ガソリン減税法案が衆院委で可決したものの、参議院では否決。

＜衆院財務金融委員会は２０日、立憲民主党など野党７党が共同提出したガソリン税の暫定税率廃止法案について、立民、日本維新の会、国民民主党など野党の賛成多数で可決した。午後の本会議に緊急上程される。ただ、参院は法案に反対する自民、公明両党が過半数を占めるため、成立のめどは立っていない。

　第２１７通常国会の会期は２２日まで。最後の平日となる２０日に事実上閉幕する見通しだ。与野党は７月の参院選に向けて臨戦態勢に入る。
　法案は、暫定税率を７月１日に廃止する内容。同委は野党が過半数を占め、委員長ポストも立民が押さえる。委員会に先立つ理事会で、立民が採決を提案。自民は反対したが、阿久津幸彦委員長が職権で採決を決めた。
　質疑では自民の石田真敏元総務相が「参院選前のパフォーマンス、究極のポピュリズムと見られても仕方がない」と強く批判。これに対し日本維新の会の青柳仁士政調会長は「（野党）各党が現場の声を聞いている。７月（廃止）でも遅いぐらいではないか」と反論した＞(以上「時事通信」より引用)

「ガソリン減税法案、衆院委で可決　通常国会、事実上閉幕へ」との見出しが何とも残念でならない。総選挙は民意を問う選挙だった。民意は自公政権に「ノー」を突き付けた。しかし大同小異のサカサマ野党党首たちは連携よりも分裂・抜け駆けを選んだ。実に愚かな野党党首たちだ。

　その結果、少数与党が政権維持する、という前代未聞の事態が続いている。繰り返すが石破自公政権は少数与党であって、少数与党が政権維持していることが異常事態だ。その原因は野党の代表諸氏の政治家としての未熟さにある。国民の民意を受けて多数派を占めても小異を論って大同を付こうとしない。まるでガキの喧嘩ではないか。

　政治家の視野から国民生活が消えている。もちろん自公与党は財務官僚に洗脳され、財務省の懐具合だけを心配している。史上最大の税収があっても、財務官僚は「まだ足りない」と国民を搾り取る悪知恵を発揮して、「独身税」まで創設してしまったようだ。この笊のような予算編成では税収が幾らあっても足りないが、国民は五割近い国民負担に我慢の限界だ。

　野党は過半数の議席を国民から頂戴したが、野党連合を纏める気もなく、野党としてチマチマとした既得権にしがみついている。明日の日本をどうするのか、確たる政権構想の提起もなく、各野党は他党を批判し足を引っ張り合って国会議員の日々を満喫している。

　だが国民は堪ったものではない。物価狂乱とも云うべく、諸式高騰により生活はいよいよ貧困化している。そこでマスメディアは財務省と打ち合わせたかのように小泉劇場を用意して、備蓄米大量放出で米価高騰を抑え込むチャップリン並みの活躍劇を連日報道している。

　しかし「農家の戸別所得保障制度」の導入か「農政参加意図の制度」の導入か、といった明日の農政に関する議論は皆無だ。ただただ目の前の米価の推移だけを報じて、小泉チャップリンの活劇を連日放映している。これで国民が満足していると思ったら大間違いだ。

　ただ日本の政治家諸氏は米価の国際相場を知らないのだろうか。米価国際相場を形成しているのはタイ米で、1kgが約100円だ。その水準を考慮した上で、日本の国内米価を考えなければ、いつまで経ってもコメに関する高関税を引き合いに出されるだけだ。ちなみに米国産米の価格は1kg135円だ。それらの価格と互角に渡り合うには全量政府買取か、あるいは農家の所得補償制度を導入して、事実上政府がコメを全量買い取り、国際相場を基準とした米価決定により国内に流通させるしかない。

　現在、能天気な表面化や無知なコメンテータが「コメの適正価格は5kg3000円程度か」などと、国際相場では非常識な価格を口にしている。彼らは「井の中の蛙」でしかない。なぜ政治家の一人でも日本の米価は国際相場から大きく乖離している、と本当のことを言わないのだろうか。

　ガソリンの暫定税率廃止を「ポピュリズムだ」と叫んだバカな国会議員がいたようだが「暫定」の意味を理解してないようだ。「暫定」が50年も続いて堪るか。「暫定」であれば速やかに廃して、通常の税率に戻すべきが筋ではないか。

　最後にもう一つ。自動車を大事に長く乗ったら自動車税が増える、というのは逆ではないか。自動車関係の税には実に不可思議なものが幾らでもある。自賠責保険から借りた金を一切返済しない財務省のネコババ体質も政治家は問題にすべきだ。借りた金を返さないで、自賠責保険を値上げする、とは如何なる合理性があるというのだろうか。史上最大の税収があっても足りないとホザク財務官僚を総入れ替えすべきではないか。