高市総理大臣の靖国参拝取りやめは残念だ。
<高市早苗首相は、15日の終戦の日に合わせた靖国神社参拝を見送る方向で調整に入った。複数の関係者が12日明らかにした>(以上「共同通信」より引用)
「首相、靖国参拝見送りへ」との速報があった。短い記事だが、それだけで充分だ。残念でならない。
このような総理大臣の判断が「靖国」を外交問題化している。いや「外交問題」というが政治家の「靖国参拝」を問題視しているのは中国と韓国の二ヶ国だけだ。その二ヶ国のためだけに国家に殉じた先人の「霊を参拝して慰めてはいけない」と総理大臣が判断したとすれば由々しき問題だ。
先の大戦で中支に下士官として従軍した亡父は靖国参拝を欠かさなかった。同期兵の約7割が戦死する過酷な戦争を戦ったが、それだけに生きて帰還した兵士として靖国参拝を欠かすわけにはいかなかったようだ。
いうまでもなく、靖国神社には明治維新後に国家に殉じた英霊が祭られている。戦後、天皇陛下も欠かさず参拝しておられたが、1975年(昭和50年)11月21日を最後の参拝として途絶えている。後に公開された「富田メモ」などでは、昭和天皇がA級戦犯の合祀に対して強い不快感・懸念を持たれていたことが理由であるとされているが、そうではないだろう。
靖国神社は1978年(昭和53年)10月17日に、東条英機元首相らA級戦犯14人を「昭和殉難者」として秘密裏に合祀した。その翌1979年(昭和54年)4月19日の朝刊で、朝日新聞が靖国神社へのA級戦犯合祀を報じ、近隣二ヶ国がA級戦犯の靖国への合祀を激しく批判した。
しかし1952年(昭和27年)のサンフランシスコ平和条約発効およびその後の国会では、戦争受刑者の釈放や名誉回復を求める決議が複数回行われA級戦犯者たちの名誉は回復された。ただ法解釈として東京裁判の事実認定を含む裁判結果全体を受け入れているという政府見解を変更したものではない。
だが戦争犯罪とはそもそも何だろうか。国際法に基づく戦争行為は当時も今も合法化されている。当時の日本に交戦権がなかったわけではなく、真珠湾攻撃が宣戦布告なき奇襲攻撃だというのなら、その年の八月から中国戦線に現れた「フライングタイガー」なる飛行隊による日本軍攻撃は何だろうか。
米国は「退役軍人が自発的に空軍機とともに中国へ渡って中国軍を支援した」と表明しているが、米軍の攻撃機を用いている段階で米国の主張は破綻している。「フライングタイガー」こそが米国による日本軍への奇襲作戦ではないだろうか。まさに戦争とはそういうもので、常に戦勝者が敗者を裁き、その記録を残す。東條氏以上の人類に対する犯罪行為を原爆投下にサインした時の米国大統領が犯してはいないだろうか。戦争を主導したとして時の総理大臣の東條氏が裁かれたのなら、時の米国大統領も裁かれるべきではないか。
すでに靖国神社にA級戦犯など合祀されてはいない。米国のアーリントン墓地には米ナム戦争で戦死した兵士たちも合祀されているが、ベトナムが米国大統領はもとより、各国元首や首相が献花することに批判したことがあっただろうか。
国家に殉じた先人に対して、今を生きる日本国民が尊崇の念を表明するのに如何なる批判もあってはならない。日本政府の過剰反応こそが靖国を問題化している。また自虐史観に凝り固まったオールドメディアの反日姿勢こそが批判されるべきだ。高市氏は堂々と胸を張って靖国参拝すべきだった。国難に殉じた先人たちに心からの哀悼の誠を総理大臣が捧げなくてどうするのか。