共和党はアフォーダビリティー問題で独自のメッセージを持たなければならないと伝えたと明かす。
同高官は、トランプ氏が「経済政策の中心にアフォーダビリティー問題を置く姿勢を鮮明に打ち出している」と話す。
あるトランプ氏の上級顧問は「今後トランプ氏が解決策の提供に向けてより迅速に行動するよう政権(の各部門)への圧力を強めるのは間違いない」と予想する。
同高官は、トランプ氏が「経済政策の中心にアフォーダビリティー問題を置く姿勢を鮮明に打ち出している」と話す。
あるトランプ氏の上級顧問は「今後トランプ氏が解決策の提供に向けてより迅速に行動するよう政権(の各部門)への圧力を強めるのは間違いない」と予想する。
<支持率低下>
18日公表のロイター/イプソス調査によると、トランプ氏の支持率は38%と今年最低水準に落ち込んだ。その一因は経済運営を巡る有権者の否定的な見方だ。
こうした中でトランプ氏に批判的な共和党ストラテジスト、ダグ・ハイ氏は「不人気の大統領は与党の議席を失わせるのが現実だ」と指摘する。
支持率の低さは、トランプ氏が果たして中間選挙まで共和党内を一つにまとめ続けていけるのかという疑問も生み出している。
実際、トランプ氏はこのほど、下院の共和党議員などの突き上げを受け、少女らの性的人身売買罪で起訴された後自殺した富豪エプスタイン氏の関連資料公開への反対姿勢を翻し、開示を義務づける法案に署名した。
18日公表のロイター/イプソス調査によると、トランプ氏の支持率は38%と今年最低水準に落ち込んだ。その一因は経済運営を巡る有権者の否定的な見方だ。
こうした中でトランプ氏に批判的な共和党ストラテジスト、ダグ・ハイ氏は「不人気の大統領は与党の議席を失わせるのが現実だ」と指摘する。
支持率の低さは、トランプ氏が果たして中間選挙まで共和党内を一つにまとめ続けていけるのかという疑問も生み出している。
実際、トランプ氏はこのほど、下院の共和党議員などの突き上げを受け、少女らの性的人身売買罪で起訴された後自殺した富豪エプスタイン氏の関連資料公開への反対姿勢を翻し、開示を義務づける法案に署名した。
<減税アピール作戦>
6人の共和党関係者はロイターに対し、トランプ氏は同党が支配する議会で7月に可決された大型減税を前面に押し立てて各候補者が選挙戦に臨んでほしいと考えていると語った。
狙いは有権者に、来年4月の確定申告に伴ってより多くの還付金を受け取り、生活費負担が和らぐ、と有権者に印象づけることだ。
前出の上級顧問は「減税によって4月には国民の懐にお金が戻ってくる。それがまだ有権者に浸透していない」と説明した。
ただバージニア大政治センターで選挙分析を手がけるカイル・コンディック氏は、共和党にとって減税はプラス要素にならないかもしれないとくぎを刺す。
「減税は必ずしも物価押し下げを意味しない。国民は経済について非常に悲観的だ」と言う。
<3回目の弾劾も>
ホワイトハウスの2人目の高官は、共和党が上下両院の過半数を保つことはトランプ氏自身にとっても死活問題だと指摘する。
現在の共和党は両院とも多数派を握っているが、民主党との議席の違いは僅差だ。民主党は上院か下院どちらかで過半数を奪回すれば、今後2年間トランプ氏が推進しようとする政策の大半を妨害できる公算が大きい。
下院で民主党が再び多数派になれば、第1次トランプ政権から通算で3回目となるトランプ氏の弾劾に向けた動きも出てくるだろう。最終的に弾劾が成立しなくても、その過程で政権に対応へのエネルギーを割かせ、政策実現能力を低下させることが可能になる。
過去2回の弾劾訴追ではいずれも上院で有罪判決に必要な3分の2の賛成に達せず、トランプ氏は無罪とされた。
そのため、ある共和党関係者は党の将来と同じぐらいトランプ氏にとっても上院選の行方は重大で、上院はトランプ氏の弾劾訴追を阻む最終防衛ラインだとの見方を示した。
<候補者への働きかけ>
ホワイトハウスに近いロビイストの1人によると、トランプ氏は上院議員候補者のうち少なくとも16人、下院議員候補者のうち少なくとも47人への支持を表明しており、中間選挙戦の序盤としては異例の多さだ。
また、ホワイトハウス高官やトランプ氏の顧問は、トランプ氏が下院で共和党の優勢が覆るのを避けるため、上院議員や州知事への鞍替えを検討していた3人の下院議員に対して同じ選挙区で再選を目指すよう説得したことを明らかにした。
6人の共和党関係者はロイターに対し、トランプ氏は同党が支配する議会で7月に可決された大型減税を前面に押し立てて各候補者が選挙戦に臨んでほしいと考えていると語った。
狙いは有権者に、来年4月の確定申告に伴ってより多くの還付金を受け取り、生活費負担が和らぐ、と有権者に印象づけることだ。
前出の上級顧問は「減税によって4月には国民の懐にお金が戻ってくる。それがまだ有権者に浸透していない」と説明した。
ただバージニア大政治センターで選挙分析を手がけるカイル・コンディック氏は、共和党にとって減税はプラス要素にならないかもしれないとくぎを刺す。
「減税は必ずしも物価押し下げを意味しない。国民は経済について非常に悲観的だ」と言う。
<3回目の弾劾も>
ホワイトハウスの2人目の高官は、共和党が上下両院の過半数を保つことはトランプ氏自身にとっても死活問題だと指摘する。
現在の共和党は両院とも多数派を握っているが、民主党との議席の違いは僅差だ。民主党は上院か下院どちらかで過半数を奪回すれば、今後2年間トランプ氏が推進しようとする政策の大半を妨害できる公算が大きい。
