オールドメディアが宣伝する中国人型ロボットの実態。

<中国で最も知名度の高い人型ロボットメーカー、宇樹科技(ユニツリー)の株価は上海証券取引所への上場初日に5倍以上に急騰したが、その後は高値から約45%も急落しており、バブルリスクや個人投資家の損失、新規株式公開(IPO)制度の欠陥に対する懸念を引き起こし​ている。

 25日の株価は3日続落を経て落ち着きを取り戻している。
 北京に拠点を置く資産運用会社、凌通盛泰の董宝珍董事長は「‌投資家は技術革命という物語に夢中になっていた」とし、「あらゆるバブルは破裂する運命にある」と警告した。
 上場時のパフォーマンスは、中国ハイテクセクターの繁栄を示すものではなく、市場の過熱を示す兆候だ。ユニツリーのロボットは、走ったり、踊ったり、武術を披露したりすることで注目を集めてきたが、より広範​な商用化においてはほとんど成功を収めていない。
 ベンチャーキャピタル企業、チャイナ・ヨーロッパ・キャピタルのアブラハム・​チャン会長は、ユニツリーの初期のパフォーマンスについて「明るい見通しに支えられたものではなく、後⁠で高値で売りさばくために株価をつり上げようとする一部の勢力の思惑によるものだった」と述べた。
 ユニツリーの目論見書によると、2026年第1・四半​期の調整後純利益は53%減の4000万元(595万ドル)だった。
 同社の株価は上場初日に460%高。これに対し、過去3年間の中国における新規上場銘柄の初日平均上昇率は226%だった。

<熱狂>
 チャン氏は、​中国のIPO制度の抜け穴により、大株主は利益を現金化して巨万の富を築く一方、リスクは二次市場取引に参入する個人投資家に転嫁されていると指摘する。
 銀行関係者によると、政府の小口投資家保護措置に対する一般的な信頼と、空売り業者の不在により、割高な上場銘柄に対する抵抗がすぐさま生じることはない。
 アナリストらは、中国​が米国と技術覇権を争う中、投資家は「国家の支援」があると見なしているためユニツリーのIPOに引きつけられたと分析。また、上海のハイテ​クに特化した「科創板」への迅速な上場も、政府の後押しを示唆するものだったと語る。
 トリニティ・シナジー・インベストメンツのヘッジファンドマネジャ‌ー、ユエ⁠ン・ユーウェイ氏は「中国の株式市場には優良企業があまりない」ため、ユニツリーなどのIPOが中国で熱狂的に求められたと述べた。
 中国のロボット産業投資家は長期的な視点を持つべきだと主張する声もある。
 南方基金のファンドマネジャー、高興坤氏は「多くのロボットメーカーは研究開発に多額の資金を投じているが、商業的な受注はまだ見通せない」と指摘しつつ、「利益だけを見て判断するのは公平ではない」と語り、現在急成長​している中国電気自動車(EV)業​界の発展初期段階との類似点を⁠挙げた。

<損失>
 中国の証券取引所は、上場企業を審査するだけでなく、IPO価格設定に関する指針も示しており、熱狂的な需要に対応するための銀行側の裁量権を制限している。
 董氏は、IPO価格と上場初日の株価パフォーマンスとの間に存在する大​幅な乖離について「どちらかが間違っているに違いない」とした上で、株価の方に問題があったと​の見方を示す。「上場初日⁠の株価パフォーマンスは市場のムードを示すバロメーターで、過熱したムードはバブルを生む」と述べた。
 ユエン氏は、中国における新規上場銘柄での株価操作「ポンプ・アンド・ダンプ」手法が成立するのは、空売り活動が制限されているためだと指摘。「10元相当のIPO株が100元の初値を付け、その後何年も下落し⁠続けることが​ある。これは詐欺だ」と語った。
 ユニツリーで損失を被った個人投資家はブログで、中国の​イノベーションを支持するものの、「富の急速な集中は個人投資家の犠牲の上に築かれるべきではない」と投稿した。
チャン氏は、IPO株を当てた人々は「笑顔で立ち去った」一方で、多くの​個人投資家を涙に暮れさせたと話す。
 「ユニツリーの上場で見られたような資本のドラマは中国では今回が初めてではなく、最後でもないだろう」>(以上「Reuters」より引用)




