日本政府は海洋の安全航行を呼びかける先頭に立つべきだ。

<米国とイスラエルが対イラン攻撃を開始して28日で半年となる。トランプ米政権は大規模な軍事行動から経済制裁にかじを切ったが、ホルムズ海峡の完全な開放は見通せず打つ手が乏しい。イランも同海峡の管理権の掌握は遠く、経済的な苦境は深まっている。米イラン双方が出口の見えない消耗戦に陥っている。

 ロイター通信によると、カタールのムハンマド首相が27日、イランの首都テヘランでガリバフ国会議長らと会談した。米イランによる直接協議が途絶える中、ムハンマド氏は紛争の外交的解決への復帰を訴えた。
 パキスタンを含む仲介国の外交努力は続いているが、トランプ米大統領は27日もイランと「話す気はない」と述べた。
 米イランが6月に署名し、協議開始が盛り込まれた覚書は形骸化した。イランはホルムズ海峡の通航管理をめぐってオマーンと協議しており、米国は置き去りにされた。
 米政権は軍事作戦が行き詰まる中、経済圧力に重点を移しつつある。イランの港湾封鎖を継続する一方、対イラン制裁に非協力的な国への「2次制裁」方針を発表した。ただ、ミサイルを含む兵器の消耗が進んでいる。
 イランは米国と対峙(たいじ)した半年で体制瓦解(がかい)を防いできたが、物価高騰など経済への打撃が広がり、体制を牛耳る強硬派への国民の反発が強まる恐れがある。だが、ホルムズ海峡ではオマーン寄りの南部のルートを通航する一定数の船舶があり、イランの威圧の効果が薄れているとも指摘される。>(以上「産経新聞」より引用)




米のイラン攻撃「出口見えない消耗戦」開戦から半年、トランプ氏はイランと「話す気ない」」と、イラン戦争は膠着したまま消耗戦に入ったようだ。米国はイランを経済封鎖すべく同盟国をはじめ世界各国に協力を求めている。中国にもイラン原油を買わないように要請したようだが、9月に実施されるとしているトランプ-習近平会談にむけて、米・中関係がどうなるか注目するところだ。
 イランはオマーンと会談したようだ。それは両国が領海を接するホルムズ海峡の取り扱いに共同歩調をとる目的だったようだ。

 イランとオマーンはホルムズ海峡をそれぞれの領海にあたると主張しているものの、ホルムズ海峡は国連海洋法条約で通過通航権が認められるという意味での国際海峡にあたる。国連海洋法条約では公海と公海を結ぶ国際航行に使用されている海峡において、船舶(各国政府の軍艦・公用船舶を含む)が「継続的かつ迅速な通過」のために「航行および上空飛行の自由」を行使することができる通過通航権を認めている。国際海峡を通航する船舶は一定の規則の遵守が義務付けられてはいるものの、通航の自由が保障され普通の領海のように通航が無害であることは条件とされていない。
 国際海峡の沿岸国は「通過通航を妨害してはならず」通過通航を「停止してはならない」(国連海洋法条約44条)。また国際海峡を通航するにあたり、沿岸国に事前に通告したり事前に許可を求めたりする必要はなく、沿岸国に通航料を支払う必要もない、とされている。


 日本政府は、ホルムズ海峡は通過通航権が認められるという意味での国際海峡にあたるか否かについて、これまでは「十分な国家実行の集積」がないため「我が国として確定的なことを述べるのは困難」と述べて、明確な判断を示すのを回避してきた(2014年5月29日の参議院外交防衛委員会での外務省国際法局長答弁)。
 しかし本年5月13日の衆議院外務委員会で茂木敏充外相は「現に国際航行に使用されている海峡」であることや本年3月11日に国連安保理で採択された決議2817号で示された認識(ホルムズ海峡における「航行の権利及び自由」の尊重)を踏まえて、ホルムズ海峡は「国際法上、通過通航制度が適用される国際海峡に該当する」との判断を明確に示した。

 その後5月22日の衆議院外務委員会で外務省国際法局長は、イランが国連海洋法条約を締結していないことを踏まえて(イランは1982年に署名したのみである)「近年の国家実行の集積、学説の発展も踏まえますと、その国連海洋法条約に規定する通過通航制度の中核的内容につきましては慣習国際法化している」と述べた。
 これは国際海峡の通過通航制度が国際慣習法化していることの認定であり、国連海洋法条約の非締約国であるイランも船舶の通過通航権を認めなければならないと確認したことになる。また同日、外務省国際法局長は国際海峡の沿岸国による通航料の徴収の可否について「国際法上、通過通航制度が適用される国際海峡におきまして、沿岸国は通行のみを理由として外国船舶に対して通航料を課すことは認められない」との判断を示した。

 これは国際海峡の沿岸国による通航のための費用の徴収は国際法違反との答弁であるが、現在ホルムズ海峡を国際的に管理するための制度を構築しようとする動きもあることから船舶の航行安全、航路管制、海難救助などのための費用の徴収であれば必ずしも国際法違反とはいえないという含みのある答弁であり、米国に配慮したものだと解釈される。
 しかし国際海峡を航行する自由を侵害してはならず、たとえ船舶の航行安全、航路管制、海難救助などのための費用とするためであっても、安易に「国際海峡の管理権」を認めてはならない。それは未来に大きな禍根を残すものでしかなく、たとえ米国の判断であろうと、日本政府は国際海峡の航行の自由を制限してはならないという立場を崩してはならない。国際海峡の航行の自由が制限されたなら、世界中に海賊が出現して海洋の安全が大きく損なわれることになりかねない。日本政府は海洋の安全航行を呼びかける先頭に立つべきだ。

このブログの人気の投稿

それでも「レジ袋追放」は必要か。

麻生財務相のバカさ加減。

無能・無策の安倍氏よ、退陣すべきではないか。

経団連の親中派は日本を滅ぼす売国奴だ。

福一原発をスーツで訪れた安倍氏の非常識。

全国知事会を欠席した知事は

安倍氏は新型コロナウィルスの何を「隠蔽」しているのか。

安倍ヨイショの亡国評論家たち。

自殺した担当者の遺言(破棄したはずの改竄前の公文書)が出て来たゾ。