中共と中華文化は別物なのか?

＜4月20日、日本で法輪功の支持者が平和的なパレードを実施し、中国共産党（中共）による長年の迫害に抗議した。パレードの出発前には集会が開かれ、在日中国人で水墨画家の宇宙大観氏も参加した。同氏は法輪功の活動を「中華文化の素晴らしさを広げる取り組み」として高く評価し、中国共産党の価値観とは全く異なると主張した。

　宇宙大観氏は、平和的抗議活動は法律で保護されるべきであると主張した。「中国共産党にとって法律は鎮圧の道具にすぎず、公平性も透明性も全くない。人々を恐怖に陥れるだけだ」と述べた。そして、法輪功の活動について「平和的に行動し、素晴らしい文化を作り出している団体」と評価した。伝統的な教えを現代に融合し、社会に良い影響を与えていると述べた。
　特に、神韻公演を通じて共産主義以前の中華文化を世界に発信する法輪功の取り組みを「民族の誇り」と称賛した。「法輪功は中華文明を新たな形で発展させる重要な役割を果たしている」と述べた。

中共と中華文化の違いを理解する重要性
　中共については「中国で自然に発生したものではなく、ソ連から輸入されたマルクス主義に基づいている」と指摘した。階級闘争を軸とした中共の政策が、社会全体を闘争へと駆り立て、正常な判断力を失わせたと批判した。こうした背景から、中共の指導のもと、人々は迫害や暴力を「当たり前」として受け入れる状況に陥った。
　さらに、中共は政権掌握後、共産党組織や青年団（中国共産主義青年団）や少先隊（中国少年先鋒隊）などの関連団体を通じて子供の頃からの洗脳を徹底してきた。これにより「小粉紅（ピンクちゃん）」や「五毛党」と呼ばれる中共を擁護する人たちが生まれ、中国人のイメージが歪められた。
　宇宙大観氏は、「中共と中華文化は本質的に別物であり、日本人にもこの違いを理解してほしい」と強調した＞(以上「大紀元」より引用)

　またしても「著名中国人水墨画家　「共産党と中国は別物」」という謎論理が出た。かつて日本では中国に対して「政経分離」なる言葉も多用された。つまり政治では対立しても経済では協力する、という謎理論と同類項だ。

　現に親中派を自称する日本人に、そうした謎理論を展開する輩が多い。恰も中国共産党と中国人は別物だ、という理論は国家と国民という統合された関係ではないという。しかし、そんなことなどあり得ない。

　引用記事に「中共は政権掌握後、共産党組織や青年団（中国共産主義青年団）や少先隊（中国少年先鋒隊）などの関連団体を通じて子供の頃からの洗脳を徹底してきた。これにより「小粉紅（ピンクちゃん）」や「五毛党」と呼ばれる中共を擁護する人たちが生まれ、中国人のイメージが歪められた」とあるが、歪められた「中国人」こそが本物の中国人ではないか。

　日本に来日している中国人の殆ど全てが反日的だ。日本文化を真に理解し、日本国民と友好関係を築こう、とする中国人とは滅多にお目に掛れない。宇宙大観氏は法輪功信者たちが中共政府に弾圧されたが、法輪功信者こそが真の中国人である、というが、法輪功信者の方が圧倒的に少数派だ。10億人以上もいる中国人の中で、法輪功信者は誤差程度でしかない。

　「「中共と中華文化は本質的に別物」と宇宙大観氏は述べるが、中国の何処へ行けば中華文化を見ることが出来るというのだろうか。多くの歴史的建築物は徹底的に破壊された後に再建されたモノばかりだ。中国で創建以来数百年もの歴史を持つ建築物は何処にもないし、中国の古典芸能で現代まで脈々と受け継がれているものもない。

　だから中国では日本の文化を「中国起源」だと世界に向かって大宣伝している。日本文化は何もかも中国から盗み取った文化だと日本を誹謗中傷してやまない。書道はまだしも、茶道や華道、さらには日本刀や日本言語まで中国起源だと主張するに到っては噴飯ものと云わざるを得ない。

　ちなみに日本が他国の文化を指さして「日本起源だ」と主張したことはない。それこそ他国の文化を尊重し、自国の文化に誇りを持っている。そして日本政府と日本国民は「別物」だと主張することもない。

　中共政府はまさに漢民族が主体となった政権だ。以前の清国は北東部の女真族が政権を担ったが、現在の中共政権は紛れもなく、漢民族による政権だ。中国を代表する民族は改めて云うまでもなく、漢民族だ。だから現代文化こそが中華文化だ。

　中国は漢民族と異民族が交互に政権を担ってきた。だから政権が変わると前政権下の書籍を焼き払い、文化遺産を悉く破壊してきた。だから歴史的な建築物などの殆どは再現されたイミテーションだ。

　中国の伝統的な住居は、地域や文化によって様々な形態が見られますが、主なものとしては四合院、ヤオトン、土楼などが挙げられるが、それらの多くは都市開発により破壊された。日本の白川郷の合掌造りや京都の町屋といった伝統的な住居が現代にも受け継がれ大切に保存されているかと云えば、そうでもない。自国の伝統文化や遺跡を守らない国民が他国の伝統や文化遺産に尊崇の念を抱かないのは当然かも知れない。

　日本ではほんのサワリ程度だが、高校教育などで儒教を教える。だから日本国民の大多数は孔子の名を知っているし、一節を諳んじることも出来る。現代中国人の何人が儒教の一節を諳んじることが出来るだろうか。

　そうした先人を敬う教育を施さないで、時の権力者の言葉を「思想」と称して教えるなど愚の骨頂だ。権力者のご都合主義は教育ではない。それは洗脳と呼ぶ。もちろん現在中国の洗脳教育には反日や、そのための様々な嘘も刷り込まれている。真実の歴史を教えられない国民に自国の文化遺産を尊重する自覚が芽生えることなどない。全ては現政権のご都合主義でしかないからだ。