中国ユニツリー、上場後に株価急落 バブルやIPO制度に懸念」との見出しに「投資家」たちの定見のなさを感じる。
 云うまでもなくオールドメディアが中国の「ロボット運動会」を大々的に報じて、中国のロボット技術が世界最先端であるかのような幻想を抱かせた責任は重い。曰く「世界最速のボルトよりも早い」とか、「垂直飛びで人類を超越した」などと、荒唐無稽な見出しで飾り立てたからだ。

 その実態はコントローラーを操るヒトがロボットを動かしているに過ぎない。つまりラジコンカー並みの玩具でしかない、ということだ。しかもそれらのロボットがすぐに介護士や家政婦となって暮らしに役立つと過大宣伝したものだから、ロボット製造企業の中国ユニツリーの株式公開で大乱高下が起きた。
 云うまでもなく、中国のナンチャッテ製造業の誇大宣伝に騙されてはならない。AI搭載の自立型ロボットならまだしも、ラジコン・ロボットに目を奪われるようでは話にならない。しかも人に置き換わるロボットなら筋肉に相当する入出力系にはゴムなりチューブなりの動力を使用すべきだ。モーターで直接ロットを押し引きしては介護されるヒトが死傷する。

 基本的に人型(ヒューマノイド)ロボットでは膝に過重な負担がかかる。人型ロボットの膝には特段の衝撃緩衝装置が必要だ。そのため日本企業は対衝撃性が高いサイクロ減速機を小型化してヒューマノイドの膝に用いている。
 ちなみにサイクロ減速機とは住友重機械工業株式会社が製造・販売する、独自のサイクロイド曲線(エピサイクロイド平行曲線)を用いた歯車機構を持つ高強度・高信頼性の工業用減速機の名称だ。一般的な歯車(インボリュート歯車)のように「面と面が擦れ合う滑り接触」ではなく、「なめらかな転がり接触」で動力を伝達するのが最大の特徴になっている。

 一般的な平歯車は1〜2枚の歯だけで荷重を支えるため、衝撃で折損するリスクがある。一方、サイクロ減速機は独自の曲線板(外周に波型形状を持つディスク)を使い、全体の約30%以上の歯に荷重を分散して吸収するため、過酷な衝撃荷重にも耐えられる。
 中国のロボット運動会を報じた映像を子細に見れば、100m徒競走を終えたロボットが停止できずに衝撃緩和を施した壁に激突する場面で、ロボットの部品が飛び散り激しく破損する様子が見えたはずだ。高く飛んだロボットが着地後不具合を起こしたのも分かったはずだ。それらは膝関節の部品が衝撃に耐えられなかった証拠だ。ヒューマノイド・ロボットで着眼すべきは膝関節の仕上がり具合だ。

 もちろんコントローラーを持った係員が傍にいること自体が自立型ロボットでない証拠だ。それは子供のラジコンカーと同じ玩具でしかない。頭脳としてAIを組み込んだマイコンがあって、各種検知センサーと認知カメラが装備され、しかも持続的に数時間は稼働するエネルギーパックを内蔵していなければ自立型ヒューマノイドとしては役に立たない。
 動力として高性能モーターを複数個組み込み、それを総合的にAIがコントロールできるように学習したものでなければならない。つまりヒューマノイドが人に替わって働くようになるには乗り越えるべき障壁は想像以上に高く、中国のロボット運動会に登場したようなロボットでは役に立たない。第一膝や踵や足腰の設計が人の代替を果たすには余りに貧弱に過ぎる。人を抱えることすら出来ないだろう。その結果が中国ユニツリー株上場直後の乱高下だ。オールドメディアは中共政府の広告宣伝を努めるのをやめて、もっと科学的で現実的な報道に徹すべきではないだろうか。

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