下院で民主党が再び多数派になれば、第1次トランプ政権から通算で3回目となるトランプ氏の弾劾に向けた動きも出てくるだろう。最終的に弾劾が成立しなくても、その過程で政権に対応へのエネルギーを割かせ、政策実現能力を低下させることが可能になる。
過去2回の弾劾訴追ではいずれも上院で有罪判決に必要な3分の2の賛成に達せず、トランプ氏は無罪とされた。
そのため、ある共和党関係者は党の将来と同じぐらいトランプ氏にとっても上院選の行方は重大で、上院はトランプ氏の弾劾訴追を阻む最終防衛ラインだとの見方を示した。
<候補者への働きかけ>
ホワイトハウスに近いロビイストの1人によると、トランプ氏は上院議員候補者のうち少なくとも16人、下院議員候補者のうち少なくとも47人への支持を表明しており、中間選挙戦の序盤としては異例の多さだ。
また、ホワイトハウス高官やトランプ氏の顧問は、トランプ氏が下院で共和党の優勢が覆るのを避けるため、上院議員や州知事への鞍替えを検討していた3人の下院議員に対して同じ選挙区で再選を目指すよう説得したことを明らかにした。
<トランプ氏主体の選挙>
トランプ氏はかねてから、今月の地方選で共和党が不振だった理由の一つは、自身が投票対象ではなかったことだと公言している。
従って中間選挙戦ではトランプ氏が中心となり、減税措置を有権者にアピールして回ることになるだろう。共和党全国委員会の広報責任者は「トランプ大統領の仕切りは来年(の中間選挙)に向けて決定的なアドバンテージになる」と強調した。
一方、民主党もトランプ氏が目立つ選挙戦を歓迎している。民主党員の投票率押し上げに貢献してくれるとの期待があるからだ。
民主党全国委員会の広報担当者はロイターに対し、「トランプ氏が中間選挙の遊説でどこかに立ち寄るたびに、彼がいかに国民の日々の生活をより厳しいものにして来たことを思い起こさせてくれるようになる」と皮肉った。>(以上「REUTERS」より引用)
トランプ氏はかねてから、今月の地方選で共和党が不振だった理由の一つは、自身が投票対象ではなかったことだと公言している。
従って中間選挙戦ではトランプ氏が中心となり、減税措置を有権者にアピールして回ることになるだろう。共和党全国委員会の広報責任者は「トランプ大統領の仕切りは来年(の中間選挙)に向けて決定的なアドバンテージになる」と強調した。
一方、民主党もトランプ氏が目立つ選挙戦を歓迎している。民主党員の投票率押し上げに貢献してくれるとの期待があるからだ。
民主党全国委員会の広報担当者はロイターに対し、「トランプ氏が中間選挙の遊説でどこかに立ち寄るたびに、彼がいかに国民の日々の生活をより厳しいものにして来たことを思い起こさせてくれるようになる」と皮肉った。>(以上「REUTERS」より引用)
今年実施された地方選で相次いで民主党候補に敗れたため、トランプ氏は捲土重来に懸命になっているようだ。「トランプ氏が早々に仕切る中間選挙戦略、政権の命運に直結」との見出しが米国紙に踊った。
米国の連邦議会選挙は日本の国政選挙と違って、上院に「大統領の弾劾裁判」が設置する権利が議会にあるため、トランプ氏は自身の身を守るためにも上院議員選挙はより一層力を入れざるを得ない。
そのためトランプ氏は減税策を掲げて、各国の輸入品に課した関税の還元として、来年四月の所得税から「減税」の恩恵に浴するようにする考えのようだ。だが米国の景気は好景気だった2024年から減速して実質GDP成長率 +1.9% ~ +2.0%程度になり、インフレ率の2%程と鈍化するのに伴い、FRBは2025年後半にかけて利下げを実施し政策金利は年末までに4%近傍まで低下すると見られる。
ただ2025年9月米国の失業率は2025年8月の4.3%から4.4%に上昇し、市場の予想を上回り2021年10月以来の最高水準を記録した。これもまたFRBが政策金利を引き下げて景気刺激策に出るとみられる要因の一つだ。
一昨日、トランプ氏は習近平氏に電話会談したが、その主旨は2025年10月の米中首脳会談で米国産農産物の購入合意の履行だったようだ。中国の購入量はまだ停滞気味で、特に大豆については2025年中に1200万トン、その後3年間で少なくとも年2500万トンをさらに購入すると合意したもののほとんど進んでなかった。云うまでもなく米国の穀倉地帯はトランプ氏の支持州だから少しでも早く買い取って欲しいと督促したようだ。ただ米国産農産品は13%の関税が残っていることから、ブラジル産などに比べて割高な状況で、中国側は関税ディベートのカードとして温存しておきたい思惑があるようだ。
習近平氏が電話会談に応じたのは日本の「存立危機事態」発言に関して米国の支持を取り付けたかったようだが、トランプ氏は完全無視したようだ。
トランプ氏は切れるカードはすべて切って、来年11月の中間選挙で共和党勝利するために死力を尽くすだろうが、民主党はトランプ氏が中間選挙で表舞台に立てばたつほど景気を減速させた張本人が誰かを米国民が思い出すだろう、と静観というよりもむしろ歓迎しているようだ。
しかし民主党にも有力な次期大統領候補が見当たらず、トランプ氏の独演を許している。メディア露出が増えればそれだけ民主党の不人気が際立つ格好になるため、民主党としても有力政治家が党を率いる構図を演出しなければならない。今年の年末から来年にかけて経済指標がどのように動くか、予断を許さない場面に到っている。